リノベーションというと内装や設備を思い出すかも知れません。リノベーションの情報の多くは設備や内装を扱うケースが多いからです。

しかし、住宅は外装も非常に重要です。外装の状態によって、その家の印象が決まると言っても過言ではありません。

それでは、外壁のリノベーションとはどのような改装なのでしょうか。

ここでは、外壁材を取り上げてリノベーションで変わることなどを中心に紹介します。

外壁のリノベーションについて

外壁のリノベーションについて イメージ

まずは外壁のリノベーションについて解説をしましょう。

外壁の改装はなぜ必要か

住宅の外壁は日射や風雨などの影響により経年劣化が進みます。

例えば、紫外線は窯業系サイディングの表面塗装を破壊しますし、雨水は金属サイディングを腐食させるからです。そして、このような経年変化は止めることができません。

外壁の改装はそのために行われます。

外壁を改装すれば、美観と機能は元に戻るため、家屋がより長く利用できるのです。

外壁リノベーションで変わること

ここでは、外装リノベーションで変わることを挙げてみましょう。

美観

第1に変わるのは「美観」です。

住宅は年月が経つと汚れてしまうだけでなく、色も褪せてしまいます。また、外壁材によっては白い粉を吹くものもあり、美観の点ではよくありません。

しかし、外装リノベーションをすれば、家の美観は一新します。ボロボロになっていた部分も復活するのです。

耐候性などの各性能

外壁材には耐候性をはじめとする、さまざまな性能があります。

そして、これらの性能は紫外線や雨などの影響で劣化してしまいます。

しかし、外装リノベーションを行えば、これらの性能は元に戻るのです。


外壁を放置するとどうなるか

外壁を放置するとどうなるか イメージ

それでは、外壁を放置すると、どのような状態になってしまうのでしょうか。

美観が損なわれる

外壁は放置されると美観が損なわれます。

住宅を取り巻く環境は過酷です。また、決してきれいな環境とは言えません。周囲の条件にもよりますが、日射や雨、そして粉塵などに見舞われ、外壁材の表面は劣化してしまいます。その結果、見た目がボロボロになってしまうのです。

雨漏り

雨漏りも劣化が進むと発生します。

外壁材の継ぎ目を塞いでいるのはコーキング材と呼ばれるゴム状の接着部分ですが、この部分も紫外線で劣化してしまいます。この部分が劣化すると割れや剥がれが起こり、外壁材の内側に雨水が入ってしまうのです。その結果、雨漏りに繋がります。

部材の腐食

部材の劣化も発生し得ます。

外壁材の内部に侵入した雨水は部材を濡らします。そして、その状態で放置されると部材が腐食してしまうのです。

ちなみに部材の腐食が進むと強度が著しく低下します。

シロアリ被害

部材の腐食が進むとシロアリ被害の発生にも繋がり得ます。

これはシロアリが腐った木を好むためです。雨水が壁内部を濡らして内部の木部分を腐らせると、そこにシロアリが発生します。

ちなみに、鉄骨造の住宅は鉄骨だからシロアリの被害に遭わない、とは言い切れません。鉄骨造の住宅であっても、床下には意外に木材が使っていて、その部分が被害を受けるのです。

家屋の強度低下

部材の強度が落ちてしまい、構造部分まで強度が落ちてしまうと、家屋の強度まで低下してしまいます。

耐震性や耐風圧などの性能まで落ちてしまうのです。

例えば、屋根の部分の強度が落ちてしまうと、家屋は風に弱くなってしまいます。台風が襲って来た際には屋根が剥がされることもあるのです。


外壁の改装にはどのようなものがあるか

ここで、外壁の改装にはどのようなものがあるかを挙げてみましょう。

塗装・補修

まず挙げられるのが塗装と補修です。

外壁材の表面に新たに塗装を行い、不具合部分を補修するのです。

これによって壁の内部への水の侵入を防ぎ、美観も回復します。

ちなみに、使用する塗料にはグレードがあり、耐久性が高くなるほど価格はアップします。

また、今では断熱性のある塗料も登場しています。塗装によって断熱効果が生まれるのです。

張り替え

外壁材を張り替える場合もあります。

例えば、窯業系サイディングの表面が劣化すると、サイディングの中に水が浸透する場合があります。その場合、状況によってはサイディングが反ってしまい、サイディングの継ぎ目が開いてしまうのです。

このような状態が続くと壁の内部に水が入り込むので、外壁材は交換することになります。

カバー工法

カバー工法は既存の外壁に新規の外壁材を重ねて張る施工方法です。

張り替えよりもコストが抑えられるメリットがあります。

外断熱

建物の断熱材には「内断熱」と「外断熱」があります。内断熱は壁の内側に断熱材を入れた断熱構造で、外断熱は建物の外側を断熱材で包む構造です。

さて、外壁リノベーションにおいても外断熱が行われることがあります。既存の住宅の外壁に断熱材を外張りするのです。


おしゃれな外壁色を作るコツ

ここで、外壁の色について取り上げます。

おしゃれな外壁にするためには、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。

色は3色くらいまで

壁の色は3色くらいまでで抑えておく方がベターです。

あまり色を多く使ってしまうと全体的に落ち着きがなくなってしまうからです。

ちなみに、外壁の色を決める時には、ドアや窓の色についても計算に入れると良いでしょう。窓やドアは外壁のアクセントとなるからです。

ブラック系のサッシにはグレー系の外壁、ホワイト系のサッシにはベージュ系の外壁…といった感じで決められます。

原色の使用と組み合わせには注意が必要

色を決める場合に注意すべきなのが、「原色の使い方」と「組み合わせ」です。

原色は視覚的なインパクトが大きく、組み合わせがそのインパクトを増加させてしまうからです。

例えば、原色の赤と青を組み合わせると非常に強いインパクトを感じます。人によっては不快に思うかも知れません。使用には注意が必要なのです。

エクステリアと合わせる

色を決める場合はエクステリアに合わせるのもおすすめです。

例えば、ホワイト系のエクステリアが設置されているのであればベージュ系、ブラック系のエクステリアであればグレー系、といった組み合わせです。

また、エクステリア部分にはレンガやタイルを使ったもの、石材を使ったものなど、様々なスタイルがあります。外壁の色もそれに合わせれば家全体がコーディネートできることになるのです。

屋根材に合わせる

屋根材と合わせることも必要です。

と言うのも、外壁に対する屋根の面積比は意外に大きいため、無視はできないのです。

仮に、屋根と合わない色を選んだのなら、家全体の調和が取れないことでしょう。

景観への配慮も必要

景観への配慮も欠かせません。

周囲の街並み合わない色だと突飛な雰囲気となってしまいます。場合によっては近隣からクレームが来るかもしれないのです。

ちなみに、自治体によっては住宅の色調のガイドラインを制定している場合があります。色を決める際にはそのガイドラインの許容する範囲で決めることになるでしょう。


まとめ

外壁のリノベーションについて取り上げました。

外壁の改装の必要性から改装の方法、色を決めるコツなどが把握できたものと思います。

また、景観への配慮の必要性を再認識した人も多いのではないでしょうか。

外壁リノベーションは住宅の印象を決める上で非常に重要な部分です。また、リノベーションをする立場としては凝りたい部分でもあるでしょう。ぜひとも最良の色を見つけ、良い外壁リノベーションとして下さい。