【2025年度】住宅税制の改正点を徹底解説!リフォームで使えるお得な制度も紹介

この記事では、2025年度の住宅税制の概要と改正点を解説するとともに、リフォームで使える新たな補助金制度も紹介します。
2025年度もリフォームに関する住宅税制が一部改正されています。今回の改正は子育て支援に重きを置く傾向が見られ、子育て世帯や若者夫婦世帯がお得にマイホームを取得できる制度が満載です。
この記事では、2025年度の住宅税制の概要と改正点を解説するとともに、リフォームで使える新たな補助金制度も紹介します。
住宅ローン控除|2024年度から引き続いて実施が決定
マイホーム取得時に受けられる税制優遇措置のなかでも、特に節税効果の大きい住宅ローン控除は、2025年も引き続き実施が決定しています。どのような内容になっているのか、2025年2月末時点での最新情報を確認していきましょう。
住宅の種類 | 借入限度額 | 控除期間 | 控除率 | 最大控除額 |
---|---|---|---|---|
新築住宅 | ||||
長期優良住宅・ 低炭素住宅 | 4,500万円 (5,000万円) | 13年間 | 0.7% | 409.5万円 (455万円) |
ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 (4,500万円) | 318.5万円 (409.5万円) | ||
省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 (4,000万円) | 273万円 (364万円) | ||
中古住宅 | ||||
長期優良住宅・低炭素住宅/ ZEH水準省エネ住宅/ 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 10年間 | 0.7% | 210万円 |
その他の住宅 | 2,000万円 | 140万円 |
※カッコ内の金額は子育て世帯等の場合
※子育て世帯等:19歳未満の子のいる子育て世帯、夫婦のいずれかが40歳未満の若者夫婦世帯
※床面積要件は50m2以上(新築の場合、合計所得金額1,000万円以下の場合に限り40m2)
改正のポイントは子育て支援
2025年度の改正点は、表中の赤字で示した2点です。いずれも2024年度の制度と同様の内容であり、適用期限が1年間の延長となります。
①子育て世帯、若者夫婦世帯における新築住宅の借入限度額を上乗せ
②合計所得金額1,000万円以下の場合、床面積要件を50m2→40m2以上に緩和
税制大綱において、これらは子育て支援に関する政策税制の一環として取り組む旨が記載されています。そのため、現在進行形で子育てをしている世帯と、今後子どもを持つ可能性のある若者夫婦世帯への支援に重点を置いている点が特徴です。なお、中古住宅の取得に関しては、特に変更はありません。
ちなみに、2024年税制改正により、省エネ基準に適合していない新築住宅は、住宅ローン控除の対象外となっています。これは、2025年4月以降に建築確認申請を行う新築住宅に関して、省エネ基準への適合が義務化されることに伴うものです。
リフォーム促進税制|子育て対応リフォームへの適用が1年延長
2025年度の住宅税制改正において、住宅ローン控除とともに言及されているのが、リフォーム促進税制の改正です。こちらも2024年度の措置を延長するものですが、どのような内容なのか詳しく見ていきましょう。
2025年度のリフォーム促進税制の概要
対象となるリフォーム工事 | 対象工事限度額 | 控除率 |
---|---|---|
必須工事 | ||
耐震 | 250万円 | 10% |
バリアフリー | 200万円 | |
省エネ | 250万円 (太陽光発電設置で350万円) | |
三世代同居 | 250万円 | |
長期優良住宅化(耐震+省エネ+耐久性向上) | 500万円 (太陽光発電設置で600万円) | |
長期優良住宅化(耐震または省エネ +耐久性向上) | 250万円 (太陽光発電設置で350万円) | |
子育て | 250万円 | |
その他工事 | ||
必須工事の対象工事限度額超過分・その他リフォーム | 1,000万円− 必須工事の対象工事限度額 | 5% |
(出典)国土交通省「住宅のリフォームに係る税の特例措置」
住宅ローン控除を受けるには、返済期間10年以上のローンを組んで、新築住宅や中古住宅を取得する必要があります。一方、リフォーム促進税制はローンの利用有無に関係なく利用でき、所定の金額が所得税額から控除されます。
子育て対応リフォームの適用期限が延長
2025年度住宅税制における改正点は、表中の赤字で示しているとおり「子育て対応リフォーム」の適用期限が、2024年12月末から2025年12月末まで1年間延長されたことです。
子育て対応リフォームに関する所得税控除の内容をまとめると次のとおりです。
子育て対応リフォームの税控除内容
対象工事 | 次のいずれかに該当する工事で、かつ標準的な工事費用相当額から補助金等を控除した額が50万円を超える工事
①住宅内における子どもの事故を防止するための工事 ②対面式キッチンへの交換工事 ③開口部の防犯性を高める工事 ④収納設備を増設する工事 ⑤開口部などの防音性を高める工事 ⑥子ども部屋の増設などの間取り変更工事 |
