水回りの動線設計とは?快適で使いやすいレイアウトのポイントを解説

自宅をリフォームする際、水回りを使いやすくしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。毎日使う水回りの使い勝手がよくなると、暮らしの質が大きく向上します。そんな水回りの機能性を高めるうえで大切なのが「動線設計」です。
この記事では、なぜ水回りの動線設計が大切なのか、どのようなポイントを意識すべきなのかといった点を解説します。後半では、使いやすい動線設計を実現した事例を3つ紹介するので、ぜひリフォームプランの参考にしてください。
水回りの動線設計が大切な理由とは
そもそもリフォームにおいて、なぜ水回りの動線設計が大切なのでしょうか。一番の理由は、水回りの配置によって毎日の生活動線が大きく変わるからです。
朝起きたら、顔を洗うために洗面台を使い、朝食を作るためにキッチンを使います。出かける前に洗面台で歯を磨き、トイレに行くでしょう。帰宅すれば、最初に手を洗い、お風呂に入り、歯を磨きといった具合に、生活のあらゆる場面で水回りを使います。さらに、料理や洗濯、掃除など、家事の多くは水回りを中心に行うため、動線設計を間違えると家事ストレスが大きくなってしまうでしょう。
リフォームプランを検討するときは、毎日のライフスタイルや家事の流れを具体的にイメージし、スムーズに動けるよう水回りを配置することが大切なのです。
使い勝手がよくなる水回りの動線設計4つのポイント
水回りの動線設計を考えるにあたって、どのようなポイントを意識するとよいのでしょうか。水回りの使い勝手がアップする、動線設計のポイントを4つ紹介します。
(1)水回りを1ヶ所にまとめる
水回りの動線設計で基本となるのが、洗面所・浴室・トイレ・キッチンなどを1ヶ所にまとめることです。水回りを別々の場所に配置しようとすると、給水管や排水管をそれぞれの場所に引き回さなければならず、リフォームの工事費用が高くなってしまいます。配管を引き回す距離が伸びるほど、メンテナンスの手間もかかるほか、老朽化による水漏れや詰まりのリスクも高まるでしょう。
特にマンションの場合、上階から下階へと流れる排水管がパイプスペースを通っており、そこに室内の排水管が接続しているケースが多くなっています。排水管は傾斜を利用して流れる仕組みなので、十分な傾斜が確保できる位置にしか水回りを設置できないという制約があります。こうしたことからも、水回りは基本的に1ヶ所にまとめるのがおすすめです。
(2)回遊動線を取り入れる
水回りの動線設計でぜひ取り入れたいのが、各スペース間をぐるぐるとシームレスに移動できる回遊動線です。回遊できる間取りには行き止まりがないので、何人かで同時に水回りを使うときでも、行き止まりによって人が詰まってしまう心配がありません。これなら、朝出かける前の忙しい時間帯でも、家族同士ストレスを感じることなく支度ができます。
また、マルチタスクがしやすくなるのも回遊動線の魅力です。家事を効率的にするため、料理をしながら子どもをお風呂に入れたり、洗濯機を回しながら掃除をしたりといったマルチタスクを行う方も多いはず。回遊動線なら水回りにおける移動距離を短くできるので、さまざまな作業を同時並行で進めることができます。
(3)洗濯時の動きを最小限にする
数ある家事の中でも、とりわけ時間と手間を要するのが洗濯です。洗濯は「洗う・取り込む・たたむ・しまう」と工程がいくつにも分かれているので、それぞれを別の場所でやろうとすると家事の負担が大きくなってしまいます。
水回りの動線設計では、洗濯時の動きを最小限にするのも大切なポイントです。具体的には、脱衣所・洗濯機置場・ランドリースペース(バルコニー)・作業台・収納を隣接して配置します。こうすることで、家族が脱いだ服を洗濯機で洗い、干したものを取り込んでたたみ、そのまま収納するという流れが1ヶ所で完結するようになります。
特に、洗濯物を干す場所、たたむ場所、しまう場所がバラバラに散っていると、洗濯時の移動距離が長くなって大変です。物干しや作業台のあるランドリースペース、家族全員分の衣服を収納できるファミリークローゼットなどを設置して、洗濯動線をコンパクトにするのがおすすめです。
