リフォーム工事を進める際には、施主として確認すべきポイントが多数あります。希望どおりのリフォームを実現するためには、施主自身がチェックリストを活用しながら、工事の状況を的確に把握しておくことが重要です。

 

この記事では、リフォームの計画段階から契約、工事中、そして完了時の施主検査に至るまで、各工程で注意すべきチェックポイントをリスト形式で解説します。リフォームを進めるうえでの参考にしてください。

 

リフォーム着工前のチェックポイント|契約前後で確認すべきこと


契約前後で特に気をつけたいのが、見積書と契約書の内容です。まずは、契約前後に確認すべき主なポイントを解説します。

見積もりのチェックポイント

【チェックリスト】

  • 見積もりの内訳が詳細か(「一式」表記がないか)

  • 他社比較で価格差が極端でないか(高過ぎも安過ぎも要注意)

  • 希望のリフォーム内容がすべて含まれているか

 

見積書を受け取ったら、まず内訳を確認します。「一式」表記では工事内容や費用が不透明な場合があるため、詳細が書かれているかどうかが重要です。

 

検討時は複数社から相見積もりを取り、価格が適正か比較検討しましょう。最後に、事前に伝えたリフォーム内容がすべて見積書に反映されているか、項目に抜け漏れがないか、しっかりと確認してください。

契約書、工事請負契約約款のチェックポイント

【チェックリスト】

  • 契約金額に相違がないか

  • スケジュールに無理がないか

  • 支払い方法が明確に記されているか

  • 違約金に関してはどのような決まりになっているか

  • 瑕疵担保責任や保証制度に関する記載はどうなっているか

 

契約時には、まず契約金額が見積書と一致しているかを確認します。次に、工事期間が明記され、無理のないスケジュールになっているかも重要なチェックポイントです。

 

さらに、支払い方法(時期・金額)が明確に記載されているか、また契約解除時の違約金に関する規定や、工事後に不具合が見つかった場合の修理や保証に関する内容も、契約前にしっかり確認してください。不明な点は質問して、契約前に必ず解消しておきましょう。

 

工事の進捗に関するチェックポイント

【チェックリスト】

  • 余裕のあるスケジュールが組まれているか

  • 資材や職人の手配に遅れがないか

  • 工程表どおりの工事が行われているか

  • スケジュールに遅れが見込まれる場合、早めに説明があるか

 

計画どおりに工事が進むよう、スケジュール管理を適切に行うことも重要です。工程表を見て、天候不順による遅延なども考慮した、余裕のある日程になっているか確認しましょう。

 

工事期間中は、資材の納入状況や職人さんの手配がスムーズに行われているか、担当者に確認するのも有効です。定期的に現場を訪れ、工程表どおりに工事が進捗しているか、自分の目で確かめることをおすすめします。

 

もし工事の遅れが見込まれる場合には、業者から速やかに状況説明と今後の見通しについて報告があるかどうかが、信頼できる会社を見極めるポイントとなります。

 

施工品質に関するチェックポイント


工事が適切に行われているか、現場の管理体制はしっかりしているかなど、施主としても注意深く見守ることが求められます。ここでは、施工状況と現場管理、それぞれのチェックポイントを見ていきましょう。

施工状況のチェックポイント

【チェックリスト】

  • 見積書や図面どおりの建材や塗料が使われているか

  • 正しい種類や色の住宅設備が設置されているか

  • 打ち合わせでの変更部分がしっかり反映されているか

  • 建材や設備が丁寧に扱われているか

 

工事が始まったら、実際に現場へ足を運び、施工状況を確認しましょう。事前の打ち合わせで変更を依頼した箇所があれば、その内容が現場できちんと反映されているか、チェックしておくと安心です。

 

さらに、現場に搬入された建材や設備が傷つかないように丁寧に扱われているか、養生は適切に行われているかなども確認しておくことが、施工品質の維持につながるでしょう。

現場管理のチェックポイント

【チェックリスト】

  • 近隣への挨拶を事前に済ませているか

  • 時間外に騒音を発生していないか

  • 適切な粉塵対策が取られているか

  • 工事車両の出入りや駐車に問題がないか

  • 現場が整理整頓されているか

  • 足場が安全に組まれているか

  • 作業時間が守られているか

  • 作業員のマナーが守られているか

 

リフォーム工事では、実際の作業内容だけでなく、現場全体の管理体制も非常に重要です。管理が行き届いていない現場では、工事のミスやトラブルも発生しやすいからです。

 

作業員の言葉遣いや態度など、マナーに問題がないかも見ておきましょう。近隣住民とのトラブルが工事の遅延につながる恐れもあるためです。もし作業員の行動に気になる点があれば、本人に直接注意するのではなく、現場監督やリフォーム会社の担当者に伝えるようにしてください。

 

