家は家族全員が心地よく暮らせるようにしたいものです。この記事では、子どものための家づくりとはどのようなものか、子どもの成長に合わせた住まいを作るポイントを紹介します。

子どもの成長に合わせた部屋の使い方:柔軟な間取りで変化に対応

 

子どもは常に成長を続けているので、家もそれに合わせるのが理想的。しかし、なかなかそうは行かないことが現実です。

ただ、家の構造を柔軟なものとすれば、ある程度は子どもの成長に合わせることが可能です。

では、どのようにすれば子供の成長に合わせられるのでしょうか。

広い部屋を作れる構造にする

子どもの成長に合わせるためには、家をフレキシブルに変えられることが理想的です。

小さい内は子どもを近い場所で遊ばせておき、大きくなったらプライバシーを尊重して子ども部屋を与える…といったイメージです。

そして、このイメージに合わせるためには「広い空間を作れる構造」とすることが必要となるでしょう。 

改造しやすい間仕切り壁とする

家の構造を柔軟にするためには、間仕切り壁をどうするかが大きなポイントとなるでしょう。間仕切り壁が頑丈で、住宅の主要構造部分に付いていたならば、動かすことも壊すことも出来ないからです。間取りを変えるためには、最初から移動と撤去も考えるべきです。

ただし、移動や撤去を前提にする場合であっても、壁としての性能はある程度は持たせるべきです。例えば、遮音性能がしっかりとしていないと、室内の会話が漏れてしまい、プライバシー保護の点で問題が出るからです。

パーテーションなども有用

間取りを作る上では、必ずしも間仕切り壁が必要な訳ではありません。パーテーションのような簡易的なものであっても十分な場合が少なくないからです。

パーテーションで済ませられるのであれば、撤去の工事も簡単です。子供の成長に合わせた間取りの変更も容易になることでしょう。

 

安全第一!子どもが安心して過ごせるリフォームポイント

 

子どもは大人の想定外のことをするものです。

例えば、ベランダから外を見渡すために台を置き、よじ登ろうとしている姿を見て慌てて止めた…そんな経験を持つ方は少なくないと思います。

そのため、家づくりの際には安全配慮を徹底させなければいけません。

では、どのような点がポイントとなるのでしょうか。主なものを挙げてみましょう。

転落防止

最初に挙げられる点が転落防止です。

転落は大ケガにも繋がりますので、十分に注意をしなければいけません。そのためには、転落の要因と対策をあらかじめ考えておくべきでしょう。

先に挙げたようなベランダの例では、「台になるものを置かない」「ベランダに格子を設けて上らなくても見渡せるようにする」といった対策が考えられます。

なお、対策は細部まで考えなければいけません。バルコニーの格子であれば、横格子にしてしまうと、格子を足掛かりにする危険性があります。足掛かりにならない格子にしなくてはいけません。

転倒防止

転倒も時として大きなケガにも繋がるので十分に注意をしなければいけません。

具体例としては床の防滑処理や手すりの設置、そして段差解消などです。

挟まれ防止

挟まれ防止も重要です。

ドアなどで指を挟むケースが多く、状況によっては指を潰すような事故にも繋がり得ます。

そのため、軽量のドアを選んだり、挟んだりしそうな部分には緩衝材を付けるなどの対策が必要でしょう。

 

収納力UP!おもちゃや学用品を整理整頓する家づくり

子どもが居ると必要な物がどうしても多くなってしまいます。例えば、おもちゃや学用品などです。

そこで必要なのが収納ですが、リフォームでの収納場所づくりはどのような例があるのでしょうか。 

ロフトの設置

リフォームの規模が大きくなるのであれば、ロフトの設置もおすすめです。

ロフトは大きなものが収納できるので重宝することでしょう。例えば、子ども用のジャングルジムなどは分解したとしても、部材が多いため収納に苦慮するものです。しかし、ロフトの様な広いスペースがあれば困ることはないでしょう。

ちなみに、ロフトは子ども用のスペースとしても活用が可能です。雨の日などに遊ばせるのに役立つかも知れません。

天井裏収納

天井裏収納は普段使わないものを片付けるときに便利です。

子どもの場合は使わなくなった学用品…例えば、小さい頃に読んだ絵本など。他の人に譲るにしても保管場所は必要で、天井裏が活用できます。

スキップフロア

家を構造の部分から変更するのであれば、スキップフロアにするのもおすすめです。

スキップフロアの場合、特に中二階の下の部分が収納として使えます。しかも、大きなものでも収納が可能。子ども向けの三輪車や自転車なども容易に片付けることができます。

ちなみに、スキップフロアを作るためには住宅の構造の部分から変更をしなければいけません。工期と費用がそれだけ必要なので、資金計画が更に重要となるでしょう。

 

遊び心をプラス!子どもが楽しめる遊び場や工夫を取り入れたリフォーム

子どもの快適性も家に求められる重要な条件です。

そのため、子どもが楽しめる遊び場や工夫があった方がベターです。

では、リフォームの際にはどのようなスペースとすれば良いのでしょうか。

キッズスペースをリビング近くに設ける

子どもを遊ばせるためには安全性を確かなものにしなければいけません。そのために必要なのは「見守ること」となるでしょう。子どもの小さい内は行動の予測が困難だからです。

さて、キッズスペースをリビングの近くに設けると、それだけ目が届きやすくなるのでおすすめです。リビングダイニングキッチンの場合にはキッチンの部分からも見えるので、より安全確認がしやすくなるでしょう。

子ども部屋の準備をしておく

子どもがある程度大きくなったらば、自立の準備を促してあげなければいけません。そのためにも必要なのが子ども部屋。子ども自身のプライバシー保護のためにも役立つことでしょう。

しかし、子ども部屋は簡単に作れるものではありません。最初の段階で部屋の準備が必要になります。

例えば、動かしやすい壁やパーテーションなどを使い、スペースを作れるようにしておくと良いでしょう。

ただし、プライバシーを守ると言っても放置することは良くありません。声をかけやすい環境づくりも必要です。

 

成長に合わせて変わるライフスタイル:シンプルに使いやすい空間作り

先にも述べたように、家屋は最初に広い空間を作れるようにして、その上で仕切る方がベターです。

では、間仕切りにする部分はどのようにすれば良いのでしょうか。

これも前述のように、遮音性などの性能をしっかりと持たせること。そして、装飾をシンプルにすることです。

最初の段階で子ども向けの装飾にしてしまうと、子どもが成長した時に相応しくなります。

その点、最初をシンプルにしておけば、後での変更も容易になります。子どもが大きくなれば、子どもの趣味を尊重する必要も出て来るでしょう。その際に子どものこだわりを反映できるようにするためにも、シンプルにする方が良いのです。


家族全員が快適に過ごせる!育児・生活動線を考えた空間設計

家族全員が快適にするためには、家族の居場所となるスペースを家の中心とするべきです。おすすめなのがリビングを中心とする住宅。特に、リビングダイニングキッチンとするならば、家族が集まる空間として良いでしょう。

さて、リビングダイニングキッチンを中心とするならば、家族全員の生活動線が重なります。

例えば、浴室やトイレは基本的にはリビングから移動して使います。また、寝室にもリビングから移動して使うことでしょう。

そして、前述のようにキッズコーナーを設ければ、子どもを見守ることも容易になります。

そのため、リフォームをする時には、リビングを中心とした広い空間とするのが良いでしょう。