---|---|
主な要件 | ・子育て世帯または若者夫婦世帯の自宅であること ・リフォーム工事完了後6ヶ月以内に入居すること ・リフォーム工事後の床面積が50m2以上であること ・合計所得金額が2,000万円以下であること など |
最大控除額 | 62.5万円(その他工事も含む) |
適用期限 | 2025年4月1日〜12月31日 |
(出典)一般社団法人住宅リフォーム推進協議会「住宅リフォーム支援制度」
控除を受けられるのは1回限りですが、返済期間10年未満のリフォームローンを組んでいる場合や、現金一括で支払う場合にも利用できるのがポイントです。
ほかにもある!2025年度のリフォームで使えるお得な制度
住宅税制の改正内容は以上ですが、2025年度はリフォームで使えるお得な補助金制度が多数設定される予定です。ここでは「住宅省エネ2025キャンペーン」から、代表的な3つの制度を紹介します。
子育てグリーン住宅支援制度(リフォームのみ)
子育てグリーン住宅支援事業は、2024年に実施された「子育てエコホーム支援事業」の後継として、新たに実施される事業です。補助要件や補助額の概要は以下のとおりです。
メニュー | 補助の要件※ | 1戸当たりの補助額 |
---|---|---|
Sタイプ | 必須工事3種すべての実施 | 最大60万円 |
Aタイプ | 必須工事のうち、いずれか2種の実施 | 最大40万円 |
必須工事 | ①開口部の断熱改修(ZEH水準以上であるもの) ②躯体の断熱改修(ZEH水準以上であるもの) ③エコ住宅設備の設置 | |
附帯工事 | 必須工事を行ったうえで、同時に行う以下のリフォーム ・子育て対応リフォーム ・防災性向上リフォーム ・バリアフリーリフォーム ・空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 | |
スケジュール | 交付申請期間:未定(2025年2月末現在) 交付申請期限:予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月末まで) |
※合計補助額が5万円未満のリフォーム工事に関しては補助の対象外となる
(参考)国土交通省「子育てグリーン住宅支援事業【公式】」
先進的窓リノベ2025事業
自宅の断熱性や気密性をアップする目的で、窓や玄関ドアの交換を行う場合に使える補助金です。補助額が大きいため、リフォーム時には積極的に活用しましょう。
| 内容 |
---|---|
補助対象 | 高い断熱性能を持つ窓への交換工事 (内窓設置・外窓交換・ガラス交換・ドア交換) |
補助額 | 200万円まで(工事費用の1/2相当) 【ガラス交換】 5,000〜5万5,000円/1ヶ所 【内窓設置】 1万2,000〜10万6,000円/1ヶ所 【外窓交換(カバー工法)】 5万8,000〜22万円/1ヶ所 【ドア交換(カバー工法)】 5万8,000〜22万円/1ヶ所
※上記は戸建て住宅、低層集合住宅の場合 ※窓のサイズ、性能のグレードによって補助額が異なる |
スケジュール | 交付申請期間:2025年3月下旬〜順次(2025年2月末現在) 交付申請期限:予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月末まで) |
(参考)環境省「先進的窓リノベ2025事業」
給湯省エネ2025事業
リフォームに伴い、省エネ性能に優れた高効率な給湯設備を導入する場合に使える補助金です。補助対象となる給湯器の種類、補助額は次のとおりです。
補助対象 | 以下に該当する給湯設備の導入にかかる費用の一部
1)ヒートポンプ給湯機(エコキュート) ヒートポンプの原理で、夜間電力や太陽光で発電した電力を使ってお湯を作り、タンクに蓄える給湯設備
2)ハイブリッド給湯機 ヒートポンプ給湯器とガス給湯器の2つの熱源を併用して、高効率にお湯を作る給湯設備
3)家庭用燃料電池(エネファーム) ガスから作った水素と空気中の酸素の化学反応で発電する設備 →発電時の排熱を回収・利用することで給湯器の役割を果たす |
---|---|
補助額 | 【基本補助額】 1)6万円/台(最大13万円/台) 2)8万円/台(最大15万円/台) 3)16万円/台(最大20万円/台) ※基本額に加え、加算要件を満たすと最大額まで加算される ※戸建住宅はいずれか2台まで、共同住宅等はいずれか1台まで
【加算額】 ・蓄熱暖房機の撤去の実施:8万円/台(2台まで) ・電気温水器の撤去の実施:4万円/台(補助を受ける分まで) |
スケジュール | 交付申請期間:2025年3月下旬〜順次(2025年2月末現在) 交付申請期限:予算上限に達するまで(遅くとも2025年12月末まで) |
(参考)環境省「給湯省エネ2025事業」
住宅税制や補助金を活用してお得にリフォーム!
2025年度の住宅税制改正は、子育て世帯や若者夫婦世帯のマイホーム取得やリフォームを支援する性格が色濃くなっています。子どもの誕生や成長に伴って、中古を買ってリノベーション、あるいは自宅のリフォームを検討している方は、この機会に工事に着手してはいかがでしょうか。
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