リノベーションにおけるフローリングのトレンド解説
フローリングはリノベーションにおける最も重要な部材の1つです。
部屋の雰囲気は内装によって決まりますが、フローリングは多く使う部材だからです。
しかし、リノベーションに使用するフローリング材にはどのような種類があるか知らない人も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは今の代表的なフローリング材を取り上げ、その特徴について紹介します。
どのような床材があるか
床材の選定は部屋の雰囲気やデザインコンセプト、そして機能によって使い分けられますが、リノベーションに主に使われるものは次の5つです。
複合フローリング
無垢フローリング
クッションフロア
畳
カーペット
それぞれに違った特徴があるので、次項から解説します。
複合フローリングの特徴と種類
まずは複合フローリングの特徴と種類を紹介します。
複合フローリングの特徴
複合フローリングは合板などの基材の表面に、薄い化粧材が貼られた床材です。合板が基材なので、湿度や温度による変化が少なく、寸法安定性も高いメリットがあります。
また、価格もリーズナブルなため、リノベーション予算が限られる場合に恰好の素材と言えます。
ただし、肌触りや香りなど、天然木には勝てない要素があるので、リノベーションの床材としての選択は、トータル的に考えて行うべきでしょう。
複合フローリングの種類
複合フローリングは表面の化粧材によって分類されます。
「挽板」「突板」「シート」の3種類です。
挽板
挽板は合板などの基材の表面に、2mmほどの厚みの、のこぎりで挽いた天然木を貼ったフローリング材です。表面材に厚みがあるので、天然木に近い触感があります。
なお、寸法安定性などは合板を使っているので良好で、反りや曲がりなども起こりにくいです。
突板
突板は合板に0.3~1mm程度の厚さの天然木を貼ったフローリング材です。挽板よりも天然木の部分が薄いので傷が付きやすく、傷の部分から表面が剥離することもあります。
挽板と同様に合板がベースになっているので寸法安定性が良く、反りや曲がりが起こりにくいです。
シート
合板に樹脂のシートを貼ったフローリング材で、コストパフォーマンスが高い点がメリットです。
また、表面が樹脂製なので、手入れも楽にできます。
ただし、天然木を使っていないので、木の風合いを楽しむことはできません。
無垢フローリングの特徴と種類
複合フローリングは表面に天然木の板を張るイメージですが、無垢フローリングは合板などを使わず、木材から取った板をそのまま使っています。
ここでは無垢フローリングの特徴と種類を挙げてみましょう。
無垢フローリングの特徴
無垢フローリングは天然木の無垢材をそのまま使ったフローリング材です。合板とは違って木の風合いを楽しめます。木は年数が経つと何とも言えない渋みが出ますが、無垢フローリングではその変化を味わえるのです。
ただし、無垢フローリングは天然木ならではの欠点を持っています。
例えば、寸法安定性があまり良くありません。また、反りや曲がりも発生することがあります。
無垢フローリングの種類
無垢フローリングは種類が非常に多いです。そのため、リノベーションで床材を選ぶ際には、樹木の特徴を知っておくことが非常に重要となります。
そこで、ここでは無垢フローリングの特徴を樹木の種類別に紹介しましょう。
ウォールナット
ウォールナットは落ち着いた色合いが特徴です。
重厚感にあふれているため、高級家具などにも使われた経緯があります。シックな雰囲気があるため、落ち着いた空間づくりに向いている素材です。
ブラックチェリー
ブラックチェリーはバラ科の樹木です。年月が経つと濃いブラウン色になり、味わいが一層増します。
また、手触りもなめらかで、きめも細かい点が特徴。高級感の演出に役立つ素材と言えるでしょう。
メープル
メープルはカエデ科の樹木で硬くて丈夫なのが特徴。摩擦や衝撃にも強いので、フローリング材に非常に適しています。
また、木目は白っぽくて目立ち過ぎません。シンプルな空間を演出するのに向いている素材です。
チェストナット
チェストナットはブナ科の樹木。硬くて湿気に強い点が特徴です。また、過去には鉄道の枕木にも使われていたことから、その高い強度が分かります。
木目ははっきりして、うねりを感じさせるもの。美しく強い素材として、フローリング用途に適しています。
チーク
チークは虫に強く、耐久性が高い点が特徴。樹木特有の油分を多く含むので、耐水性も高いです。そのため、船舶の甲板に使われて来た歴史があります。
木肌は深みのある飴色で、時間が経過すると一層味わいが深くなります。シックな空間演出に役立つでしょう。
オーク
オークはブナ科の樹木で、日本ではフローリングとしてポピュラーに使われています。
特徴はその強度で、硬いながらも弾力があります。また耐水性も持っているため、長期間の使用が可能です。
ちなみに、オークはウイスキーの樽に使われて来た歴史があります。強度や耐久性に対するエビデンスにもなるでしょう。
タモ
タモはオークに似ている素材です。硬さと弾力を持ち合わせ、加工性も高いです。
過去には野球のバットに使われていて、その強度は実証済みと言えそうです。
パイン
パインは白く明るい肌が特徴の樹木です。節が多いのが特徴ですが、節の並びは可愛らしくさえ思えます。
また、柔らかさも特徴。フローリング材としては、「裸足で過ごしやすい」という評価もあります。
ちなみに、パインも年月が経つと飴色に変わります。変化も楽しめることでしょう。
ヒノキ
ヒノキは湿気に強いのが特徴。日本では風呂桶などに使われてきた実績があります。
また、リラックス効果が期待できる香りがあり、木目も美しいです。古来より愛されて来たことも納得の行く樹種です。
その他の床材
目立つ場所ではないかも知れませんが、リノベーションに使われる床材は他にもあります。
ここでは、その木の他の床材について取り上げましょう。
クッションフロア
クッションフロアとはクッション性のある樹脂シート状のフロア材です。コストパフォーマンス性が良く、ナイフで切れるので、トイレのような複雑な形状の部屋に向いています。
また、クッションフロアには様々な機能を持たせているタイプがあります。例えば、抗菌、消臭、抗アレルゲンなど。小さい子供がいる世帯に向く床材と言えるでしょう。
畳
畳は和のテイストを加える上で非常に重要なアイテムです。単に和室の構成材料として使うだけでなく、洋室に敢えて敷き、和モダンの演出などもします。
なお、畳は1畳単位で使うとは限りません。部屋の広さや配置によっては半畳単位での使用もあります。トータルなデザインを加味して使い方を考えると良いでしょう。
カーペット
床をカーペットで仕上げる場合もあります。
カーペットはデザインの他、毛足の長さの調整も可能。冬場でも足元が冷たくならない点が魅力です。
また、カーペットはホコリの舞い上がりを抑える効果があります。寝室などに使うと良いでしょう。
まとめ
リノベーションに使われているフローリング材について取り上げました。フローリングのトータル的な体系や種類別の特徴が把握できたと思います。自宅のリノベーションの計画が一歩進んだ人もいるのではないでしょうか。
ともかくとして、床材は部屋の印象を決める重要材料です。それぞれの特徴をサンプルなどでも確認し、最適な床材を選びましょう。
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