壁材の種類と選び方!メリット・デメリットを徹底解説

リノベーションを考えるならば、壁材をどうするかは非常に重要な命題ではないでしょうか。
壁は部屋の雰囲気に大きく関係するため、リノベーションの計画の際には、壁材について決断しなければいけないのです。
ところが、その決断は簡単ではありません。巨額の資金が掛かっていますし、壁材についても知識が乏しいことも多いからです。
その点、壁についての知識があるならば、業者との打ち合わせもスムーズに進み、失敗もないことでしょう。
そこで、この記事では壁の種類を取り上げ、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。
クロス
まずはクロスです。壁紙とも呼ばれる素材ですが、内装材としては非常にポピュラー。それだけに理解しなければいけません。
そこで、ここではクロスの種類を取り上げ、それぞれのメリットとデメリットを挙げてみましょう。
ビニールクロス
ビニールクロスは非常にポピュラーな資材です。塩化ビニールが基材となっています。
塩化ビニールは成形性が良くて強度もあります。壁紙に非常に向く素材と言えるでしょう。
メリット
ビニールクロスのメリットは次の通りです。
コストやデザインの強みを考えるならば、最もポピュラーとなっているのも分かります。
コストパフォーマンス性が高い
色が豊富
デザインが豊富
比較的手入れがしやすい
デメリット
デメリットは次のものです。
塩化ビニールは太陽光によって劣化してしまいます。その弱点が壁紙に現れると言えるでしょう。
耐用年数が短い
部分的な補修がしにくい
織物クロス
織物クロスは布を基材とした壁紙です。厚手の布を基材としていて、テクスチュアが独特です。
また、ビニールクロスと違って布特有のマットな落ち着いた質感となるため、ホテルのラウンジなどで使われるケースが多いです。
メリット
織物クロスのメリットは次の2点です。
高級感がある
強度が高い
特に魅力的なのが高級感。ビニールクロスなどとは一線を画します。
デメリット
織物クロスのデメリットは汚れが落としにくい点です。
汚れの状態によってはシミになることもあり、ビニールクロスのようには落ちません。
木質系壁紙
木質系壁紙は木を薄く加工したものを壁紙としたものです。
木は古くから人気のある素材。室内を居心地の良い空間にしてくれます。
メリット
木質系壁紙のメリットは次の2点です。
木の持つ強みがそのまま壁紙のメリットになっています。
天然木の温かさがある
リラックス効果を持つ
デメリット
デメリットは次の2点。これも木の持つ特性から来るものです。
価格が高い
水拭きができない
無機質系壁紙(珪藻土壁紙・漆喰壁紙)
無機質系壁紙は他の壁紙と違って、塗り壁を壁紙に転用したイメージの壁紙です。
代表例としては珪藻土壁紙と漆喰壁紙。どちらも塗り壁の代表格の素材と言えます。
メリットとデメリットは次の通りです。
メリット
無機質系壁紙のメリットは、その独特の質感です。
ある程度にはなりますが、塗り壁の持つ触感をある程度再現してくれます。
デメリット
珪藻土も漆喰も調湿機能などの優れた特性があります。しかし、無機質系壁紙は塗り壁ほどの効果は期待できません。
また、塗り壁は職人のコテさばきで味わいが決まりますが、無機質系壁紙はあくまでも壁紙。塗り壁ほどのダイナミックな味わいはありません。
オレフィン系壁紙
オレフィン系壁紙は樹脂製の壁紙です。
ビニールクロスと似ているのですが、大きく異なるのが素材の性質です。メリットとデメリットには素材の差が表れています。
メリット
オレフィン系壁紙のメリットは次の2点です。
傷が付きにくい
焼却しても有毒ガスが出ない
ビニールクロスは塩化ビニールが使われており、分子の中に塩素が含まれています。そのため焼却すれば塩素を元にした有毒ガスが発生する場合があります。
