スキップフロアとは?特徴・メリットと活用アイデアを解説

「スキップフロア」という住宅の形態をご存じでしょうか。
家の中を見ると段差があるのですが、意外に広く見えるので少し変わった感じがします。住宅展示場などで興味を持った人も少なくないことでしょう。
しかし、スキップフロアのある家を作るためには、その形態のメリットとデメリットを把握しておかなければいけません。
そこで、ここではスキップフロアを取り上げ、そのメリットとデメリットを解説します。
スキップフロアとは
まずはスキップフロアについて紹介しましょう。
スキップフロアとは段差を利用して作った家です。上の階と下の階を半分ずつずらして作っています。
イメージとしては、一般の家であれば「1階、2階」と作るところを「半地下、1階、中2階、2階、ロフト」と階段状に作ります。
また、一般の家であれば部屋の仕切りは壁やパーテーションで行うことが普通です。その点、スキップフロアでは壁を設けずに段差でスペースを分けるケースが多いです。
スキップフロアのメリット
それでは、スキップフロアのメリットにはどのような点があるのでしょうか。
おしゃれな家になる
スキップフロアはおしゃれな家になります。
後述しますが、スキップフロアの空間は上に伸びて開放的になります。また、下の階にも光が届くので明るくしやすいです。つまり、広くて明るい空間を演出できるのでおしゃれに作れるのです。
ちなみに、内装材を厳選すれば、更におしゃれになるでしょう。例えば、床や壁に古材を使ってヴィンテージ感を出すならば、更におしゃれで開放的になります。アイデア次第で可能性は広がるのです。
部屋が開放的になる
スキップフロアのある住宅は空間が縦に伸びるので開放的になります。
例えば、リビングを1階に設けた場合、視界は中2階までも広がります。空間全体を見渡せるので、開放的になるのです。
なお、中2階の窓を上手く配置すれば、1階のリビングから屋外までも見えるようになり、更に広さを感じるようになります。バルコニーを窓に設置してスペースを延長すると良いかも知れません。
採光に有利
採光に有利な点もスキップフロアのメリットと言えるでしょう。
スキップフロアのある住宅は階段があり、間仕切りで仕切らないので、上の階で取った光が下まで届きやすいです。
その結果として下の階まで明るくなり、居心地の良い部屋となります。
ちなみに、住空間を明るくするために1階にあったリビングを2階に移すリノベーションがありますが、これでは1階の暗さは解消ができません。その点、スキップフロアでは1階と中2階が続いているので、1階であっても暗さを感じないのです。
収納スペースが作れる
スキップフロアの住宅は収納スペースを作りやすいです。
例えば、中2階の床下のスペース。それなりの高さのスペースが開くので、大きなものでも収納できます。
また、ロフトを作るならば、ロフトも収納スペースとして活用が可能です。
傾斜のある土地でも家が建てやすい
傾斜のある土地の場合、基礎を作るために土地の造成に手間が掛かります。基礎を平坦に作らなければいけないため、加工に費用と手間が掛かるのです。
その点、スキップフロアの家は段が付く建物なので、土地の加工が少なくて済みます。傾斜地であっても建てやすいのです。
斜線制限がある場所でも建てやすい
住宅地は接道によって斜線制限が設けられている場合があります。そして、斜線制限によって家屋は回数や屋根の角度などの制限を受けます。
さて、スキップフロアの住宅は段が付く建物。そのため、斜線制限のある土地でも建てやすいです。
1階、中2階、2階と続く場合、斜線制限のある側を中2階とすれば、斜線をクリアできます。
スキップブロアのデメリット
次にデメリットを挙げてみましょう。
どのような弱点があるのでしょうか。
移動が大変
スキップフロアは階段を伴うので移動が大変です。
特に、お年寄りのように運動機能が落ちた人にとっては大変なことでしょう。
また、荷物を持っての移動は労力を要します。…大きな荷物をロフトに収納しようとしても、簡単ではないのです。
転倒・転落の危険性
スキップフロアは階段があるのが前提です。そのため、転倒や転落のリスクが発生します。
特に、お年寄りや小さい子供には注意が必要です。場合によっては骨折などの大ケガにも繋がるからです。
会社を選ばなくてはいけない
住宅会社によって技術レベルは違いますし、得意・不得意があります。例えば、木造の在来工法は作れても、ツーバイフォーは困難…というケースがあります。
これと同じように、スキップフロアの住宅も独特の技術を必要とすることから、どの会社でも可能という訳には行きません。会社を選ぶ必要があるのです。
また、その中でも技術には差があるので、良い業者を見極める必要があります。…これも素人には難しいです。
光熱費が上がりがち
スキップフロアの住宅は光熱費が上がる場合が多いです。
これは、部屋を壁で仕切らないからです。
冷暖房の効率は部屋の広さによって異なります。部屋の断熱性にもよりますが、一般的には狭い部屋の方が効率は高いです。
その点、スキップフロアの場合は大きな空間の気温を変えなければいけないので、それだけ冷暖房のコストが上がるのです。当然ながら、光熱費にも上がるのです。
建築費用が高くなりやすい
スキップフロアの住宅は建築費用が高くなるケースが多いです。
これは、一般の住宅と構造が異なるから。
例えば、建築物の耐震性は壁の量が大きく関与します。壁が多ければ横の力に耐えやすくなるのです。
その点、スキップフロアは壁をあまり設けません。そのため、耐震補強が別途に必要となり、建築費用もそれだけ膨らむのです。
音やニオイの問題
スキップフロアの住宅は壁で仕切らない場合が多いので、音やニオイが問題になる場合があります。
例えば、音の問題はドアを閉めれば解決できるのに、ドアで仕切らないために筒抜けにもなり得ます。音楽を聴くならば、その音が他の部屋にも響き得るのです。
また、ホットプレートで焼肉をしたときなど、そのニオイがフロア中に立ち込める場合もあります。
掃除がしにくい
掃除がしやすいのも難点の1つです。
スキップフロアは階段での移動が基本です。掃除をするにしても、掃除機などの掃除用具を持ちながら階段を上らなければいけません。
また、近年は掃除ロボットが普及していますが、スキップフロアだと使える範囲も限られてしまいます。
プライバシー保護の点で難あり
スキップフロアは間仕切り壁を作りません。そのため、プライバシー保護の点で難が出ます。
例えば、携帯電話での通話はドアを閉めてしまえば筒抜けにはなりません。しかし、スキップフロアの家は間仕切り壁がないので、通話の際には別の場所への移動が必要にもなり得るのです。
スキップフロアにリノベーションをするにあたって
スキップフロアはおしゃれな住宅ですが、階段と段差を伴う住宅です。安全性には十分に気を付けなければいけません。
また、冷暖房効率や建築コストの問題があります。
そのため、リノベーションにあたっては最初にリスクを検討して、その上で採用するかを決める方がベターです。
他にも、小さい子供がいるかどうか、あるいは生まれる可能性があるかどうかなど、年を取ったときの住み心地なども考える方が良いかも知れません。
まとめ
スキップフロアについて取り上げました。
メリットとデメリットを挙げたので、自分の家族に合う家なのか、将来はどのようになるか、イメージができた人も少なくないことでしょう。
また、スキップフロアをもっと具体的に知りたいと思った人もいるかも知れません。
ともかくとして、スキップフロアはおしゃれな住宅ですので考えてみるのも良いと思います。どうぞ、これから家づくりを考える人は参考にしてください。
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