海外の映画やドラマに出てくるおしゃれな部屋。壁や天井に施された美しい装飾が、空間に奥行きと高級感を与えているのを見て、「いいな」と思うことはありませんか?

 

その「こなれ感」や「品格」を生み出している秘密が、今回ご紹介する「モールディング」です。

 

モールディングは、リフォームやDIYで取り入れることで、いつもの部屋をまるで海外のホテルのような特別な空間に変える力を持っています。この記事では、モールディングの基本から種類、相性の良いインテリアテイスト、導入する際の費用や注意点について解説します。

モールディングとは?


まず、「モールディングとは何か」という基本から見ていきましょう。

モールディングとは、壁と天井、壁と床、ドアの周りといった、部材と部材が接する「境目」に取り付ける帯状の装飾建材のことを指します。

 

モールディングの最大の効果は、空間に「立体感」と「陰影」を生み出すことです。のっぺりとしがちな広い壁面や天井にモールディングを施すことで、光が当たったときに美しい陰影が生まれ、空間に奥行きとリズム感を与えます。部屋全体が引き締まり、重厚感や高級感が格段にアップするのです。

 

素材は、温かみのある「木製」、軽量でデザイン豊富な「樹脂製」、本格的な「石膏製」などがあり、用途や予算に応じて選ぶことができます。


モールディングの種類


一般的にモールディングは細長い棒状のものが多いです。しかし、実は使う場所によってさまざまなサイズやデザインがあります。代表的なモールディングの種類を以下にまとめてみました。



クラウン(廻り縁)

天井と壁の境目に取り付ける。

パネルモールド(壁面装飾)

壁の表面に、額縁のように四角いフレーム状に取り付けるモールディング。

チェアレール(腰見切り)

ちょうど椅子の背もたれが当たる高さに取り付けられるモールディング。

ベースボード(巾木)

床と壁の境目に取り付ける。

コーナー(コーナー材)

壁の角を保護し、装飾するもの。

ケーシング(付枠材)

ドアや窓、アーチ状の開口部などをぐるりと囲むように取り付ける。

 

モールディングと相性の良いインテリアテイスト


モールディングは、特定のインテリアテイストと組み合わせることで、その魅力を最大限に発揮します。ここでは、特に相性の良い3つのテイストをご紹介します。

フレンチ

優雅でどこか可愛らしいフレンチスタイルには、モールディングが欠かせません。白や淡いグレーで塗装した壁に、繊細なデザインのモールディングを施すことで、上品で洗練された空間が生まれます。アンティークな家具やシャンデリアとの相性も抜群です。

クラシカル

伝統的で格調高いクラシカルスタイル。このテイストを実現するには、彫りが深く、シンメトリー(左右対称)を意識したモールディングの配置が効果的です。天井に「クラウン」、壁に「パネルモールド」、ドア周りに「ケーシング」といったように、複数のモールディングを組み合わせることで、より本格的で奥行きのある空間を演出できます。 

ヨーロッパ

フランス、イタリア、イギリスなど、ヨーロッパ各国の伝統的なデザイン様式を取り入れたスタイル全般を指します。クラシカルスタイルよりも少し肩の力を抜きつつ、エレガントさを保ちたい場合に最適です。 

ゴージャス

きらびやかで豪華なゴージャススタイルにも、モールディングは最適です。ゴールドやシルバーに塗装したモールディングを使ったり、大理石調の壁に立体的なモールディングを組み合わせたりすることで、非日常的でドラマチックな空間を演出することができます。

 

モールディングを取り入れる注意点


 インテリアを格段におしゃれにしてくれるモールディングですが、導入を検討する際には、いくつか知っておきたい注意点があります。メリットだけでなくデメリットも理解した上で、後悔のない選択をしましょう。

コストが高くなる

通常の壁紙だけで仕上げる内装に比べ、モールディングの「材料費」と「施工費」が追加で発生するため、費用は高くなります。

 

材料費は、安価な樹脂製から高価な無垢材や石膏製までさまざまですが、施工費はデザインの複雑さや施工面積に比例して増えていきます。特に、天井の廻り縁(クラウン)や、壁に幾何学模様を描くパネルモールドなどは、正確なカットと取り付けに高い技術が求められるため、施工費も高くなる傾向にあります。

 

リノベーション・リフォームの計画段階で、どの場所に、どの程度のモールディングを施したいのかを明確にし、事前にしっかりと見積もりを取って、予算内に収まるかを確認することが非常に重要です。

ホコリが溜まりやすい

モールディングの凹凸部分には、どうしてもホコリが溜まりやすくなります。特に、チェアレールやベースボード、パネルモールドの上部はホコリが積もりやすい箇所です。

 

美しい状態を保つためには、定期的な掃除が欠かせません。はたきやハンディモップで優しくホコリを払ったり、固く絞った布で拭き掃除をしたりといったお手入れが必要になります。

 

モールディングを採用している施工事例を紹介


最後に、大和ハウスウッドリフォームで実際に手がけたモールディングを採用している施工事例をご紹介します。

ヨーロッパの建物をお手本にした可愛らしい内装

https://reform-list.daiwahouse-woodreform.co.jp/house/reform-list-mt/kodate/fullreform/post-68.html


エレガントでクラシカルなデザインが好みの奥様のご要望に合わせてデザインされた内装。天井と壁の境目に設置されたモールディングによって室内空間にメリハリが生まれています。

シンプルながらも中世ヨーロッパを彷彿とさせる空間

https://reform-list.daiwahouse-woodreform.co.jp/house/reform-list-mt/kodate/fullreform/24-1.html


先ほどの施工事例と同じヨーロッパテイストのお家ですが、非常にシンプルで洗練された空間となっています。さりげなくホワイトのモールディングが取り入れられ、シンプルながらもこだわって揃えたインテリア・家具と相まって高級感のある空間となっています。

 

まとめ


インテリアを格上げする装飾材「モールディング」について、その基本から種類、相性の良いテイストについて解説しました。

 

モールディングは、壁や天井の境目を装飾することで、空間に立体感と高級感を与え、いつもの部屋を特別な空間へと変えてくれる魔法のようなアイテムです。クラシカルで華やかな空間はもちろん、壁と同色で塗装すれば、モダンで洗練された空間にもさりげないアクセントを加えてくれます。

 

リノベーション・リフォームを検討している方は、このモールディングという手法を選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。