珪藻土のメリット・デメリットとは?活用法と注意点を徹底解説

住宅の内装材は部屋の雰囲気や環境を決めるので、何を使うかは非常に大切です。
さて、壁を考える上で重要なのは壁紙選び…と思うかも知れませんが、壁を作るのは壁紙だけではありません。他にも壁材はあるのです。
ここで紹介する珪藻土も壁材に使われる素材の1つ。塗り壁に用いられますが、優れた特徴を持っています。
この記事では珪藻土について、どのような素材であるか、メリット・デメリットは何かを中心に紹介します。
珪藻土とはなにか
まずは珪藻土について紹介しましょう。
珪藻土は「ケイソウ」と呼ばれる植物プランクトンの化石が堆積してできた土です。使われて来たのは意外に古く、日本でも七輪の材料としてポピュラーでした。
珪藻土を顕微鏡で見ると非常に小さな穴が無数に開いていることが分かります。この微細な穴が他の土には見られない大きな特徴。これによって水や空気を大量に含むことが可能となり、この構造から調湿や脱臭などのメリットが生まれます。
ちなみに、珪藻土は七輪などに使われて来ましたが、内装材として使われ始めたのは案外新しく、ここ30年程度です。
珪藻土のメリット
ここで珪藻土のメリットを挙げてみましょう。
どのような魅力的な点があるのでしょうか。
調湿効果
調湿効果は珪藻土の持つ大きなメリットです。珪藻土には微細な穴が無数に開いて来ますが、その部分に水を含み、余計な湿度を取り込みます。
梅雨時などのジメジメした状態は非常にうっとうしいものです。しかし、湿度が抑えられると雰囲気も変わります。これは、部屋の空気環境が向上するからです。
なお、湿度はカビの発生に大きく関係します。部屋が調湿機能を持つと、余計な湿度を取り去ってくれるので、カビの発生リスクが抑えられるのです。
脱臭
珪藻土は脱臭にも効果的です。
珪藻土には微細な穴が無数に開いていますが、ニオイの成分がこの穴に吸着してニオイを消します。
内装に使うならば、室内のニオイを除去してくれるので、清々しい空気になるでしょう。
断熱性
珪藻土には断熱性もあります。
珪藻土の中にある細かい穴は断熱性にも関係します。この穴が熱の伝わりを阻害し、断熱効果を生み出すのです。
住宅の断熱を考える場合、とかく壁や天井ばかりが検討されます。しかし、断熱は内装でも可能です。珪藻土の塗り壁で内装部分の断熱をすれば、より大きな効果が期待できるでしょう。
ホルムアルデヒド対策
珪藻土はホルムアルデヒドなどの吸着にも効果的です。ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因物質として疑われている物質で、危険です。
今は建材へのホルムアルデヒドの含有は少なくなりましたが、輸入家具などはホルムアルデヒド規制が厳しいとは限りません。室内に放散されることもあるのです。
しかし、珪藻土の壁があればホルムアルデヒドも吸着するので空気環境は維持されます。シックハウスのリスクも低減される点は大きなメリットと言えるでしょう。
火に強い
火に強いのも珪藻土のメリットです。
前述のように、珪藻土は七輪の材料として使われて来ました。七輪に入れる炭火の温度は600℃とも言われます。珪藻土はそれだけの温度に耐え続けるのですから、防火の面でも高性能と言えるでしょう。
ちなみに、壁の防火性は延焼を防ぐ意味で重要です。また、火災時の避難の点でも大きな意味を持ちます。燃えない壁であれば火のまわりを食い止められ、避難の時間を稼ぐからです。
帯電しない
珪藻土は帯電しません。そのため、ホコリを寄せ付けることもなく、掃除も簡単にできます。
壁に静電気で吸い付いたホコリは取るのが面倒です。その点、珪藻土であればホコリが着きません。珪藻土ならではのメリットと言えるでしょう。
珪藻土のデメリット
次に、デメリットを挙げてみます。
シミになりやすい
珪藻土はシミになりやすい点が大きなデメリットです。
これは珪藻土にある細かい穴のため。ニオイなどの物質を取り込むように、汚れまでも取り込んでしまうのです。
シミは漂白剤などで落とせますが、新品同様に戻るとは限りません。
ヒビが入りやすい
珪藻土はひび割れしやすいデメリットを持ちます。
珪藻土の壁がひび割れしやすい原因は、水分不足や下地とのズレが原因となる場合が多いです。
水分は少ないと塗っている最中に表面が乾いてしまい、ひび割れに至ります。
また、珪藻土を塗る下地材がしっかりと固定されていない場合には、下地のボードがズレてしまいます。そのズレの結果、ひびが入ってしまうのです。
コストが掛かる
珪藻土の塗り壁はコストが掛かる点もデメリットです。
塗り壁は職人が手仕事で作る壁です。壁紙のように貼る壁とは異なります。手間が掛かる分だけ費用が発生するのです。
ちなみに、工事費用を抑えるのであればDIYでの施工が良いと思われますが、珪藻土を塗る作業には技術が必要なので、DIYの初心者にはハードルが高くなるでしょう。
粉が落ちることがある
珪藻土は微細な穴の開いた構造です。塗った壁は全体に微細な穴があると言えます。
そのため、珪藻土の壁は表面がザラザラとするのですが、衣服などが擦れると表面を削ってしまいます。その結果、粉が落ちることもあるのです。
珪藻土の壁のメンテナンス方法
室内は適切な方法でメンテナンスをしなければいけません。
それは珪藻土の塗り壁も同じことです。
では、珪藻土の場合はどのようにするべきなのでしょうか。
毛先のやわらかいホウキやハタキなどでゴミを落とす
まずは毛先の柔らかいホウキやハタキなどで壁のゴミを落としましょう。
使う道具は、あくまでも「毛の柔らかいもの」です。前にも述べた通り、珪藻土の壁には粉が落ちるデメリットがあり、毛の固いもので払うと粉が余計に落ちてしまいます。
また、ヒビの入った部分をガリガリと擦ってしまうと良くありません。
その点、毛先が柔らかければそのような事態にはなりません。ですから、掃除に使う道具は毛先の柔らかさをチェックして臨みましょう。
消しゴムでこする
消しゴムを使って表面を優しくこすると汚れが取れる場合があります。
ただし、珪藻土の壁には硬く仕上がっている場合と、それほど硬くない場合があるので注意が必要となるでしょう。壁の状態にもよりますが、表面がボロボロになる可能性もあります。あくまでも「優しくこする」ことが大切です。
上塗り
汚れが目立つ場合には上から新たな珪藻土を塗ることも有効です。
ただし、壁の上の方や天井などの上塗りは高い位置での作業となるので、業者に任せた方がベターでしょう。
と言うのも、高い場所の作業は足場の確保が必須であり、個人ではできない場合が少なくないからです。
また、業者の方が作業に慣れているので、個人での作業よりもキレイに仕上がります。
濡れ雑巾は使えない
前述の通り、珪藻土はシミになりやすいデメリットがあります。濡れ雑巾での掃除は厳禁です。
濡れ雑巾を使うと雑巾の汚れた水までが珪藻土に染み込まれてしまい、シミになってしまうのです。
まとめ
珪藻土について取り上げました。
珪藻土がどのような素材であるか、メリット・デメリットが何であるか、そしてメンテナンス方法について把握できたと思います。
珪藻土はデメリットがありながらも調湿をはじめとする優れた特徴を持った素材です。リノベーションで活用の幅も広く、アイデア次第で幅も広がることでしょう。。
より良い室内と空気環境作りに役立ちますので、珪藻土の塗り壁を検討してください。
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