【リフォーム・リノベーションにも影響あり?】金利ってなに?詳しく解説します
最近の報道で金利の上昇を聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。
政治経済のトピックスでよく取り上げられるテーマですが、何やら嫌な予感もします。そして、住宅ローンに対する影響も関連報道で見つかることもあります。住宅ローンの影響を聞いてみると、あまり良い話には思えません。
それでは、金利の上昇はリフォーム・リノベーションに対してどのような影響があるのでしょうか。
ここでは金利の説明からはじめて、リフォーム・リノベーションへの影響、そして返済額を減らすコツについて解説します。
そもそも金利とは何か
まずは金利について解説しましょう。
金利は銀行をはじめとした金融機関の窓口のポスターなどで見かけますが、どのようなものなのでしょうか。
金利とは何か
リフォーム・リノベーションの際に手元に資金がない場合に利用するローンですが、これは借りた金額をそのままで返すのではありません。金融機関の利益を乗せて返さなければいけないのです。そして、その金融機関の利益の部分が利子となります。
金利は金融機関に支払う利子が、借りた金額に対してどれくらい発生するかを表す比率です。
金利は金融機関やローンの目的などによっても異なります。A銀行が1%、B銀行が2%という具合です。
また、金利は借入の目的によっても異なります。例えば、リフォーム・リノベーション向けのローンは一般の住宅ローンよりも高めです。つまり、金融機関に余計に利子を支払うことになります。
ちなみに金融機関のローンの利子は複利です。
複利について
次に複利について取り上げましょう。
利子の付き方には2つの種類があります。「単利」と「複利」です。
この内、単利は借入額のパーセンテージに従って発生するものです。
例えば、500万円借りて3%借りた時は、515万円、530万円、545万円、560万円、575万円…という具合に利子は単純計算で発生します。
その一方で、複利は借入額の利子に、更に利子が発生する計算方法です。
500万円を3%で借りたとすると、515万円、530.5万円、546.4万円、562.8万円、579.7万円…という具合に計算されます。
つまり、複利計算の方が利子を余計に支払わなければいけないのです。
そして、リフォーム・リノベーションローンは複利計算。利子も多く支払わなくてはいけません。
金利上昇の影響
さて、冒頭で金利上昇を取り上げましたが、この意味は「余計に利子を支払わなければならない」ことを意味しています。
具体的には、500万円を3%の複利で借りた時は次の通りでした。
515万円、530.5万円、546.4万円、562.8万円、579.7万円…という具合です。
そして、これが仮に5%になったとすると、次の通りになります。
525万円、551.3万円、578.8万円、607.8万円、638.1万円…となります。
この計算は簡略化のための仮の金利のため、実際の金利とは異なりますが、金利が変わるとこれだけの影響が出ることが分かったと思います。金利が上昇することは、返済額に大きな影響を及ぼすのです。
ローンと金利
先にも挙げた金融機関のポスターですが、よく見ると金利の種類についても記載しています。
さて、それでは金利の種類とはどのようなものでしょうか。
実は、金利には「変動金利」と「固定金利」の2つの種類があります。
それぞれについて解説しましょう。
変動金利
変動金利は市場金利の状況によって金利が変動するものです。一定の期間ごとに金利が上昇したり下落したりします。
例えば、ローン開始で2%だったのが、1年経った段階で3%になったり1.5%になったりするイメージです。
なお、市場金利はニュースで出て来る金利とは少し違います。ニュースで出る金利は「政策金利」と呼ばれる金利で、市場金利とは直接的にイコールではありません。
ただし、市場金利と政策金利は密接に関係があり、政策金利が上昇すると市場金利も上昇する可能性が出て来ます。ですから、ニュースで報じられているように、金利が上昇したならば、市場金利も上がる可能性が出て、ローンの返済額が上がる可能性が出て来る訳です。
固定金利
固定金利とは変動金利とは違って金利の変わらないタイプです。
例えば、スタート時に2%だったものが10年後も2%、ローン完済時まで2%といった具合です。
さて、このように固定金利は全期間が同じなので分かりやすいのですが、やはりデメリットもあります。というのも、市場金利が安かった場合には、固定金利の方が高い場合があり、返済額が増えてしまうのです。
その一方で、市場金利が高くなった場合には逆の現象が起き、返済額が減ります。
なお、現状で報じられている金利のアップは変動金利のアップに繋がり得ますが、固定金利には関係がありません。そのため、固定金利の方がメリットの出る可能性が出て来ます。
金利上昇によるリフォーム・リノベーションへの影響
それでは、ニュースなどで出て来る金利上昇はリフォーム・リノベーションのローンにどのような影響が出るのでしょうか。
影響があるのは変動金利の利用者
前述のように、ニュースで出る金利は政策金利ですが、市場金利と密接に関連があり、ローン金利にも影響します。
そして、ニュースなどでは住宅ローンへの影響も報じられていて、返済額が増える可能性がある…と言われます。
ところで、これは住宅ローンだけではありません。リフォーム・リノベーションローンにも同様の現象が発生するのです。
ただし、影響が出るのは変動金利の利用者で、固定金利の利用者には影響が出ません。
ローンはシミュレーションができる
ところで、ローンはシミュレーションが可能であることをご存じでしょうか。
先に挙げたように、ローンは複利計算のため、電卓を叩いての試算は簡単ではありません。そのため、トータルの返済額の計算が困難で、算出はほとんどできません。
ローンのシミュレーションはそのような時に非常に便利です。
ネットのシミュレーターに借入金額と金利、そして期間などを入力すれば、トータルの返済金額が出力されるのです。変動金利にするか固定金利にするかで迷った場合、非常に役立つことでしょう。
返済額を抑えるコツ
では、ローンの返済額を抑える方法はないのでしょうか。
…実はあります。「繰上返済」と「借り換え」です。
繰上返済をする
繰上返済は返済期間中に後で支払う返済額を先に支払ってしまう返済方法です。返済に充てられるのは元金の部分。ですから、利子を減らす効果があり、トータルの返済額を抑えることができます。
なお、繰上返済には返済期間を短縮するタイプとトータルの返済額を軽減させるタイプの2種類があります。
借り換え
借り換えはローンの返済途中に別の金融機関のローンに変えることです。金融機関によって金利は異なることがありますが、借り換えで金利の低い金融機関に変えられたならば返済額を抑えることができます。
ただし、ローンには団体信用生命保険が掛けられることもあります。その場合には金利に上乗せされることもあるので、注意が必要です。
まとめ
リフォーム・リノベーションのローンと金利の関係性について取り上げました。全体の概要がイメージできたことと思います。また、ニュースで報じられる金利との関係性も掴めた人も多いことでしょう。
ともかくとして、金利の上昇によってローン金利の上昇が懸念されます。
しかし、だからと言って施工の着手に焦るべきではありません。改装する部分の仕様をじっくりと決めて着手する方が、より満足の行くリフォーム・リノベーションとなるからです。調査や業者との相談を密にして、より良いリフォーム・リノベーションにしましょう。
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