珪藻土と漆喰を生かしたリノベーションのポイント

この記事では珪藻土と漆喰を生かしたリノベーションのポイントを解説します。
内装材は生活空間の雰囲気作りの点で非常に重要な位置を占めます。特に、壁材は視界にも入る部分なので、リノベーションの際には気をつけるべきでしょう。
さて、ここで紹介する珪藻土と漆喰は塗り壁に使う素材。一般の壁紙とは性質も雰囲気も異なる壁材です。
ところで、意外と珪藻土や漆喰は知られていない内装材ではないでしょうか。もしかすると「雰囲気が違う」程度しか知られていないかも知れません。
そこで、この記事では珪藻土と漆喰を生かしたリノベーションのポイントを解説します。
塗り壁の魅力
冒頭でも挙げたように、珪藻土と漆喰は塗り壁としての素材です。
そこで、ここでは塗り壁の魅力を挙げてみましょう。
独特の質感
最初に挙げられるのが「独特の質感」です。
塗り壁はフラットな壁紙とは異なった質感を持ちます。
あるものは滑らかで、またあるものは無骨でゴツゴツとした質感を持ちます。光の加減で見え方も違うことも少なくありません。
また、現場によって質感も異なります。独特の魅力とも言えるのです。
味のあるテクスチャー
塗り壁の醍醐味は味のあるテクスチャーです。 修行を積んだ職人がコテで作る壁は芸術品とも思えるレベル。他の素材では再現ができないテイストです。
完全に一品物
塗り壁は完全に一品物です。 職人が一品ずつ作る壁なので、世界に2つとない作品ができあがります。
コストについて
塗り壁は職人の手仕事で作られる壁です。 そのため、壁紙を張った壁とは異なり、どうしてもコストが掛かってしまいます。
珪藻土について
次に、珪藻土について紹介しましょう。
珪藻土とはどんな素材か
珪藻土はケイソウと呼ばれる植物性プランクトンの殻が堆積し、化石になったものです。主成分が二酸化ケイ素です。
特徴は非常に細かい穴が無数に開いている点。この穴に水分やニオイの成分が入り込み、調湿機能や消臭効果を発揮します。
珪藻土壁の特徴
ここでは珪藻土壁の特徴を取り上げます。
調湿機能がある
前述の通り、珪藻土には調湿機能があります。
これによって室内の余分な水分を吸い取り、ジメジメした空気を快適に変えます。
梅雨時のジメジメした感じは非常に不快なものですが、珪藻土壁の調湿機能は室内の空気環境を改善するのです。
耐火性がある
前にも挙げた通り、珪藻土の主成分は二酸化ケイ素。この物質は無機物のため耐火性が高いです。
ところで、耐火性の高い内装材を壁に使うと火災時の安全性が高まります。
室内で発火すると、火のまわりのスピードで避難の可否が決まります。内装材の燃えやすさは火災時の避難を決める重要なポイント。その点、漆喰の壁の耐火性は避難を有利にするのです。
消臭効果がある
前にも述べたように、珪藻土には消臭効果があります。
居室内のニオイを取ってくれるので重宝することでしょう。
例えば、ペットを飼っている家などではペットのニオイが気になるでしょうが、珪藻土壁であればペットのニオイを取ってくれます。室内のニオイがなくなり、快適になるのです。
漆喰について
次は漆喰について取り上げましょう。
漆喰とはどんな素材か
漆喰は消石灰と糊、スサなどを加えて作った素材です。
原料となる消石灰はサンゴ礁由来の素材。無機物なので耐火性があります。
また、漆喰は珪藻土と同様に細かい穴のある素材。壁材に使うと、調湿機能や消臭機能を発揮します。
漆喰壁の特徴
漆喰壁の特徴を挙げてみましょう。
調湿機能がある
漆喰も珪藻土と同様に調湿機能を持ちます。
前述のように漆喰にも細かい穴が無数に開いていて、水をその穴で吸い込むのです。
耐火性がある
漆喰は消石灰が主な材料で、耐火性があります。
消石灰は消石灰で無機物です。燃えない素材なのです。
