不動産投資は「物件を持っていれば勝手に入居者から家賃が入る」というイメージを持たれがちです。しかし、決してそのようなことはありません。家賃収入を得るためにはいくつもの条件をクリアしなければいけないのです。

ところで、リノベーションが不動産投資の成功のカギとなることをご存じでしょうか。

ここでは、不動産投資の成功のための不動産のリノベーションについて紹介します。

不動産投資を成功させるための物件について

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不動産投資の成功のためには物件が欠かせません。

ただし、物件を持つにしても条件があります。

ここでは、投資用不動産に求められる主な条件を挙げてみましょう。

好立地であること

立地条件は投資用不動産にとって非常に重要です。

立地によって家賃が決まったり、契約数が違ったりするからです。

実際、不動産会社に足を運んで賃貸物件を見ると、駅からの距離で家賃が違う状態が見えて来ます。また、スーパーや学校などに近いことも家賃アップの条件であることに気が付きます。

このように、投資用物件においては好立地であることが必要。成功のためには好立地の物件であるべきなのです。

リーズナブルな価格

投資用不動産には客付け力が求められますが、立派過ぎる物件は投資費用ばかり発生してしまい、利回りが上がりません。そのため、価格もリーズナブルであることが必要です。

なお、物件を改装して利用するのであれば、改装費用も合算しなければいけません。つまり、物件の取得費用と改装費用の合算が抑えられなければいけないのです。

良質であること

投資用物件には質が求められます。利便性はもちろんのこと、デザイン性といった点まで必要です。

というのも、入居者はその物件の住み心地の対価として家賃を支払ってくれるからです。仮に、同じ家賃の物件であれば、質の良い方に入居者の心は動きます。

例えば、便利な物件と不便な物件が同額の家賃であれば、便利な物件の方に入居者は傾くでしょう。また、スタイリッシュな物件とそれなりの物件が同額であれば、スタイリッシュな物件の方に人気が集まると考えられます。

このように、入居者は物件の質を求めます。そのため、投資用物件には質が求められるのです。


投資用不動産取得にあたって

ここまで述べたように、投資用不動産には立地とコスト、そして質が求められます。

そのため、普通に新築の住宅を建てて賃貸にする…という訳には行きません。質を求めればコストが上がりますし、コストを求めれば質が下がるからです。

しかし、例えば中古物件を安価で購入し、リノベーションで質を高めたならばどうでしょうか。…コストと品質の両立が可能なのです。

このように、投資用不動産取得にあたっては、中古物件を購入してリノベーションをする手法が1つの解決策となるでしょう。


投資用不動産のリノベーションの意義

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投資用不動産のリノベーションの意義は、一般住宅のリノベーションの意義とは違います。

一般住宅は生活のための不動産ですが、投資用不動産は事業用不動産だからです。

そのため、投資用不動産をリノベーションする場合には、その意義を知っておく必要があります。

そこで、ここでは投資用不動産のリノベーションの意義を再確認します。

客付け

最初に挙げられるのが客付けです。

賃貸不動産の契約は内見が終わった後で行われます。入居者は物件の状態に納得して契約を結ぶのです。

それでは、物件の状態が良くない不動産ではどうでしょうか。…当然ながら、入居者は物件の状態に納得をせず、契約には至りません。

しかし、リノベーションで物件の価値を上げてしまえば話は別です。物件の利便性、デザイン性に納得をして、契約に至ることでしょう。

家賃レベルの維持

賃貸不動産は一般的には築年数が経てば経つほど家賃レベルが落ちてしまいます。同等の条件の物件であれば、築5年と築10年では家賃に開きが発生することでしょう。

しかし、リノベーションで価値を上げれば、例え築年数が古くあったとしても家賃のレベルは維持できます。築20年クラスの物件が築10年クラスの物件と同レベルの家賃となり得るのです。

空室発生の防止

不動産投資の最大のリスクは空室の発生です。

空室が発生してしまうと収入が途絶えるだけでなく、ローンの支払いや固定資産税が赤字となってしまうからです。

さて、リノベーションで物件の状態を良くしておけば、入居者はその物件での生活に満足するので退去の可能性は低くなります。つまり、空室発生を防止できるのです。

その一方で、物件の状態に無頓着であれば、入居者はその不動産での生活に不満を持ち、いずれ退去することでしょう。そして、その不動産は空室となってしまうのです。

銀行融資に有利

不動産投資には住宅ローンが使えません。不動産投資は家賃収入を目的とするので事業用の融資となるのです。

さて、事業用の融資を受けるためには担保となる物件の価値が確実でなければいけません。そして、銀行は不動産の収益性を見て来ます。

リノベーションは価値を上げる改装ですが、同時に収益性を上げることも可能です。収益性が上がれば銀行対策も上手く行きやすくなります。リノベーションは銀行の融資においても役立つのです。

売却を有利にする

リノベーションをすれば売却においても有利になります。

と言うのも、投資用不動産の売却先は多くの場合が別の投資家だからです。そして、その投資家も不動産の収益性を見て来ます。収益性の点で欠けがあるならば、その投資家はその物件を見送ることでしょう。

リノベーションをすれば収益性のアップも可能です。そのような投資家を納得させることも可能。売却を有利にするのです。


リノベーションの注意点

ここで投資用不動産のリノベーションの注意点を取りあげてみましょう。

一般住宅のリノベーションとの相違も見えてくると思います。

コストを掛け過ぎない

不動産のリノベーションはコストを掛ければ相当に立派になります。今のリノベーション技術は中古住宅を注文住宅のレベルまでの価値向上が可能なのです。

しかし、コストを掛け過ぎると投資費用が膨らんでしまって利回りが上がりません。それではリノベーションが無意味です。

投資用不動産は確かに利便性などの向上に繋がりますが、そのまま利回りに結び付くとは限りません。利回りの確保のためにはコストを掛け過ぎるべきではないのです。

品質は落とさないように

前述のように、投資用不動産はコストを考えなければいけません。

しかし、コストを抑え過ぎるのも良くないでしょう。物件の品質が落ちてしまい、空室をはじめとする各種リスクが濃厚になってしまうからです。

例えば、物件の品質が落ちてしまうと家賃を下げ無ければいけません。また、物件の品質に満足が得られないと、最悪の場合は退去されてしまうのです。

投資用不動産のリノベーションは、「コストを抑えつつも品質は落とさないようにすること」がポイントなのです。


まとめ

不動産投資の物件のリノベーションについて取り上げました。

一般住宅のリノベーションは快適な生活を目的としますが、投資用不動産のリノベーションは利回りの向上を目的とします。そのため、リノベーションにも住宅と違った条件が発生します。そして、そのような条件を踏まえた上でのリノベーションが必要なのです。

そのようなリノベーションをすれば入居者の納得を得られることでしょう。その結果、家賃収入が確保できることと思われます。より良い物件を作り、より高額な家賃収入を目指しましょう