フルリノベーション。よくある失敗と後悔しないための対処法
所有している自宅をフルリノベーションして、理想の住まいを実現したいと考えている方も多いのではないでしょうか。建て替えよりもリーズナブルな価格で、新築同様の綺麗な住まいを手に入れられることから、フルリノベーションの人気は高まっています。
しかし、フルリノベーションに失敗して後悔している方がいるのも事実です。
この記事では古くなった自宅をリノベーションしたいと考えている方向けに、フルリノベーションでよくある失敗例を5つ紹介。それぞれの要因と対処法を解説します。失敗例からの学びをフルリノベーションの成功へつなげましょう。
フルリノベーションの失敗例(1)想定外の費用発生で予算オーバー
フルリノベーションの失敗例として特に多いのが、着工してから想定外の費用が発生し、当初の予算をオーバーしてしまうケースです。
フルリノベーションの対象となるのは築古の中古物件です。丁寧に使われていたり、過去に部分的なリフォームが行われていたりすれば、表面上は綺麗に見えることもあるでしょう。
ただ、築古物件は建物本体や設備が老朽化している可能性があり、解体してみて初めて不具合が明らかになることもしばしばあります。こうした想定外の不具合によって、予算で見込んでいなかった修繕や交換が発生して予算オーバーを招くのです。
失敗例(1)を引き起こした要因
この失敗の要因は「目に見えない箇所のチェックを怠ったこと」と「予算に余裕を持っていなかったこと」の2点です。
目に見える箇所の不具合は簡単に発見できますが、床下・天井裏・配管など見た目にはわからない箇所の老朽化は気づきにくいものです。ましてや解体しないとわからない不具合については事前に想定するのが困難でしょう。
失敗例(1)を避けるための対処法
1つ目の失敗例を避けるには、目に見えない部分の不具合もしっかりと確認しておくことが大切です。築数十年が経過している自宅は建物自体の老朽化が進んでいる可能性も高いので、ホームインスペクションを実施するとよいかもしれません。
そして何より、入念にチェックしても想定外の事態は起こるものと考え、余裕を持った資金計画を心がけましょう。
フルリノベーションの失敗例(2)建物構造によりプランに制約
2つ目のよくある失敗例が、理想の住まいにすべくフルリノベーションを依頼したものの、建物構造が原因で思い描いたリノベーションを実現できないケースです。内外装を全体的にやり変えるフルリノベーションですが、建物構造自体の変更はできません。自由度は比較的高いとはいえ、建て替えのように一から考えられるわけではないのです。
失敗例(2)を引き起こした要因
自宅の建物構造をよく理解せず、先に理想的なリノベーションプランを考えようとするとこうしたギャップが生じやすくなります。
戸建ての場合、木造であれば「木造軸組工法(在来工法)」の家は比較的リノベーションの自由度が高いとされます。一方「2×4(ツーバイフォー)工法」の家は建物を面で支えるつくりのため、構造上取り払えない壁が多く、間取り変更に制約が生じるかもしれません。鉄骨造の戸建ては間取りを変更しやすいといわれますが、強度が失われないよう十分な検討が必要です。
マンションでは代表的な建物構造として、柱と梁からなる枠で建物を支える「ラーメン構造」、壁で建物を支える「壁式構造」が挙げられます。ラーメン構造は壁を抜いて間取りを変更しやすいですが、壁式構造は耐力壁という建物を支える重要な壁が多く、間取り変更に制約が生じがちです。
加えて、マンションでは排水管の構造上、水回りを移動できないケースも少なくありません。管理規約でリノベーションの内容が制限されている物件もあるため注意が必要です。
失敗例(2)を避けるための対処法
リノベーションでは建物構造を変えることはできません。検討を始める段階でリノベーション会社などのプロに相談し、構造を生かしたプランを検討していくのが得策です。マンションについては構造だけでなく、管理規則や使用細則といった物件のルールもあらかじめチェックしておきましょう。
フルリノベーションの失敗例(3)依頼したリノベーション会社に後悔
フルリノベーションを成功させるには、自分たちが望む内容を実現してくれるリノベーション会社の存在が欠かせません。「依頼先の会社の実力や実績が不足していた」「担当者とのコミュニケーションが上手くいかなかった」「依頼先の得意とするテイストと自分たちの趣味が合わなかった」など、会社選びに後悔するというのもありがちな失敗です。
失敗例(3)を引き起こした要因
