インナーバルコニーとは?メリット・デメリットと注意点を解説

リノベーションで家を快適にする方法の1つに「開放的な空間を作る」ことが挙げられます。
代表的なのものの1つにオープン外構があり、1階のサッシを大きくすれば、非常に広々とした空間となります。
しかし、オープン外構はあくまでも1階の話です。
そこで提案されるのがインナーバルコニーです。
インナーバルコニーであれば2階を開放的な空間を作れるので、今までの家とは違ったテイストの住宅を作れます。
しかし、インナーバルコニーを作るにあたっても、その特徴を知らなければいけません。
そこで、ここではインナーバルコニーを取り上げ、メリット・デメリットを中心に解説します。
インナーバルコニーとは
インナーバルコニーとは奥の部分にバルコニー空間を作るものです。
一般のバルコニーは外壁から張り出して作ります。その結果、雨が降った場合には洗濯物が濡れてしまいます。確かにバルコニーには屋根を設置することは可能ですが、多くの場合はアルミ製の場合が多く、どちらかと言うと簡易的なものです。
しかし、インナーバルコニーは奥まった部分に作るので、家の屋根がそのまま使えます。
インナーバルコニーのメリット
では、インナーバルコニーのメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
天候の影響をあまり受けない
前にも述べたように、インナーバルコニーは奥まった部分となり、屋根の下の空間となります。そのため、天候の影響をあまり受けません。仮に雨が降ったとしても洗濯物が濡れることがないのです。
その点、一般のバルコニーは屋根がないので雨の影響を受けてしまいます。特に、急な雨の場合は洗濯物を取り込むのに間に合わずに困ることも多いことでしょう。しかも、最近は急に大雨が降るケースが珍しくありません。
しかし、インナーバルコニーは急な雨でも濡れずに済むのです。
開放的な空間になる
前にも挙げたように、インナーバルコニーは開放的な空間を作ることが可能です。
特に、居室のサッシを大きくすれば居室からバルコニーまで連続した空間に見えるので、非常に広く感じます。
リノベーションにおいて2階にリビングを移す場合がありますが、この時にインナーバルコニーを併設すれば、さらに広い空間となるでしょう。
ユーティリティスペースとしても活用できる
インナーバルコニーはユーティリティスペースとしての活用も可能です。
奥行を広く作る必要はありますが、様々な用途に使えます。読書を楽しむこともできますし、子供を遊ばせることも可能。休日の家族との過ごし方も変わることでしょう。
インナーバルコニーのデメリット
次に、インナーバルコニーのデメリットを挙げてみます。
設置費用が高くなる場合がある
インナーバルコニーを作るためには、一般の家屋とは違った構造にしなければいけない場合があります。
例えば、壁の配置が違う場合があるので、耐震性に注意しながら家を作らなければいけません。
また、人が乗る機会が増えますので防水もしっかりしなければいけないでしょう。
これらの要素は設置費用に影響します。その結果、費用が高くなる場合があるのです。
居室が暗くなる場合がある
インナーバルコニーは奥まった位置に設置するため、居室に日差しが入りにくくなる場合があります。条件によっては暗くなることもあるかも知れません。
ちなみに、居室を明るくするために別途に窓を設ける場合は建物の強度にも関係し得るため、補強が必要になる場合もあります。そのような補強はコストアップ要因にもなるでしょう。
固定資産税が高くなる場合がある
バルコニーは一般的には屋根が付きません。そのため、建物の延べ床面積に算定されないので固定資産税は発生せずに済みます。しかし、インナーバルコニーは屋根の下になるので床面積に含まれます。そのため、固定資産税が高くなる場合があるのです。
リノベーションでインナーバルコニーを設置する際には注意が必要です。税金が高くなって「こんなはずではなかった」とならないように、最初から税金を考えておかなければいけないでしょう。
こまめなメンテナンスが必要
インナーバルコニーはこまめなメンテナンスが必要です。
特に、水に関係する部分には気を付けるべきです。
例えば、子供をビニールプールで遊ばせる場合などは、排水を完全にしなければいけません。しかし、掃除が適当だとゴミが溜まってしまい、排水ができなくなる場合があります。この状況は雨漏りの原因にもなります。
そのような不具合を避けるためにはメンテナンスが非常に重要となるのです。
インナーバルコニー設置の注意点
ここで、インナーバルコニー設置にあたっても注意点を挙げましょう。
設置の目的をはっきりさせる
インナーバルコニーはユーティリティスペースとして使用が可能ですが、目的によって必要な広さが異なります。そのため、最初に目的をはっきりさせることが大切です。
例えば、子供の遊び場として使うのであればビニールプールの入る広さも考えるべきでしょうし、水栓も必要かも知れません。また、パーティーをする場合にはテーブルセットが入る広さも必要でしょう。
このように、用途によって必要な広さは異なります。最初に目的をはっきりさせて設置にあたりましょう。
メンテナンスが容易にできるようにする
前述のように、インナーバルコニーにはこまめなメンテナンスが必要です。
そのため、メンテナンスが容易にできるように整えておかなければいけません。
掃除用具などのメンテナンスのための道具をあらかじめ用意しておきましょう。
なお、インナーバルコニーは防水が関係する重要な部分です。何も考えないで掃除をすると雨漏りの原因にもなるので、掃除用具を決める時には業者に十分に確認しましょう。
天窓の設置も考える
前述のようにインナーバルコニーにすると暗くなってしまう場合があります。
しかし、天窓を作れば室内を明るくすることが可能です。周囲の状況を確認し、暗くなるようであれば設置を検討しましょう。
ただ、日照を図面だけから想定することは簡単ではありません。周囲の建物との関係もあるので、必ず現地の状況確認を業者と行いましょう。
シェードの設置もおすすめ
インナーバルコニーは屋根があるので日陰になり、快適な空間になります。
しかし、夏場の日差しはそれでも強く感じることもあり、暑くなる場合もあるでしょう。
そのような場合におすすめなのが、シェードの設置です。
洗濯物を干す場合などは片付ければ乾燥は早くなりますし、くつろぎの時間を楽しむ時は出せば快適になるでしょう。
隣家への配慮も忘れない
方角にもよるでしょうが、バルコニーを設置すると隣家の窓がダイレクトに見えることがあります。その窓からは居室内まで見えないかも知れませんが、隣家からすれば丸見えに思えるかも知れません。特に、インナーバルコニーでホームパーティーなどを開かれたならば、プライバシーの問題を感じることもあるでしょう。
隣家を考えるならば最初からバルコニーの方角を考え、隣家の窓が見えない位置に作る方がベターです。近隣の方々と良い関係を保つためにも、配慮を忘れないようにしましょう。
まとめ
インナーバルコニーについて紹介しました。
メリット・デメリットの他に設置の上での注意点も把握できたことと思います。特に、これからリノベーションをする人には参考になったのではないでしょうか。
ともかくとして、インナーバルコニーの設置にあたっても準備と知識が必要です。自宅に付ける場合には、デメリットまで挙げて業者と相談しましょう。
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