昔のキッチンは画一的だったと言えないでしょうか。

コンロの脇にシンクがあり、そのまわりに収納が並ぶイメージはある意味で「標準」であり、魅力の乏しいものでした。

しかし、最近はキッチンも多様化しました。カウンター式が登場。それに続いてアイランド型のキッチンが生まれたのです。

さて、キッチンのリノベーションもそれに合わせて可能性の幅が広がりました。

ところで、選択肢が広がると迷いも多くなります。アイランド式についても選ぶのに迷うことと思います。

そこで、ここではアイランド型キッチンの魅力を再確認し、リノベ事例を併せて紹介しましょう。

アイランドキッチンの魅力

リノベーションは価値を向上させる改装。設備にしても機能やデザインが良くなっていなければ価値向上にはなかなか結び付きません。

それでは、アイランドキッチンにはどのような魅力があって価値が上がっているのでしょうか。

ここでは、その魅力について挙げてみましょう。

開放感がある

キッチンは延床面積が許すのであれば広く作ることは可能ですが、それはあくまでも「面積」の話。インテリアで指す意味とは違います。面積が仮にあったとしても、構成を間違えてしまうと閉塞感を感じるキッチンにしてしまうからです。

その点、アイランドキッチンであればキッチンの周囲にスペースができるので開放感が出て来ます。特に、周囲に大きな窓があれば採光の条件も良くなるので、明るくもできます。

空間に開放感があれば気分もよくなるもの。毎日の食事の時間も、より楽しいひと時になるかも知れません。

デザインがおしゃれ

デザインがおしゃれな点も魅力です。

建築設備や素材は機能を優先させるあまり、とかく粗野になりがちです。そのため、状況によっては空間演出に失敗し、野暮ったいスペースになることもあり得ます。

その点、アイランドキッチンはデザインがおしゃれです。開放的な形状と機能は、より良い空間演出のためにも役立つことでしょう。

デザインがおしゃれですと知人も呼びやすくなります。ホームパーティーも楽しくなるのではないでしょうか。

複数人で調理が可能

キッチンのスペースが増えると複数人での作業が可能になります。

アイランドキッチンはその点でも有用です。他のキッチンでは作業する人は隣に並ぶ必要があったのに、アイランドは周囲に集まることが可能だからです。作業が複数人でできるようになります。

複数人で調理をするならば、それぞれが知恵を出し合うことも可能。より美味しい料理ができるのではないでしょうか。

コミュニケーションが取りやすい

特に壁付けタイプのキッチンの場合、作業は壁に向かってするイメージとなり、家族と話すときは「振り向く動作」が必要となります。そのため、コミュニケーションが薄れがちです。

調理中は話すことが少なくなるかも知れません。

その点、アイランドキッチンは壁に向かって作業をするのではなく、家族がいる方向に向いての作業が可能。コミュニケーションが取りやすくなります。

現代は誰もが忙しくしているため、家族のコミュニケーションも希薄になりがちです。その点、アイランドキッチンはコミュニケーションにも有効です。家族の「絆」を深めるにも効果のあるアイテムとも言えるでしょう。

キッチンカウンターとしても使える

アイランドキッチンの場合、ある程度の広さが確保されるのであれば椅子をおくことも可能。キッチンカウンターとしても使えます。

キッチンカウンターはちょっとした食事を取るスペースとしても活用が可能です。作業以外のスペースとして使える点は大きな魅力ではないでしょうか。

収納スペースが多いタイプもある

キッチンに収納するものは調理器具や食器がメインですが、これらは増えてしまう場合が多いのではないでしょうか。

焦げ付きにくいフライパンや高性能のフードプロセッサー、おしゃれな食器など、生活を送る過程で増えるケースは少なくないことでしょう。

さて、アイランドキッチンは収納スペースが多い点も魅力です。

他のキッチンであれば構成が縦方向のみなので、二次元的な収納しかないのに、アイランドは前にも伸びるので三次元的になります。それに伴って収納が増えるので、独自の魅力となっています。


キッチンリノベの事例

次にキッチンリノベの事例について挙げてみましょう。

アイランドキッチンに変えることによって魅力が出ることが分かったと思いますが、実際的にはどのように変わったのでしょうか。

ちなみに、キッチンのリノベーションは単なる設備の交換だけを捉えるべきではありません。内装や採光などをトータル的に評価するべきです。ここにおいても全体を見て魅力を紹介します。

ホワイトを基調としたキッチンのリノベーション

キッチンリノベ事例1

こちらはホワイトとブラックを基調としたデザインのアイランドキッチンです。キッチンのみならず、フロア面もモノトーンで色調を抑えて全体をまとめています。大きな窓が脇にあるのも特徴で、広い範囲に光が入ります。モノトーンながらも明るくする空間演出が大きな魅力と言えるでしょう。

また、このアイランドキッチンは収納が多いのも特徴。リノベーションの前よりもキャパシティが増えている点も魅力です。

ブラウンを多用したリノベーション

キッチンリノベ事例2

こちらはブラウンを基調としたカラーリングのキッチン。フロアから壁面までもブラウンで統一しているので、全体的に優しい印象さえ受けます。また、キッチン前面はガラス張りになっているのも特徴です。これによって、他の建物のキッチンとの差別化がされ、独自の魅力となっています。

側面にブラインドのあるキッチンリノベーション

キッチンリノベ事例3

採光によってインテリアは大きく変わります。空間から感じる色調を明るくも暗くもし得るからです。そのため、ケースによっては、外から入る光を「絞る」ことも必要となるでしょう。

さて、こちらのキッチンもブラウン系が多用されていますが、それと同時に側面の窓にブラインドを付けているのも特徴です。ブラインドは光を適度に絞るので、キッチンの色が「映える」レベルに落ち着けます。

ちなみに、こちらはテーブルも同じテイストのデザインのものを置いています。空間のコーディネートが大きな魅力と言えるでしょう。

広々とした空間の中のアイランドキッチン

キッチンリノベ事例4

色調は「まとめる」ことも大切なのですが、「組み合わせる」ことも考えるべきです。他のテイストを組み合わせることによって全体の雰囲気を変えるからです。

さて、こちらのキッチンはホワイト系とブラウン系を組み合わせて空間を作っています。キッチンの脇も多くの光が差し込むように作られていて、ホワイトが見事に「映えて」います。それによって優しい雰囲気を奏でる空間となっている点が魅力です。


まとめ

アイランドキッチンの魅力と事例を取り上げました。キッチンには壁面に付けるタイプやペニンシュラタイプなどがあり、それぞれ独自の特徴を持っています。また、カウンターとの組み合わせなどで特徴が異なることでしょう。

さて、ここではアイランドキッチンを取り上げました。アイランドはそれらのキッチンとは特徴が別物で、持っている魅力も違うことが分かったことと思います。また、リノベーションに使うと違った面白さが演出できるのではないでしょうか。

ともかくとしてリノベーションの空間演出の可能性は広いです。アイランドキッチンもその中の1つなので、キッチンリノベの選択肢に入れてはいかがでしょう。きっと素敵な空間となるでしょう。