家のリフォームを検討している方の中には、思い切って「2階建てから平屋」にリフォームすることを検討されている方もいるのではないでしょうか。

家族構成が変わった、高齢になったなどさまざまな理由から平屋の魅力を再発見し、リフォームをする方もいます。

 

そこで、今回は平屋の魅力を解説し、実際に大和ハウスウッドリフォームで2階建てから平屋にリフォームした事例をご紹介します。

2階建てから平屋へのリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてくださいね。

1.2階建てから平屋へ!大胆リフォームのきっかけと目的

2階建ての家を平屋にリフォームしようと考える方には、さまざまなきっかけと目的があります。ここでは、考えられる4つのきっかけ・目的をご紹介します。

2階の部屋を使わなくなった

2階建ての住宅にお住まいの方の中には、子どもの独立やライフスタイルの変化によって、2階の部屋がほとんど使われなくなることも多いです。

 

使わない部屋があることは、掃除の手間が増えてしまいます。またリビング階段だと暖房の風が2階に上がってしまい、暖房効率を低下させて光熱費を高めてしまうことにもなります。

 

思い切って平屋にリフォームすることで、生活空間をコンパクトにまとめ、日々のメンテナンスを楽にできます。冷暖房効率も高まるので、いつでも快適に過ごせる住空間を手に入れられるでしょう。

耐震性を高めたい

日本は地震が多い国であり、住まいの耐震性は非常に重要な要素です。特に、旧耐震基準で建てられた2階建ての住宅にお住まいの方の中には、地震に対する不安を感じている方も少なくありません。また、1981年5月31日以前の旧耐震基準で家を建てた方は、地震に対する備えとして心許ないと感じるかもしれません。

 

平屋は2階建てよりも重心が低いので地震に対しても強い構造となっています。安心して長く住み続けられる住まいを実現するために、平屋へのリフォームを選択する方もいるのです。

固定資産税を削減できる

一般的に、建物の固定資産税は、その延床面積に応じて課税されます。2階建ての住宅を平屋にリフォームし、延床面積が減った場合、固定資産税の負担を軽減できる可能性があります。必ずしも固定資産税が削減されるわけではありませんが、削減されれば長期的なコスト削減にもつながります。

 

老後も暮らしやすい家にしたい

将来の快適な暮らしを見据えて、平屋へのリフォームを検討する方も増えています。階段のない平屋は上下移動がないので高齢になった際には移動しやすく生活しやすくなります。また、バリアフリー設計を取り入れやすく、車椅子での移動や介助が必要になった場合でも、スムーズに生活できるでしょう。世代にとって暮らしやすい住まいを目指し、平屋へのリフォームを選択する方がいます。

 

2.平屋ならではの広がり:空間を最大限に活用するレイアウト

2階建てでは実現が難しいですが、平屋であれば空間を最大限に活用したレイアウトも可能にします。ここでは、3つのレイアウトについてみていきましょう。

柱や壁を減らした開放的な空間を作る

2階建ての場合、上階を支えなければならないため1階に構造上必要な柱や壁が出てきます。そのため、場合によっては欲しくない場所に柱や間仕切り壁を設置しなければなりません。

 

しかし、平屋なら支える上階がないため、柱を取り除くことができます。これにより、今までは仕切られていた空間も、視界を遮る柱や壁のないワンフロアへ変えることが可能です。

 

「柱や間仕切り壁のない開放的なLDKにしたい!」という方は、平屋へのリフォームで叶えることができます。

高天井・勾配天井を取り入れる

2階建てだと上階があるため、1階部分の天井を変更することはできません。しかし、平屋にリフォームすれば構造で変更できる範囲内であれば、天井の高さを変えられます。天井を高くしたり、屋根の傾斜に合わせて勾配天井を取り入れれば、開放感抜群の気持ちの良いフロアを作れます。

日当たり・風通しの良い空間にする

平屋にすることで、日当たり・風通しの良い空間作りも可能です。

 

実は平屋は、うまく間取りを考えなければ家の中心部分の日当たり・風通しが悪くなってしまいます。しかし、うまく間取りを変更すればどの部屋にいても日当たり・風通しの良い気持ちの良い空間づくりが可能です。

 

例えば、日が当たりにくい廊下や玄関ホールに天窓をつけたり、天井に近い位置に高窓を設置したりするだけでも風通し・日当たりを改善できます。

 

勾配天井のLDKなら高窓と天窓を組み合わせれば、日当たり・風通しを確保できます。さらに、高い位置の窓は外から見えにくいです。たとえ隣家との距離が近くて大きな掃き出し窓をつけられなくても、高窓・天窓で日当たり・風通し・プライバシー問題を全て解決可能です。


3.耐震性と安全性の向上:平屋に変えることで実現した安心な住まい

住まいの耐震性性は、家族が安心して暮らすための重要な要素です。特に地震大国の日本では、住宅の耐震性能は非常に重要な関心事と言えるでしょう。2階建ての住宅から平屋へとリフォームすることは、耐震性の向上に大きく貢献し、より安全な住まいを実現するための有効な手段となり得ます。

旧耐震基準と新耐震基準

日本の建築基準法における耐震基準は、過去の大きな地震の教訓を踏まえ、何度か改正されてきました。

 

