リノベーションは不動産の価値を上げる改装です。リノベーションによって生活は快適になりますし、収益性も上がります。また、不動産を売却する場合も有利になることでしょう。

しかし、リノベーションによって不動産のどの部分の価値が上がるのか、価値を上げるための戦略には何があるかを掴めていない人が多いようにも思われます。

そこで、ここでは不動産の資産価値の要素からはじめて、リノベーションによって価値の上がる部分、そして資産価値を上げる戦略について挙げてみます。

不動産の資産価値にはどのような要素があるか

まずは不動産の資産価値について取り上げましょう。

不動産の価値は一般的には収益性で決まるのですが、収益性を決める要素には、主として次のものがあります。

  • 立地

  • 築年数

  • 管理状態 

それぞれについて解説しましょう。

立地

立地は利便性によって決まる場合と、人気によって決まる場合があります。

前者が駅や商業施設からの距離で決まるケースです。特にターミナル駅に近い土地は高額になるケースが多いです。また、大学なども良い例です。大学周辺には学生が集まります。

次に人気によって決まる場合…良い例が「若者に人気の街」です。このような場所も高額になる場合があります。

築年数

築年数は価値を決める上で大きな要因です。古くなればなるほど価値は落ちてしまいます。

これは収益性が悪くなることが原因と言えるでしょう。築年数が経てば人気が無くなり、買手が付かないからです。賃貸用の不動産であれば、入居者が入りません。

ちなみに、築年数は法定耐用年数とも絡みます。築年数が法定耐用年数に近づくと、簿価上での価値は小さくなります。

管理状態

管理状態も価値を決める点で非常に重要です。

と言うのも、管理によって建物の品質が違うからです。

例えば、誰かが管理している建物であれば、手入れも掃除もされていることでしょう。不具合があれば修理もしているはずです。

しかし、誰も管理していない、或いは管理の状態が悪ければ、建物の品質が相当に悪くなってしまいます。例えば、内装が日に焼けても放置しているでしょうし、雨漏りなども放置されているかも知れません。

当然ながら建物の状態は悪くなり、価値までも下落してしまうのです。

 

リノベーションによって価値の上がる部分

リノベーションによって価値の上がる部分 イメージ

リノベーションは価値を上げる建物の改装であるので、価値の上がる部分は建物までです。

改装をしたとしても立地は変わりません。ですから、資産価値を上げる戦略は基本的には建物がメインになります。

ただし、家屋の品質のレベルが大きく上がれば、少々不便な土地であっても、トータル的な価値がアップするケースがあります。


資産価値を上げる戦略

資産価値を上げる戦略 イメージ

それでは、資産価値を上げる戦略にはどのようなものがあるのでしょうか。

代表的な手段を挙げてみましょう。

情報収集が重要

まずは情報収集が挙げられます。

物件を購入する際にも情報は必要ですし、管理などの手法を習得する上でも情報は必要だからです。

仮に、情報収集が上手く行っていなかったならば、良質の物件を買うこともできませんし、技術力の高い業者を探すこともできません。

ホームインスペクションによる現状把握

仮に物件が見つかり、それが中古であるならば、現状を確認しなければいけません。

そのために物件の内見をするのですが、住宅の状況は内見だけでは分かりません。目に見えない部分がダメージを受けている場合も多いからです。良い例がシロアリ被害。内見では見つからない場合が多いです。

そこで必要となるのがホームインスペクションです。

ホームインスペクションは住宅のプロによる診断で、居室内や設備の状況のみならず、床下や天井裏まで確認します。

インスペクションによる報告から、リノベーションで価値が上がる物件なのか、それとも使えない物件なのかが分かります。現状把握として重要なのです。

リノベーションの予算と内容を決める

リノベーションは基本的には、資金を投入すればするほど価値が向上します。

住宅設備にはグレードがあるのですが、資金が十分にあれば、全部を高級グレードにすれば良い訳です。しかし、そのような立場の人は少数派で、ほとんどの人は限られた予算の中でのリノベーションとなることでしょう。

そのため、リノベーションに当たっては掛けられる予算を最初に決め、その範囲内で可能な内容を決めるべきでしょう。例えば、リビングに特化したいのであれば、リビングの部分に予算を掛ける…といった具合です。

ただ、リノベーションの内容を決める場合には、専門業者を交えて決めた方がベターです。技術的なアドバイスをもらえるメリットがあります。

コンセプトを決めるのも良い

リノベーションにコンセプトを決めるのもおすすめです。

例えば、デザインのコンセプトを決めてリノベーションに臨めば、スタイリッシュな住宅になるでしょう。特に、家にこだわりたい人に好まれます。

付加価値が増えると収益性も上がり、資産価値もアップしますので、コンセプトを決めてのリノベーションがベターでしょう。

更なる付加価値を付ける

リノベーションによって不動産は付加価値を付けますが、更に資産価値を上げるならば、他の物件にはない付加価値を加えなければいけません。…それによって収益性がアップし、資産価値が増えるからです。

良い例がバリアフリーです。

バリアフリー住宅は今後も見込まれる高齢化に対して必要です。将来的には需要が更に上がるとも思われます。

他にも省エネや災害に対する強さなど、様々な付加価値があります。追加可能な付加価値はケースバイケースです。物件の状況や予算に合わせて付けて行くと良いでしょう。

高い技術力の施工業者の起用

リノベーション工事は精度の高さが要求されます。

例えば、間取りの変更をする場合は、家屋の現状を見て状況を判断し、部材や部品の設置を決めなければいけません。また、設備なども現物合わせの場合が多いので、高度な判断力が要求されます。

そのため、不動産の資産価値を上げるためには、高い技術力の施工業者の協力が必要です。施工を検討するときには見積り金額だけ見てしまいがちですが、その業者の過去の施工実績も見て判断しましょう。


DIYのリノベーションについて

リノベーション イメージ

不動産投資の情報を集めていると、「DIYでリノベーションをして高い利回りを実現した」と言った記事を見つけることがしばしばあります。そして、リノベーションの部材においてもDIYで設置可能なものまで販売してあります。

それを見るならば、安価で自分好みのリノベーションが可能に思えるので、魅力を強く感じてしまいます。

しかし、DIYは誰もが可能な訳ではないので、あまり推奨はできません。

と言うのも、リノベーションは高い技術力が必要で、一般の人のレベルでは施工ができない部分も多いからです。

実際、工業製品としての信頼性の面から考えるならば、品質管理がされていないDIYは危険にも見えます。仮に、工事ができたとしても、それで資産価値が上がるとは限りません。やはり、専門業者に相談するべきです。 

 

まとめ

資産価値を上げるリノベーションについて取り上げました。

不動産の資産価値を決める要素から、資産価値を上げる戦略まで、イメージができたことと思います。

また、これからリノベーションをすることを考えた人の中には、改めて作戦を練り始めた人も居るのではないでしょうか。

ともかくとして、リノベーションは業者に丸投げではよくありません。きちんと打合せながら、最良の家を作りましょう。