より良いリノベーションをするならば、やはり天然木の無垢材の活用は外せません。特に内装材は違います。

しかし、無垢材にも種類があります。どれを選んだら良いか迷う人も多いのではないでしょうか。

そこで、ここでは無垢材を使ったリノベーションを取り上げ、樹種、価格、そして内装デザインの活用術を紹介します。

無垢材リノベーションの魅力

無垢材は合板とは違い、天然の木材を切って作った材料です。

接着剤を多用した合板や集成材とは違い、特有の魅力があります。

ここでは、無垢材の魅力を再確認してみましょう。

肌触りが良い

最初に挙げられる魅力が「肌触りが良い点」です。

人によってはリラクゼーション効果まで感じることでしょう。

先に挙げたように、無垢材は合板や集成材とは異なります。合板や集成材は木材を切り取って接着したもの。木を使っているので一応の木の感触はあるのですが、柔らかさや肌触りは天然素材には及びません。

その点、無垢材は硬さにしても感触にしても、その感触は自然です。肌触りは人工的な素材とは完全に異なり、リラクゼーション効果まで感じるのです。

香りが良い

次に挙げるのが「香り」です。

無垢材は天然木の持つ良い香りがします。内装材に使うならば、部屋全体が良い香りであふれることでしょう。

尚、合板ベースの内装材は天然木の香りはしません。それどころか化学物質の放散が疑われるものもあります。完全に異なるのです。

年月が経つと味わい深くなる

天然木は月日が経つと味わい深くなるのも特徴です。円熟味を増し、落ち着いた風格を持つのです。

これは合板ベースの資材では得られない特徴です。使われ方にもよりますが、合板ベースの資材は古ぼけるだけで、風格などは出ません。

ただ、この変化は樹種や置かれた環境によっても異なります。リノベーションをする前には、業者とよく打ち合わせをして、イメージを伝えるようにしましょう。

調湿機能

無垢材には調湿機能があります。

この機能はジメジメした湿気を取るので空気環境を良くするので魅力的です。梅雨時などは湿度が高くなって不快になるのですが、無垢材を多用しているならば快適に過ごせるでしょう。

尚、夏場はエアコンで除湿する家は多いですが、調湿機能を持つ内装材であれば、エアコンはそれほど必要ではありません。無垢材はエネルギーの節約にも繋がります。


無垢材リノベーションの価格

無垢材のリノベーションは一般的なリノベーションと異なり、高級素材とされる天然木の無垢材を使います。そのため、価格は高めです。ケースバイケースになりますが、一戸建ての場合の坪単価で50~70万円程度が多いです。

ただし、無垢材と言っても樹種にも様々な種類があり、それによって価格が異なります。高級素材を使うと価格も上がり、100万円を超えるケースも出て来るでしょう。

尚、リノベーションは建物の面積によっても費用は異なります。一般には延床面積が狭くなると高くなる傾向があるので、「狭いから費用は掛からないはずだ」などとは考えない方が良いでしょう。


内装のデザインへの活用術

内装デザイン イメージ

内装は生活空間を構成する重要な要素なだけに、デザインには凝りたいものです。

しかし、無垢材の写真やサンプルを見ただけでは、内装での活用がイメージできないのではないでしょうか。

そこで、ここでは無垢材の内装デザインの活用例を挙げてみましょう。

フローリング

フローリングは無垢材の最もポピュラーな活用術と言えるでしょう。肌で触れるので、その触感や柔らかさなどを直接味わうことが可能です。また、フローリングのように広い面積に活用するならば、それだけ香りを楽しむこともできます。

さて、デザインとしてですが、色のコントラストを前面に出すのは活用術として良いのではないでしょうか。

後述しますが、樹種によっては色調の幅が広いものがあり、コントラストを楽しめるものもあります。

価格は高くなるかも知れませんが、デザインを優先させるならばおすすめです。

壁材

壁材への活用もデザインとして面白いです。

コントラストを考えるならば、フロア材とは違った味わいになります。また、漆喰や珪藻土などで塗り壁を作るならば、シックな内装になるので、デザイン的におすすめです。

ちなみに天然木が調湿機能を持つことは前述の通りですが、漆喰や珪藻土も同様に調湿機能を持ちます。天然木と漆喰や珪藻土を併せて使えば、室内の空気環境も一層良くなることでしょう。

造作家具

造作家具に使うと内装材と家具までコーディネートできます。部屋全体のデザインが統一化されるのでおすすめです。

さて、内装と一般に販売されている家具ではコーディネートが簡単ではありません。内装材と同じ樹種の家具を見つけることは極めて困難だからです。

その点、最初から同じ樹種で造作家具を作れば、内装と家具のコーディネートが可能。部屋が一層スタイリッシュになります。

例えば、棚をフロア材と同じ素材で作ったらどうでしょうか。…他の内装とは異なり、一層おしゃれな部屋になることでしょう。このような効果は造作家具以外では難しいです。


樹種別・無垢材の特徴

無垢材 イメージ

このように、天然木の無垢材には合板や集成材とは異なる優れた特性があります。

しかし、天然木にも種類があるため、どれを選んだら良いか迷う人もいるのではないでしょうか。

そこで、ここでは代表的な無垢材を取り上げ、その特徴を紹介します。

オーク

オーク材は人気の高い樹種です。

力強ささえ感じる木目が特徴的で、古くから海外でも多く使われて来た経緯があります。傷付きにくい樹種でもあるので、樽を作る材料としても用いられて来ました。

尚、オーク材はヨーロッパ産やアメリカ産がありますが、日本で建材として使われているものは中国北部の寒冷地産が多いです。

チーク

チーク材は耐久性が高く、油分が多く含まれるので、腐食や虫にも強いのが特徴です。

また、チークは古くなれば色調が濃くなるのも大きな特徴。そのため、多くのデザイナーから愛されていて、高級ホテルなどの内装にも使われています。

アカシア

アカシア材は赤から褐色まで異なる色調を持つ点が特徴です。フロア材に使うとコントラストが美しくなります。

産地はベトナムやマレーシアなどの東南アジアが多く、価格は比較的落ち着いています。

サクラ

サクラ材は日本で多く使われているポピュラーな素材です。

加工性の良さや柔らかさが好まれ、建材として多く用いられています。産地は寒冷地のものが多く、中国のものが多いです。

価格は流通量が安定していることがあって、比較的リーズナブルです。

チェストナット(栗)

チェストナットは栗材として昔から日本でも愛されて来た素材です。古くから鉄道の枕木などとして使われて経緯があり、その硬さや耐久生は実証済みと言えます。その耐久性を愛する建築家は多く、人気は高いです。

パイン(松)

パインは針葉樹の建築材料として世界中で親しまれています。

針葉樹は柔らかいのが特徴ですが、パイン材は比較的硬いです。そのため、フロア材に適しています。

価格帯は流通量が多いため、比較的安いリーズナブルです。


まとめ

無垢材について紹介しました。

活用の方法や樹種の特徴など、魅力が改めて分かったことでしょう。また、リノベーションの価格についても触れました。自宅の改装に参考になった人も多いのではないでしょうか。

ともかくとして、無垢材は合板などとは違う天然素材です。おしゃれなリノベーション住宅を作るためには外せない材料と言えるでしょう。