地震大国である日本において、大切な家族と住まいを守るには、建物の耐震性を高める対策が欠かせません。

 

この記事では、耐震性向上のための基本事項や耐震補強の方法について解説。耐震補強方法の選び方から気になる最新技術まで、地震に強い家づくりのポイントをプロの視点でご紹介します。ご自宅やご実家の地震対策を検討する際の参考にしてください。

耐震性向上のために押さえたい3つの基本事項


地震から住まいを守る第一歩は、耐震に関する基本知識を身につけることです。まず、耐震性向上で押さえておくべき3つの基本事項を解説します。

(1)耐震診断で自宅の耐震性をチェックする

まず、ご自宅の現在の耐震性を把握するひつようがあります。建物の耐震性は、建築時期や構造、劣化状況で大きく異なります。そのため、専門家による耐震診断を受け、弱点や必要な補強箇所を具体的にチェックするのがおすすめです。

 

耐震診断には、通常5〜20万円程度の費用がかかりますが、多くの自治体で補助金制度が整備されています。また、大和ハウスウッドリフォームでは、一定の要件を満たす首都圏の木造2階建て住宅に関して、家づくりのプロによる耐震診断を無料で行っているので、積極的にご活用ください。

 

大和ハウスウッドリフォームの耐震診断

(2)耐震基準は最低限の基準であることを心得る

建築基準法の耐震基準は、「震度6強〜7程度の大規模地震で倒壊・崩壊しない」ことを目的とした、建物に求められる最低限の基準です。よって、基準を満たしているからといって、地震が起きても安全とは限りません。


実際、2016年の熊本地震では、新耐震基準を満たす比較的新しい建物でも、倒壊や大規模損壊した例が報告されています。より安全性の高い住宅を目指すには、耐震基準を超える耐震性の確保を意識しましょう。

(3)耐震だけでは地震後住み続けることが難しい

耐震は、建物の倒壊を防ぎ人命を守る重要な地震対策ですが、大地震後は強い余震が繰り返し起こります。耐震の対策を施した建物でも、繰り返す揺れでダメージが蓄積し、住み続けられない状態になることも少なくありません。

 

そこで重要になるのが、揺れのエネルギーを吸収して建物の損傷を抑える「制震」の対策です。地震後も安心して暮らすためには、耐震と制震を組み合わせた対策が求められます。

 

プロが教える!効果的な耐震補強方法


耐震診断で弱点がわかったら、具体的な補強方法を検討します。ここでは、プロが推奨する代表的な耐震補強方法を5つ紹介します。

壁の補強

壁の強化は耐震補強の基本です。柱の間に斜めに部材を入れる「筋交い」の設置や、構造用合板などの「耐震パネル」によって全体の強度を高めるなどして「耐力壁」の増設を行います。

 

これらは、地震の横揺れから建物を支える重要な役割を果たします。壁量が不足している場合や、配置バランスが悪い場合に有効な対策です。

基礎の補強

建物の土台である基礎の補強も重要です。古い木造住宅では、コンクリート基礎に鉄筋が使われていなかったり、ひび割れが見られたりすることがあります。このような状況が見られる場合、ひび割れ補修や鉄筋コンクリートの増し打ちで強度を高めるのが効果的です。基礎が弱いと、上部構造を補強しても十分な効果は得られません。

接合部の補強

柱と梁、土台と柱などをつなぐ接合部は、地震時に大きな力がかかります。古い木造住宅では、この部分が十分に補強されておらず、大きな力のかかった箇所から崩壊することも少なくありません。


接合部に補強金物を取り付ければ、地震の揺れによる柱の引き抜けや部材のずれを防ぎ、建物の倒壊リスクを低減することができます。

屋根の軽量化

建物は、重量が重く、重心が高いほど揺れやすくなります。特に伝統的な瓦屋根は重いため、建物全体の重量が増え、重心が高くなる原因にもなります。


屋根材を軽量な金属屋根(ガルバリウム鋼板など)やスレート屋根などに葺き替えると、建物の重量が軽くなり、重心も低くなります。これにより揺れによる影響が小さくなり、倒壊リスクを軽減できるでしょう。

制震ダンパーの設置

制震ダンパーは、地震の揺れのエネルギーを吸収する装置で、建物の柱や梁、壁などに設置します。耐震補強が揺れに耐えられるだけの建物強度を確保するのに対し、制震ダンパーは、建物に伝わる揺れを吸収して「逃がす」効果があります。耐震補強と併用することで、繰り返す揺れによる建物へのダメージを大幅に軽減できるでしょう。

 

