家の間取りを変更したい。間取り変更のメリット・デメリット・注意点とは
今の住まいについて、間取り問題で暮らしにくさがあると感じている人もいるのではないでしょうか。また、子育てや仕事の面で大きな変化があったり、ライフスタイルが変わったりしたときに、これまでの住まいでは不都合が出てくることもあります。
そこで、より快適な住まいを手に入れる有効な手段の一つとして、間取り変更のリフォーム・リノベーションがあります。家族の形や暮らし方にあわせて、部屋を広くしたり、部屋数を増やしたり、水回りの配置を変えたりというように、住まいの使いにくい部分を作り変えることができます。
今回は、間取り変更したいと思ったときにまず知っておきたい基礎知識として、間取り変更のメリット、デメリット、注意点をまとめました。
間取り変更で暮らしやすい住まいに
間取り変更とは
住まいの中で、キッチンや浴室、居室といった各スペースの配置を間取りと言います。間取り変更では、壁や柱を取り払って広い空間を作ったり、反対に壁を新しく作って部屋数を増やしたりすることができます。
また、キッチンやトイレ、浴室などの水回りの配置を変えたり、廊下や階段を移動したりすることもあります。
間取り変更のための工事では、壁や柱、住宅設備を撤去したり、新しく設置したりします。
間取り変更のメリット 暮らしにくさを解決!
間取り変更のメリットとして代表的なものを紹介します。
生活にあわせて暮らしやすい住まいにできる
ライフスタイルや家族の形は時代とともに変わっていきますが、家の間取りや設備は、何もしなければ建てたときのまま。古い間取りが今の生活に合わず、暮らしにくさの原因となることがよくあります。使いやすい間取りに変更することで、家事が楽になったり家族の会話が増えたり、といった効果を得ることもできます。
また、ライフステージが変化する時は、暮らし方も大きく変わり、住まいに求めるものも変わってきます。新しい生活に合わせた間取りに変更することで、日々の家事の負担を減らしたり、おうち時間をより充実させたりできるでしょう。
建て替えや新築物件購入よりもコストを抑え、希望を叶えることができる
生活に合った間取りの住まいを手に入れる手段として、建て替えや新築、別の物件の購入も選択肢になるでしょう。コスト面で考えると、基本的には、間取り変更リフォーム・リノベーションの方がコストを抑えられると考えられます。
例えば、子供部屋が二つある物件を新たに購入するよりも、今ある部屋に間仕切り壁を入れて二部屋に分ける間取り変更工事をする方が、お金をかけずに目的を達成できるでしょう。
また、間取り変更リフォーム・リノベーションなら、経験豊富な施工会社に依頼して、要望に合わせたきめ細かい調整をしてもらうこともできます。先ほどの子供部屋の例で言えば、間仕切り壁の代わりに部屋を仕切る収納棚の造作や、指定の位置にコンセントや照明の配線をしてもらうこともできるでしょう。
間取り変更にはデメリットも
間取り変更は、住まいの悩みを解決する有効な方法の一つですが、デメリットもあります。
工事費用が掛かる
工事期間中は生活に支障が出る、工事規模によっては仮住まいが必要になる
間取り変更の工事は部分的でも大掛かりになりがちで、費用も掛かります。間取り変更の代わりに、置き家具やDIYで対処できるなら、その方がコストは抑えられるかもしれません。
既存の住まいの制約で、希望通りの間取りにならないこともある
建物の構造や配管、配線の関係で、希望する通りの間取りが実現できないかもしれません。中途半端な間取り変更になって、後の暮らしに悔いが残るようでは困ります。施工会社には間取り変更を希望する理由をしっかりと伝え、問題解決の方法をアドバイスしてもらうとよいでしょう。
資産価値が下がる危険性がある
将来、売却する可能性があるなら、間取り変更で資産価値が下がってしまう可能性もあると認識しておきましょう。
希望の間取りに変更できる?始める前にチェックすべきポイント
暮らしやすい住まいが手に入る間取り変更リフォーム・リノベーションですが、成功させるためには、制約やできないことをしっかり理解して、事前の準備を進めることが大切です。できることとできないことを明確にしておけば、納得度の高い間取り変更プランの作成につながるでしょう。
構造に注意!建物の強度を支える壁や柱は取り払えない
近年のトレンドとして、壁や柱を取り払って大きな空間を作る間取り変更が人気です。そこで注意したいのが、耐力壁や柱、筋交い、梁といった、建物の重さを支える構造部分です。耐震性能に関わる構造なので、安易に取り除くことができません。
戸建住宅では、RC造・鉄骨造、木造軸組工法(在来工法)の建物は、比較的間取り変更の自由度が高いと言われています。これは、柱と梁で建物の重さを支える構造になっているためで、壁についてはある程度取り払っても問題無い構造といえます。
一方で、2×4工法(ツーバイフォー工法)の建物は注意が必要です。床や壁といった面で建物を支える構造なので、壁の撤去だけでなく、壁に大きな開口部をあけることも難しい場合があります。
補強工事をすれば、重さを支える壁や柱を取り除いても強度を維持できることもあります。経験や技術のある施工会社や設計士に建物や図面を見てもらい、相談してみてください。
▼参考
住まいのリフォームチェック|大和ハウスウッドリフォーム株式会社 (daiwahouse-woodreform.co.jp)
マンションの間取り変更はここに注意
集合住宅であるマンションは、戸建住宅には無い制約があります。
管理規約を確認しておく
マンションには、入居者のルールとして管理規約があります。所有者の責任で工事してよいとされる専有部分についても、工事内容が制限されていることがあります。排水管の移動や床材の張替えなど、禁止されている内容をあらかじめ確認しておきましょう。
マンションも構造に注意
マンションも間取り変更しやすい構造とそうでない構造があると言われています。「ラーメン構造」は部屋の四隅の柱と天井の梁で支えているので、壁を無くした開放的な空間を作りやすいとされています。
一方で、壁が建物の重量を支える「壁式構造」では、耐力壁と呼ばれる壁は取り払うことができず、部屋をつなげて広い空間を作る間取り変更ができないこともあります。
他にもある、注意点
工事中の仮住まいなど追加費用を見込んでおく
間取り変更は大掛かりな工事になることもよくあるので、工事中は仮住まいを用意する必要があるかもしれません。仮住まいや一時的な引越しの費用も、予算に組み込んでおきましょう。
しっかりした施工会社を選ぶ
間取り変更の施工経験が豊富な施工会社は数が限られます。各社のホームページなどで施工実績を確認し、しっかりとコミュニケーションをとって的確なアドバイスをしてくれる施工会社を選びましょう。
まとめ
間取り変更のリフォーム・リノベーションは、生活に合わせた暮らしやすい住まいを手に入れることができますが、希望したままの間取りに変更できるとは限りません。建物の構造やマンションの管理規約などの制約があるからです。
施工会社などのプロの目で見てもらって、できることとできないことを踏まえた提案をしてもらうようにしましょう。