中古の戸建てを購入してリノベーションを行うことで、新築と比べて比較的安価に理想の住まいを手に入れることができ、既存の住宅を活かしながら、現代のライフスタイルに合わせて性能やデザイン、好みを重視して改装することで理想的な空間を作り上げることができます。

一方、思わぬトラブルや予算オーバーなどのリスクもあります。ここでは、中古戸建リノベーションを進める際に知っておきたいポイントをお伝えします。

中古戸建リノベーションが選ばれる理由

家の模型と書類を記入する人

中古戸建リノベーションは、コストを抑えられ、新築よりも評価が低いため固定資産税も抑えられます。利便性の高いエリアや土地の広さ、環境を優先できるなど好立地な物件を選べます。

間取りを変更して広いリビングにしたり、カフェ風・ヴィンテージ風・和モダンなど、好みに合わせたカスタマイズが可能です。

新築よりもコストを抑えて理想の住まいを実現

新築住宅を建てる場合、土地代+建築費がかかるため、特に都市部では高額になりがちです。一方で、中古戸建を購入してリノベーションすれば、同じ予算でも広い家や住みたいエリアで物件を手に入れることが可能です。

立地や物件にこだわった物件選びが可能

中古戸建ではすでに立っている住宅を購入するため、選択肢が広がり、好立地の物件を手に入れやすくなります。

・駅近・商業施設が充実したエリアでも物件が見つかる

・学校区・通学エリアを優先した物件選びが可能

・職場に近いエリアで家を探せる

人気のエリアに住みたいけど手が出ないという方も、中古住宅を選べば希望のエリアに住むチャンスが広がります。新興住宅地ではなく、自然豊かな郊外などライフスタイルに合った地域を選びやすくなります。

・公園や緑が多いエリアを選ぶ(子育て世帯や自然を楽しみたい人向け)

・スーパーや病院など生活インフラが整った地域を選ぶ

・駅やバス停が近く、公共交通の利便性が高いエリアを選ぶ

「自然を感じながら暮らしたい」という希望もリノベーションなら叶いやすくなります。

既存物件を活用することで環境負荷を軽減

新築住宅を建設する際には、大量の建材や資材が必要となり、その結果、多くの廃材が発生します。特に解体作業では、コンクリート木材、ガラスなどが廃棄され、大量のCO2排出につながります。

一方、リノベーションは既存の建物を活かしつつ、必要な部分だけを改修するため、新築に比べて廃棄物の発生を大幅に抑えることができます。


リノベーションの注意点

リノベーションは、コストを抑えて理想の住まいを作る素晴らしい方法ですが、事前にしっかりと調査・計画を立てることが重要で注意すべき点もあります。以下の注意点を踏まえて、スムーズに進めることが大切です。

構造や設備の状態によるリノベーションの制約

①木造

・耐震性を保つため取り除けない壁があるので、間取りの変更が制限される。

・古い建物の場合、シロアリ被害や腐食が進んでいると補強が必要。

②鉄骨造

・構造自体がコンクリートと鉄筋で作られているため、柱や梁を撤去・移動するには専門的な補強工事が必要なので、構造体の改変が難しい。

・壁が薄い場合、追加の防音対策が求められる。

③鉄筋コンクリート造

・鉄筋コンクリートは非常に強固で安定した構造ですが、これが逆に構造変更が難しくなり、耐力壁や柱を取り除くことができないため、間取り変更に制約がある。

・コンクリート内に埋設されている配管は移動が困難なので変更が難しい。

④配管・配線

・特にマンションでは排水の勾配を確保する必要があり、トイレやキッチンの移動範囲が限られる。

・古い建物では電気の契約容量が低く、大型エアコンや最新設備の使用に対応できないので電気容量の増強が必要になる場合がある

⑤換気・排煙

・特にマンションでは共用部分を通るダクトの変更ができないため、キッチンや浴室の換気扇の位置が変えられないことがある。

・都市ガスを利用する場合、既存のガス管の位置を大幅に変えるのは難しい。

耐震性や断熱性を含めた性能向上が必要

・現状診断

 ◦1981年(昭和56年)以前の建物は旧耐震基準の可能性が高いので、耐震補強が必要   ◦2000年(平成12年)以前の建物は現行の耐震基準より緩いため、補強を検討

耐力壁が適切に配置されているかバランスをチェックしたり、ひび割れや基礎の鉄筋の有無の確認をしましょう。

耐震補強には、構造補強・基礎補強・接合部補強の3つのアプローチがあります。耐力壁を追加して補強する、重心を下げて屋根の軽量化をする、偏った壁の配置を改善し建物全体のバランスを調整することです。 

中古戸建は、築30年以上のものだと断熱性が低く、冬は寒く、夏は暑いといった問題が発生しがちです。リノベーションの際に快適な室温を保つ、冷房費を抑える、結露やカビを防ぐ、住宅の寿命を延ばすためにも断熱リノベーションが必要です。

リノベーションにかかる予算と工期の見極め

リノベーションの費用は、工事の範囲・住宅の状態・使用する材料・設備のグレードによって大きく異なります。

・表層リフォーム→100万〜300万(壁紙、床の張り替え、水回りの補修)

・部分リノベーション→300万〜800万(キッチン、浴室交換、間取り変更)

・フルリノベーション→800万〜1500万(住宅全体の改装、耐震、断熱、配管工事)

・全解体リノベーション→1500万〜3000万(骨組みだけ残し内装・設備全て刷新)

予算を抑えるポイントは、補助金を活用したり(耐震補強・断熱リフォームに適用可能)全体リノベーションはコスト高なので、部分リノベーションで済ませたり、既存の設備・構造をできるだけ活かすなど、ご自分に合った方法で行ってみてください。

リノベーションの工期は、工事の規模・内容・建物の状態・施工会社のスケジュールによって変わるので、後期を適切に見極めることが住み替えや資金計画のスムーズな進行につながります。

・表層リフォーム→1週間〜1ヶ月

・部分リノベーション→1ヶ月〜3ヶ月

・フルリノベーション→3ヶ月〜6ヶ月

・全解体リノベーション→6ヶ月〜1年

工期を見極めるためのポイントは、施工会社のスケジュール確認をすることです。繁忙期(春・秋)に予約が埋まっており、着工まで数ヶ月待つこともあるので計画は早めに立てることが重要です。

また、部分リノベーションは住みながら工事可能ですが、フルリノベーション、全解体リノベーションは仮住まいが必須なので賃貸・マンスリーマンションの手配が必要になります。


まとめ

家の模型と相談する人

中古戸建リノベーションは、新築に比べてコストを抑えながら理想の住まいを実現でき、耐震・耐熱性能を向上させれば新築同様の快適な家になります。自分の好みに合わせて、間取りや内装を自由に設計できるのが最大の魅力です。

構造的な制約など、いくつか注意点はありますが、事前に十分なリサーチと計画を行い、信頼できる専門家と協力して進めることが大切です。