(4)場所ごとに適した収納を設ける
水回りの動線設計でもう一つ大切なのが、収納スペースの配置です。家事をするとき、道具を取り出したり、洗剤などの消耗品がなくなったときにはストックを取り出したりしなくてはなりません。家事で使うものがどこか1つの収納にまとまっていると、購入時にしまうのは楽ですが、使うときには余計な移動が発生して面倒です。
洗濯機周りには洗剤やタオルをしまっておける収納、キッチンには食材や調理家電をしまえるパントリー、トイレや洗面台にはそれぞれの掃除用具を置ける棚など、アイテムを使う場所にしまえるよう収納スペースを設置するとよいでしょう。
水回りの動線設計にこだわったリフォーム事例3選
ここからは、水回りの動線設計にこだわることで、使い勝手が大幅にアップしたリフォームの事例を3つ紹介します。今後のリフォームの参考にできそうな工夫に注目しながらご覧ください。
(1)ストレート動線で洗濯がストレスフリーな家
1つ目に紹介するのは、浴室・洗面室・ファミリークローゼットが直線的につながったこちらの家です。洗面室には洗濯機に加えて乾燥機が設置されており、その背面には収納を兼ねたカウンターを設けています。洗面室が脱衣所を兼ねていて、脱いだ衣服を洗濯・乾燥して、その後ろのカウンターでたためるという機能的な動線です。さらに、カウンターでたたんだ衣服をそのまま隣接するファミリークローゼットにしまえるので、洗濯動線が非常にコンパクトで使いやすくなっています。オープンキッチンが主役の開放的なLDKとお子様がのびのび遊べるフリースペースを実現
(2)帰宅時の動線も考えられた家
次に紹介するのは、2階建てだった家を減築して平屋にリフォームした事例です。もともと動線をコンパクトにまとめやすいのが平屋の特徴ですが、水回りを直線的に配置することで、さらに家事動線が短くなっています。浴室・洗面所・家事室が隣接しているので、洗濯物を「洗う・干す・たたむ」まで、1ヶ所で完結できるのがポイントです。もう1つのポイントが、玄関から真正面のところに洗面所があり、隣接してパントリーとキッチンが設けられていることです。買い物から帰宅したとき手を洗い、重い食材ストックをパントリーにしまい、冷蔵品・冷凍品はキッチンの冷蔵庫にしまうという一連の流れがスムーズにできます。帰宅時の流れにも配慮した、機能的な動線設計といえるでしょう。2階建てを平屋に再生!シンプルな動線を実現し、安心して暮らせる家へと一新
(3)回遊動線で子育てがしやすくなった家
最後に紹介するのは、それぞれ独立していたトイレ・洗面所・浴室・キッチンをひとまとめにして、動線をコンパクトにしたリフォーム事例です。リフォーム後は独立キッチンからオープンキッチンに変更され、料理しながらリビングで遊ぶ子どもたちを見守ることができます。キッチンの先には、通路を兼ねたパントリーが設置され、洗面所や浴室と直接つながっています。玄関からの動線もスムーズで、買い物から帰宅したときもすぐに買ってきたものを収納することができるでしょう。パントリーと廊下を介した回遊動線になっているのもポイントで、お風呂に子どもを入れたり洗濯機を回したりしながら、料理や皿洗いができます。家事のマルチタスクがしやすくなり、毎日忙しい子育て中のご夫婦も大満足のようです。高窓から日差しが降り注ぐ、くつろぎのナチュラルリビング
動線を工夫した水回りで快適な暮らしを実現!
毎日の暮らしや家事に欠かせない水回り。そんな水回りの動線設計を工夫すれば、暮らしやすさを大きく向上できます。水回りをリフォームする際は、設備の更新だけでなく、動線を意識した間取り変更も併せて検討するとよいでしょう。大和ハウスウッドリフォームでは、今回紹介した3つの事例のほかにも、お客様のライフスタイルや家族構成に適したリフォームプランを数多く実現してきました。共働きのご夫婦、子育てファミリー、移動をなるべく少なくしたいお年寄りなど、お客様の状況に合わせて最適な水回りの動線計画をご提案します。水回りの間取り変更を含む、自宅のフルリフォームを検討したいなら、大和ハウスウッドリフォームにぜひお任せください。まずは資料請求をお待ちしています。
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