しかし、オレフィンの場合は塩素が入っていないため、焼却しても有毒ガスは発生しません。
デメリット
オレフィン系のデメリットは価格が高めである点です。
塩化ビニールは素材としてコストパフォーマンスが高いです。そのため、やはりオレフィン系が高価になってしまいます。
塗り壁
次は塗り壁です。壁紙と違って「張って作る」のではなく、「塗って作る」のが違うところ。そのため、クロスとは違ったメリット・デメリットが見えて来ます。
土壁
土壁はその名の通り土を使って固めた壁です。昔ながらの壁とも言えます。
メリット
土壁のメリットは次の2点です。
テクスチュアは特に魅力的です。
独特のテクスチュアが楽しめる
調湿機能がある
デメリット
次にデメリットです。以下の3点が主な欠点です。
費用が掛かる
ヒビが入る場合がある
画鋲などが使えない
砂壁
砂壁は壁の表面に砂を塗ったものです。壁の下地には石膏ボードや土壁を作ります。
なお、砂壁は使用する砂によって名称も変わります。
メリット
砂壁のメリットは調湿機能がある点です。
日本は季節によってはジメジメしやすいのですが、調湿機能のある壁の部屋では余計な湿気を吸ってくれるので過ごしやすくなります。
デメリット
砂壁のデメリットは次の2点です。
費用が掛かる
メンテナンスに手間が掛かる
漆喰壁
漆喰も古来より使われている素材で、外壁や城などでも見かけます。
メリット
漆喰のメリットは次の2点です。
調湿機能がある
消臭機能がある
デメリット
デメリットには次の3点があります。
費用が掛かる
汚れが目立ちやすい
粉が落ちることがある
珪藻土壁
珪藻土は水中に棲む微生物の1種のケイソウの殻が化石化した土。軽いのが特徴で、水や空気を多く含むことが可能です。
メリット
珪藻土壁のメリットは次の3点です。
調湿機能がある
消臭効果がある
断熱性がある
デメリット
デメリットは次に挙げる4点です。
シミになりやすい
粉が落ちることがある
ヒビが入ることがある
カビが生えることがある
プラスター壁
プラスターは石膏をメインとする塗り壁を作る素材です。
イメージ的には漆喰などと似ているのですが、素材が違うために異なった特徴を持ちます。
メリット
プラスター壁のメリットは次の2点。魅力的なのはヒビが入りにくい点です。
乾燥収縮が少ない
ヒビが比較的入りにくい
デメリット
デメリットは硫化水素が発生する可能性がある点。プラスターには硫酸カルシウムが含まれており、条件によっては化学反応を起こして硫化水素を出すのです。
木
木質系壁紙とは別に、木をそのまま内装材として使うことがあります。
木が醸し出す独特の雰囲気で室内を演出することが可能です。
メリット
まずはメリットから。
木素材の持つ強みが現れています。
自然のぬくもりがある
調湿機能がある
汚れが比較的落としやすい
年月を経ると別の味わいが出て来る
デメリット
次にデメリットを挙げます。
費用が掛かる
反りや割れの問題
タイル
タイルは粘土を高温で焼いた無機質の素材です。
他の素材とは特性が完全に異なり、違った部分でのメリット・デメリットが発生します。
ちなみに、タイルには釉薬を掛けたものと掛けないものがあります。
メリット
タイルのメリットは次の3点。無機質独特の性質が長所となっています。
優れた耐久性
火に強い
メンテナンス性が良い
デメリット
デメリットは次の2点。施工とメンテナンスに弱点があります。
コスト高になる
目地が汚れることがある
まとめ
主な壁を取り上げ、メリットとデメリットについて解説しました。
それぞれに特質があるので、どのような壁が自宅に合うか想像できた人もいることと思います。
リノベーションはケースバイケースで現場に合わせて考えなければいけません。それは壁も同じことです。それぞれの特徴を比較して、最善の壁を選びましょう。
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