最適な耐震リフォームの選び方

上記のように、耐震リフォームには多くの方法がありますが、予算に合わせて優先順位を決めることが大切です。

 

日本の木造住宅で一般的な在来工法(木造軸組工法)は、柱と梁で骨組みを作るため、接合部の強度が耐震性に大きく影響します。予算と耐震診断結果を踏まえ、以下の優先順位で検討するのが一般的です。

 

  1. 基礎や柱の劣化箇所の修復・交換

    建物の土台である基礎や構造の要である柱の劣化(腐食やシロアリ被害など)があれば、最優先で対応します。

  2. 壁の補強

    耐力壁の増設や強化で、建物のねじれを防ぎます。

  3. 金具による接合部の補強

    柱、梁、土台などの接合部を金物で固定し、骨組みを強化します。

  4. 屋根の軽量化

    上の3つの対策で強度を高めたうえで、屋根を軽くすると効果が高まります。

  5. 制震ダンパーの設置

    耐震補強をしっかり行ったあと、さらなる安全性向上のために検討します。

 

これはあくまでも一般論であり、住宅の状況によって、取るべき対策は異なります。専門家と相談し、自宅に最適なリフォーム計画を立てましょう。

 

耐震性向上がもたらす3つのメリット


耐震リフォームは費用がかかりますが、それに見合う3つのメリットがあります。

(1)日常生活に安心感が生まれる

いつ起こるかわからない地震への不安は、日常生活における大きなストレスになります。自宅の耐震性を高めれば、「この家なら大丈夫」という安心感が生まれ、精神的な負担が軽減されるでしょう。家族が安全な環境で穏やかに暮らせることは、何物にも代えがたい価値です。

(2)資産価値の向上が期待できる

耐震性の高い住宅は、中古市場でも評価されやすい傾向があります。旧耐震基準で建てられた家であっても、耐震基準適合証明書を取得していれば、売却や賃貸がしやすくなるでしょう。また、耐震等級2以上を獲得すると、耐震性に優れた家として評価されます。


将来の住み替えや売却を考えるなら、耐震リフォームは、住宅の資産価値を維持・向上させるのに有効な投資といえるでしょう。

(3)補助金や税制優遇を受けられる

耐震リフォームには、国や自治体の補助金制度を利用できる場合があります。また、一定の要件を満たす耐震改修工事は、1年間の所得税控除や固定資産税減額といった税制優遇の対象となるのもポイントです。

 

これらの制度を最大限活用すれば、リフォームによる費用負担を軽減できます。制度の詳細は、お住まいの自治体窓口やリフォーム会社に相談するとよいでしょう。

 

耐震性を高めるための最新リフォーム技術

耐震技術は進化し続けています。ここでは、近年注目される最新リフォーム技術をご紹介します。

繰り返しの揺れにも耐えられる「スチールプレート付き耐力壁」

従来の耐力壁では、繰り返しの揺れで釘が構造用合板から抜けてしまう現象(パンチングアウト破壊)が、耐震性低下の一因となることがありました。

 

そこで近年注目されているのが、鋼板(スチールプレート)と構造用合板などを組み合わせた「スチールプレート付き耐力壁」です。

 

スチールプレートの使用や釘の打ち方の工夫により、従来の耐力壁よりも高い強度と粘り強さを実現し、耐震等級2に相当する高い耐震性を持たせることが可能になります。繰り返しの地震への強度も増すため、耐震リフォームでもぜひ取り入れたい技術です。

地震による建物への影響を監視する「スマート耐震システム」

IoT技術を活用し、センサーで地震時の揺れや建物の傾きなどをリアルタイムで監視・記録するシステムも開発されています。データを分析し、建物への影響度を把握することで、地震後の適切な点検や補修が可能です。長期的な視点での耐震対策やメンテナンス計画にも役立つため、住宅の新築や耐震リフォームへの活用が期待されています。

 

まとめ

地震から家族の命と財産を守るには、住まいの耐震性向上が不可欠です。まずは耐震診断でご自宅の現状を把握し、必要に応じて適切な耐震補強を行いましょう。予算や状況に合わせて最適なリフォームを選ぶとともに、補助金や税制優遇を活用し、費用負担を抑えながら安全性を高めるのがおすすめです。

 

大和ハウスウッドリフォームでは、一定の要件を満たす首都圏の木造2階建て住宅について、プロによる耐震診断を無料で実施しています。耐震診断結果を基に、最適な耐震工事プランもご提示可能です。

 

いつ来るかわからない大地震に備え、毎日の暮らしをより充実したものにしたい方は、大和ハウスウッドリフォームにお任せください。

 

大和ハウスウッドリフォームの耐震診断

 

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