1981年5月以前に建てられた住宅に適用されているのが「旧耐震基準」です。この基準では、震度5強程度の地震に耐えられるような住宅の建築を義務化していました。しかし、1995年の阪神・淡路大震災において、旧耐震基準で建てられた住宅に大きな被害が出たことを受け、より厳しい「新耐震基準」が導入されました。

 

新耐震基準では、震度6強から7程度の激しい地震に対しても、倒壊を防ぐことが基準とされています。今建っている旧耐震基準の家をリフォームする場合、「新耐震基準」を満たす家にリフォームすることが推奨されています。

平屋の耐震性の高さ

平屋建ての住宅は、2階建て以上の住宅と比較して、構造的に耐震性が高いと言えます。その主な理由は、建物の重心の低さです。建物の重心が低いほど、地震の揺れによる影響を受けにくく、建物が倒壊するリスクを減らすことができるのです。また、平屋は壁や柱といった耐力壁をバランスよく配置しやすく、地震の揺れに対しても強い構造を作りやすいというメリットもあります。


4.Before/Afterで見る!2階建てを平屋に変えた施工過程と実際の変化


BEFORE

AFTER



ここでは、大和ハウスウッドリフォームで実際に手がけた、2階建てから平屋にリフォームした事例をご紹介します。

リフォームの目的

築50年が経過したこちらのお家は、2階部分はほとんど使っていませんでした。「旧耐震基準で建てられている家でもあったため、耐震性にも不安がある」とお客様はおっしゃっていたそうです。そのため、思い切って耐震性・快適性を高めるために平屋へのリフォームを決意されました。

施工過程

この家のリフォームの施工過程をご紹介します。

解体工事

まず、2階部分の解体から始めました。2階部分を撤去することで、建物の重心が低くなり、耐震性が向上します。解体工事の際には、騒音や振動を最小限に抑えるよう、周辺住民への配慮も欠かせません。

基礎補強工事

基礎補強工事: 平屋にするにあたり、建物の荷重を支えるために基礎の補強を行いました。既存の基礎にアラミド繊維シートを貼り付けたり、鉄筋コンクリートで基礎を増し打ちするなどの方法があります。これにより、地震に強い安心な住まいを実現します。

1階部分の改修工事

2階部分を撤去したことで、1階部分の間取りを大きく変更することが可能になりました。

 

  •  天井高の変更

  • キッチンのレイアウト変更

  • 洗面所のレイアウト変更

  • 寝室に書斎とウォークインクローゼットを追加

  • トイレの位置変更

  • 玄関収納の変更 など

内装・外装工事

新しい間取りに合わせて、内装・外装をリフレッシュしました。断熱材を入れることで、一年を通して快適な室内環境を実現しました。外観も、真っ白な外壁が魅力的なすっきりとしたデザインに生まれ変わりました。

施工後の実際の変化


2階部分がなくなったことで、1階の天井を自由に高さを変えられるようになりました。そこで、1日のうちに長い時間を過ごすリビング・ダイニングを勾配天井にし、伸びやかで開放感のある空間を実現。お招きしたお客様も、その開放感に驚かれたそうです。


独立していたキッチンは、対面式に変更。グレイッシュカラーのキッチンにブルータイルがおしゃれに調和し、明るく爽やかなキッチンが完成しました。また、キッチンに立つと、目の前は大きな窓。外の景色や太陽の光を感じながら家事ができます。


キッチンからアクセスしやすいようにお風呂と洗面所の位置を反対にしました。キッチンと洗面所の間にあった納戸も無くし、洗面・脱衣所はストレートにつながった効率的な動線に大返信。キッチンでの家事の合間にスムーズに洗濯作業を行えます。


狭かった玄関ホールはたたき部分を広げてゆったり使える広さに。シューズクロークにはお客様の趣味の弓道道具も収納できます。

 

5.平屋の魅力再発見!快適で省エネな生活空間への変化

平屋は耐震性だけでなく、省エネ性を高めることも期待できます。ここでは、平屋にすることで期待できる省エネポイントをご紹介します。

コンパクトな間取りなので冷暖房効率が上がる

平屋は2階建てのように上下移動がないため、間取りがコンパクトにまとまります。これにより、冷暖房の風が部屋に満遍なく行き渡りやすく、効率的に室内の温度を適温に保てるのです。これは光熱費の削減にもつながるため、長期的にも優れたコストパフォーマンスが期待できます。

断熱・気密性が高まる

平屋へのリフォームの際に、断熱リフォームも行うことで、より快適な「高気密・高断熱住宅」を実現できます。コンパクトな平屋は、2階建てよりも開口部の面積が少ないので断熱性能を高めやすくなります。断熱性・気密性が高まると、さらに室内の冷暖房効率が高まり、「夏涼しく、冬暖かい」家づくりが叶うでしょう。

大屋根に大容量太陽光発電搭載できる

平屋にリフォームする際に、大容量の太陽光パネルを設置できることもあります。これにより、家の中の電気代を自家発電によって賄えるようになり、電気代の節約にもつながるでしょう。蓄電池も設置すれば、災害時の備えにもなるので安心です。


6.まとめ

2階から平屋へのリフォームは非常に大胆な工事です。しかし、実際にこの工事を行うことで、さまざまなメリットを得ることができます。

 

大和ハウスウッドリフォームでは、本記事でご紹介した事例以外にも、幅広いニーズに合わせた多数の実績がございます。気になる方は、ぜひ当社にお問い合わせください。