予算管理に関するチェックポイント

リフォームでは、解体後に予期せぬ問題が見つかるなどして、追加工事やそれに伴う追加費用が発生することがあります。予算オーバーを防ぎ、安心して工事を進めるために、予算管理に関するチェックポイントを理解しておきましょう。

追加工事につながるチェックポイント

【チェックリスト】

  • 解体時、配管や断熱材に劣化はないか

  • 柱や梁にひび割れや腐食はないか

  • 想定していたスペース感で問題がないか

  • コンセントや照明スイッチの位置や数は適切か

 

リフォームでは、壁や床などを解体して初めて判明する問題点があります。状況によっては、建物の安全性を確保するため、追加工事が必要になるケースもあるでしょう。

 

そのほか、工事が進むなかでプランから変更したい箇所が見つかり、追加工事が発生することもあります。

追加費用に関するチェックポイント

【チェックリスト】

  • 追加費用について担当者から説明があるか

  • 追加費用の見積書の提示があるか

  • 追加費用を抑える選択肢の提示があるか

  • 追加工事に関する変更契約締結に関して説明があるか

 

追加工事が必要になった場合、まずは担当者から「なぜ追加工事が必要なのか」「どのような工事を行うのか」について、十分な説明を受けましょう。もし予算的に厳しい場合は、追加費用を抑えるための代替案(仕様の変更など)がないか、担当者に相談してみるのもよい方法です。

 

追加工事の内容と金額に納得したら、「変更契約」を締結することが大切になります。たとえ少額であっても、トラブルを防ぐため、変更内容を書面に残しておくのが安心です。

 

施主検査におけるチェックポイント


リフォーム工事が完了すると、引き渡し前に「施主検査(竣工検査)」が行われます。これは、契約どおりに工事が完了しているか、仕上がりに不具合がないかを確認する重要な機会です。

施主検査時の持ち物

施主検査時には、以下の持ち物を持参すると便利です。

持ち物

用途

チェックリスト

漏れなく確認事項をチェックする

筆記用具

必要に応じてメモをとる

間取り図

図面と比較確認する

契約書・仕様書

契約内容・仕様どおりか確認する

スマホ(カメラ)

気になる箇所を記録する

メジャー

寸法の確認や家具の配置をイメージする

懐中電灯

暗い場所を確認する

スリッパ

足元の安全確保や床面保護

施主検査で確認すべきチェックポイント

【全体的なチェックポイント】

  • 図面どおりに工事が行われているか

  • 内装材や設備の色やグレードは合っているか

  • 内外装や設備に傷や汚れがついていないか

  • 床鳴りがないか

  • カビの発生はないか

【建具に関するチェックポイント】

  • ドアや窓の建て付けに問題がないか

  • ドアの開閉方向に問題はないか(動線を邪魔しないか)

【設備に関するチェックポイント】

  • 設備(キッチン、風呂、トイレ等)は問題なく動作するか

  • 電気は通っているか

  • コンセントや照明スイッチの位置や数に間違いはないか

  • 水回りの水がしっかり流れるか

  • パッキンや配管から水漏れしていないか

 

施主検査では、まず図面や仕様書と照らし合わせながら、契約どおりに工事が行われているかを確認します。内外装や設備の使用や色が合っているか、表面に傷や汚れがないかなど、細かくチェックしましょう。

 

ドアを開けたときに他の建具や家具にぶつからないかなど、実際の生活を想定しながらチェックすると、生活を始めてからの後悔を防げます。

施主検査における注意点

施主検査当日は、できれば家族で参加し、多角的な視点でチェックするのがおすすめです。また、細かな傷や汚れを見つけやすい、日中の明るい時間帯に検査を行いましょう。

 

検査中に気になった不具合箇所は、メモを取るだけでなく、スマートフォンのカメラなどで撮影して画像としても記録に残しておくと、後で伝える際に役立ちます。

 

どんなに小さなことでも、気になる箇所があれば遠慮せずにすべて指摘しましょう。修繕が必要な場合、引き渡しまでに手直しするのが基本ですが、内容によっては引き渡し後の対応となるケースも考えられます。

 

引き渡し後に見つかった傷や汚れなどの補修は有償になる可能性もあるため、施主検査の段階でしっかりと確認し、漏れなく指摘することが大切です。

 

まとめ

リフォームを成功させるためには、リフォーム会社任せにするのではなく、施主自らも工事に参加するイメージで、施工前から完成まで進捗状況をチェックすることが重要です。この記事で紹介したチェックリストを参考に、疑問や不安を感じた際は、その都度リフォーム会社の担当者に確認し、解決していく姿勢で臨みましょう。

 

とはいえ、細かなことはよくわからないという方もいらっしゃるかもしれません。大和ハウスウッドリフォームでは、お近くのオフィスでプロに相談できる、完全予約制・無料の「リフォーム相談会」を随時開催しています。

 

リフォームの進め方について不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。

 

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