フルリノベーションの実績が乏しい会社に依頼したり、フェーズごとに異なる会社へ依頼したりするとこうした失敗を招く可能性があります。費用を抑えるために見積りの安さだけで会社を選ぶのもリスクがあるでしょう。
失敗例(3)を避けるための対処法
後悔しないリノベーション会社選びで意識すべきポイントは次のとおりです。
フルリノベーションの実績が豊富な会社を選ぶ
プランニングから施工、アフターサービスまで一貫して見てくれる会社を選ぶ
費用の安さではなく、コストとクオリティのバランスが良い会社を選ぶ
大和ハウスウッドリフォームは「話してつくるリフォーム」を掲げ、窓口となる住まい再生プランナーを中心に、各分野のプロからなるお客さま専任チームを結成。対話を大切にしながら理想のリノベーションを実現します。
自宅のフルリノベーションを検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
フルリノベーションの失敗例(4)ライフステージの変化に対応できない
自宅をフルリノベーションする場合、数年で引っ越すというのはなかなか考えにくいでしょう。費用をかけて工事する以上、この先何十年と住み続けたいと思っている方が多いはずです。
長く住み続けていると起こりがちな失敗として、ライフステージの変化に対応できないことが挙げられます。子どもの誕生・進学・独立、転職や退職など、家族の環境は年を経るごとに変化するもの。リノベーションしてすぐは使いやすくても、何年か経ってライフステージが変わると住みにくくなるケースもあります。
失敗例(4)を引き起こした要因
リノベーションプランを考えるにあたって、今の家族のライフスタイルだけを優先するとこのような失敗を招くリスクがあります。
たとえば、まだ子どもが小さく「自分の部屋はいらない」と言っていても、将来思春期に入ったら個室を欲しがるというのはよくある話です。リノベーションのときに将来の個室設置を想定していないと、親にとっても子どもにとっても住みづらい家になってしまいます。
失敗例(4)を避けるための対処法
フルリノベーションを計画するにあたっては、数年後・数十年後の家族像をイメージしてみることが大切です。「子どもは何人欲しいのか」「子どもが独立した後はどうするのか」「将来的に転職や独立の可能性があるか」など、事前に家族で話し合ってみるとよいでしょう。
十分に話し合ってプランニングしても想定外の事態は起こるものですが、家族全員が納得したものであれば受け入れやすいはずです。
フルリノベーションの失敗例(5)住み始めてから使い勝手の悪さに気づく
フルリノベーションでよくある失敗例の5つ目は、実際に住み始めてから使い勝手の悪さに気づいて後悔するケースです。特に多いのが「収納スペース不足」「効率の悪い家事動線」「コンセントの数の不足、位置の悪さ」といった失敗。いずれも日常生活に直結することから後悔も大きくなってしまいます。
失敗例(5)を引き起こした要因
この失敗の要因はなんといっても「想像力不足」です。
現在持っている物量に合わせていたら、将来荷物が増えて収納が足りなくなることは目に見えています。また、家事は進める順番があるので、それを意識した間取りが求められるでしょう。コンセントの位置は、家電の配置、掃除やリモートワークを意識しないと使いづらくなってしまいます。
図面だけで考えていると具体的なイメージが湧かず、使い勝手の悪い間取りになりがちです。
失敗例(5)を避けるための対処法
使い勝手で後悔しないためには、実際に生活するイメージを膨らませたうえでプランを考えることが大切です。しかし「フルリノベーションは初めて」という方も多く、自分たちだけで想像するのは限界があります。
そこでおすすめなのが、リノベーション事例を見てみることです。ほかの方がどのようなことを意識したのか、何に満足・不満を感じているのかを知れば、自分たちのプランにも生かせるでしょう。現地で物件を見学できる機会があれば、積極的に参加してノウハウを吸収するとよいかもしれません。
まとめ
フルリノベーションでよくある5つの失敗例は、どれも事前の入念な検討と余裕のあるプランニングを意識すれば防げるものです。長く住み続ける自宅のリノベーションだからこそ、現在だけでなく将来の家族の姿も想像しながら、理想の住まいを思い描いてみてはいかがでしょうか。
大和ハウスウッドリフォームは、55万件以上の施工実績をもとにした豊富なノウハウとアイデアで理想の住まいづくりをサポートします。戸建て・マンションを問わず、自宅のフルリノベーションを検討されている方はぜひお気軽にご相談ください。