住宅の購入には巨額の費用が掛かります。そのため、新築を諦めて、敢えて中古住宅を購入する動きも見られます。

しかし、今は新たなムーブメントがあるようです。それが「実家リノベ-ション」です。

実家リノベ-ションは中古住宅を購入するよりも魅力的な面が多いです。

そこで、ここでは実家リノベ-ションをテーマに、その魅力とポイントを解説します。

実家リノベ-ションの魅力

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まずは実家リノベ-ションの魅力を挙げてみましょう。

住み慣れた家に住める

まず挙げられる点が「住み慣れた家に住める」という点です。

時代は経たとしても、住み慣れた街、住み慣れた風景、住み慣れた家に住むこと大きな魅力です。「懐かしさとの生活」とも言える毎日の暮らしは、子供時代にトリップさせてくれるかも知れません。都会の疲れる空気の中よりも心身を癒してくれることでしょう。

新たに家を買うより安い

住宅購入には巨額の資金が必要です。

これは中古住宅でも変わりません。中古は新築よりは安く手に入るのですが、それでも購入費用は多額です。

しかし、実家リノベは実家を受け継いでのリノベーションです。親から購入するのでなく、引き継ぐ形を取れば非常に安く済みます。

リノベーションには相応の費用が発生するでしょうが、それでもコストは抑えられるでしょう。

相続税の削減

相続税は財産を相続する時に発生しますが、対象は現金や株式などの有価証券だけではありません。趣味で集めた絵画や骨とう品にまで掛かるのです。ですから、時として相続税の捻出のために引き継いだ資産を売却…というケースもあるほどです。

ところで、相続税は不動産で財産を受け継ぐと税金を抑えられることをご存じでしょうか。

これは財産の評価が違うため。現金や有価証券の場合はその額面通りになりますが、不動産に変えると評価額が落ち、それに合わせて相続税も減るのです。

実家リノベ-ションは実家を受け継ぐリノベーション。家を受け継ぐことで相続税が抑えられるのです。

補助金が使える場合がある

実家リノベ-ションは補助金が使える場合があります。

自治体にもよりますが、使える補助金は多いです。

例えば、省エネリフォームに使える補助金がありますし、バリアフリーの補助金も可能性があります。また、子供がいるのであれば子育て世代向けの補助金も使えるかも知れません。

自治体や世帯によって可否はあるでしょうが、コスト削減の点で魅力的です。ぜひとも確認してみましょう。

親世帯を見守りやすい

実家に余裕がある場合には二世帯住宅へのリノベーションも可能です。

二世帯住宅にすれば、「親世帯を見守りやすい」環境ができます。特に介護が必要であれば、二世帯住宅へのリノベーションは大きなメリットになるでしょう。


実家リノベ-ションのポイント

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それでは、実家リノベ-ションにはどのようなポイントがあるのでしょうか。

代表的な点を挙げてみましょう。

建物の傷み具合のチェック

生まれ育った実家は築年数が経ってしまっているため、痛みも進んでしまっているケースが少なくないと思います。

利用するためには建物の傷み具合のチェックをしなければいけません。

具体的にはホームインスペクションの活用が挙げられます。ホームインスペクションは第三者の立場からの住宅評価で、しかも高いレベルでチェックをしてくれます。古い家の活用のためには「頼れる存在」です。

耐震性などの確認・補強

古い家であれば、現在の住宅性能を持っているとは限りません。

昔の建築法規で建てているので、現在の建物ほどの強度が期待できないのです。

そのため、建物の耐震性の確認と補強は不可欠です。

ちなみに、今では後付け可能な制振装置もあります。地震の揺れそのものを軽減してくれるので、メリットは非常に大きいです。

設備の一新

設備の一新はリノベーションには欠かせません。今の住宅設備は昔のものよりも使い勝手が非常に良くなっています。

ところで、住宅設備には高級から普及までのグレードがあります。機能と予算をチェックし、自宅に合った設備を選びましょう。

ただし、古い住宅の設備と比較するならば、普及グレードであっても昔よりも高性能です。高いグレードにこだわる必要は無いかも知れません。

バリアフリー化

バリアフリー化は二世帯住宅とするときに非常に重要となるでしょう。

段差解消や手すりの設置の他にも、車いすへの対応も検討する方がベターです。また、間取りの変更も検討すると良いかも知れません。

ちなみに、バリアフリー化は補助金が使える場合があります。自治体にチェックしましょう。

断熱化

断熱化は単なる光熱費の削減ではありません。住宅の安全性確保のための必要条件と言えるのです。

これは高齢者のヒートショック事故に大きく関わるからです。断熱化が進んでいない住宅では気温の差が大きく、ヒートショックのリスクが膨らみます。

しかし、リノベーションで断熱化を行えば、このリスクが減ります。家の安全性がアップするのです。

省エネ化

省エネ化もリノベーションの大きなポイント。光熱費削減のためにもおすすめです。

太陽光パネルのような設備も研究してみると面白い発見があるかも知れません。

ちなみに、省エネ化には補助金が利用可能な設備もあります。どのような設備が対応するか、自治体に確認してみると良いでしょう。

通信環境の向上

通信環境はテレワークのためには必須の条件。実家が対応しているかの確認は非常に重要です。

仮に通ってないとしたら、使える通信手段を確保すべきです。

ちなみに、通信環境はスピードも大切ですが、安定性も欠かせません。仕事をスムーズにするためにも、最も条件の良い業者を選びましょう。

快適性のアップ

快適性のアップは居心地に関係するので重要です。

この内でポイントとなるのが冷暖房の他にも「防音」や「調湿」などが挙げられます。

防音はテレワークのため、調湿はカビ防止のために有効です。また、建材の調湿機能は空気環境維持において重要です。

内装・外装

内装と外装は家の美観と快適性に関係します。

内装材には調湿機能や抗菌などの機能を持つものがあります。また、空間演出のために非常に重要です。

そして、外装は住宅の印象にも影響するので無視はできません。

予算の問題があるので限度はあるでしょうが、計画には忘れずに入れましょう。

資金計画・ローン計画

実家を受け継ぐとしても、リノベーションには多額の資金が必要です。

そのため、資金計画とローン計画が大切になります。

特に、リノベーションローンは利率が高い場合があります。金融機関を比較して、最も有利なローンを選びましょう。

補助金のチェック

前にも述べたように、リノベーションには様々な魅力的な補助金があります。

しかし、補助金の中には予算枠が決まっているものが多く、実質的異には早い者勝ちになっているケースが少なくありません。

そのため、「調査と申請のスピード」が非常に大切になります。申請は別にしても、調査と確認は素早く取り掛かりましょう。


まとめ

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実家リノベ-ションについて取り上げました。

相続税や補助金などのメリットや、耐震性や設備などの注意点が把握できたことでしょう。

ともかくとして、実家リノベ-ションは住宅取得のメリットだけでなく、「家族」として得られるメリットもあります。仕事との兼ね合いなどからハードルの高さを感じるかも知れませんが、住み慣れた家に帰れることは魅力です。故郷を少しずつ思い出してはいかがでしょうか。