消臭効果がある
漆喰にも珪藻土と同様に消臭効果があります。
これも漆喰の細かい穴による効果。細かい穴でニオイの成分を吸着させ、空気環境を改善させるのです。
抗菌効果がある
漆喰には抗菌効果があります。
これは漆喰の持つアルカリ環境のため。漆喰の成分は水酸化カルシウムで、非常に高いアルカリを示します。この環境下ではほとんどのウィルスや細菌は生きられません。その結果として高い抗菌効果を示すのです。
リノベーションのポイント
それでは、リノベーションにはどのようなポイントがあるのでしょうか。
壁材の特徴を知っておく
珪藻土にしても漆喰にしても、他の壁材との性格が異なります。そのため、壁材の特徴を知っておくことは非常に重要です。
例えば、珪藻土の塗り壁は雑巾で水拭きをするとシミになる恐れがあります。シミを防ぐためにも水拭きをするべきではありません。
このような壁材の特性を知らないでおくと、誤ったメンテナンスをしてしまうこともあります。壁材の特性はよく確認をしておきましょう。
向く部分と向かない部分を確認しておく
塗り壁の持つ雰囲気は魅力的なのですが、向く場所と向かない場所があるので、リノベーションの際には確認しておくべきです。
例えば、珪藻土は調湿機能に優れますが、そこに汚れが付いた場合には、その汚れと水によってカビが生えてしまう場合があります。…つまり、そのような部分には珪藻土は向きません。
室内にカビが生えないように、珪藻土とは別の素材を確認しておくべきでしょう。
メンテナンス方法を確認しておく
メンテナンス方法をあらかじめ確認しておくこともポイントです。珪藻土にしても漆喰にしても、一般の壁紙とはメンテナンス方法が異なります。
例えば、塗り壁はヒビが入る場合がありますが、補修方法を最初に確認しておけば、後で困りません。
メンテナンス方法は壁の仕様によって異なるので、工事の際には業者に確認をしておきましょう。
他の素材と組み合わせる
塗り壁はテクスチャーが面白いのですが、全体を塗り壁にすると飽きが来る可能性がでてきます。
そのため、状況によっては他の素材との組み合わせがおすすめです。
例えば、部屋の一部にウッドの古材を使うとヴィンテージ感が出て、別の面白みが見えるかも知れません。また、レンガなどを使うとレトロな雰囲気を演出できるでしょう。
このように、他の素材との組み合わせは面白くなります。いろいろ組み合わせを考えてはいかがでしょうか。
フローリング材とのコーディネート
内装はコーディネートが非常に大切です。
ですから、壁を作る時であっても、他の部分と併せて考えなければいけません。
特に重要なのがフローリング材とのコーディネートです。無垢フローリング材を使う時などは経年劣化まで考えて選ぶと良いでしょう。
ただし、無垢フローリング材にもグレードがあります。高級なタイプを選ぶと予算計画にも響くので注意が必要です。
照明計画
塗り壁全般に言えることなのですが、リノベーションを考えるのであれば照明計画も立てるべきでしょう。
特に、塗り壁であればテクスチャーによって壁の雰囲気が異なります。また、光の色によっても違ってくることでしょう。
いずれにしても、照明の位置と光の色は部屋の雰囲気を決める上で非常に重要な要素です。壁のテクスチャーを相談するときに、一緒に相談すると良いでしょう。
まとめ
珪藻土と漆喰のリノベーションのポイントを取り上げました。
塗り壁の魅力から珪藻土、漆喰の特徴なども分かったことと思います。また、自宅のリノベーションへの応用を考えた人もいたのではないでしょうか。
塗り壁は壁紙とは異なったオリジナリティ溢れる素材。使い方によっては面白い家作りができることでしょう。
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