住まいの「ちょっとした不満」を解消し、暮らしを快適にしたいなら「プチリノベ」が効果的です。手を加える範囲を絞ることで、フルリノベーションよりも費用を抑えつつ、気になる箇所を理想の空間に変えられるのがプチリノベの魅力といえます。

 

この記事では、プチリノベの基礎知識からメリット、知っておきたい注意点、プチリノベがおすすめのケースまで詳しく解説します。

プチリノベとは?模様替えとの違い

プチリノベとは、家全体ではなく、リビングやキッチン、子ども部屋といった一部の空間のみをリノベーションすることを指します。床・壁・天井の解体を伴うフルリノベーションのように、大規模な工事を必要としないのが特徴です。具体的には、壁紙や床材の張り替え、古くなったキッチンやトイレといった設備の交換などが挙げられます。

 

よく似た言葉に「模様替え」がありますが、これは家具の配置を変えたり、インテリアのテイストを変えたりすることを指します。プチリノベは、フルリノベーションほど大がかりでなくとも、一定の工事を伴う点が模様替えとの違いといえるでしょう。

 

プチリノベの3つのメリット


フルリノベーションと比較して、プチリノベにはどのような魅力があるのでしょうか。ここでは、プチリノベの主な3つのメリットを具体的に見ていきましょう。

(1)フルリノベに比べてコストを抑えられる

プチリノベは施工する場所を限定して実施するため、家全体をやり変えるフルリノベーションに比べて、費用を大幅に抑えることができます。施工範囲によって費用をコントロールできるのもメリットです。「家全体を見直すほどのお金はないけれど、気になるところをしっかり見直したい」と考えている方には、特におすすめの方法といえます。

プチリノベの費用相場

プチリノベと一口にいっても、どこまで手を加えるかによって費用は大きく異なります。子ども部屋のみ、玄関のみといった比較的広くない範囲であれば、工事内容によっては数十万〜100万円程度で実施できることもあるでしょう。

 

1階のみなど、ある程度広い範囲をリノベーションする場合、一般的な費用相場としては300万〜500万円程度が目安です。内容によってはそれ以上になるケースもありますが、全体で1,000万円以上かかることも多いフルリノベーションと比較すると、費用をかなり抑えられることが分かります。

(2)生活への影響が少ない

施工内容や範囲が限られるプチリノベは、工事期間が短くて済むのも大きなメリット。内容によっては2〜3日で完了することもあり、生活への影響を最小限に抑えられるでしょう。

 

また、基本的には自宅に住みながら工事を進められるため、仮住まいを探す手間もかかりません。仮住まいの家賃や引っ越し費用といった追加のコストや手間が発生しない点も、うれしいポイントといえるでしょう。ただし、お風呂やトイレなど水まわりの設備交換を行う際は、一時的に使用できなくなる場合があるので注意が必要です。

(3)ポイントを絞って印象を大きく変えられる

部分的な見直しとはいえ、プチリノベで施工箇所の印象を大きく変えることは十分に可能です。例えば、リビングの壁紙を張り替えて一面はアクセントクロスにする、キッチンの壁にデザイン性の高いタイルを貼る、といった小規模な工事だけでも空間をおしゃれに演出できます。

 

フルリノベーションの場合、予算に余裕がないとすべての希望を叶えるのは難しいかもしれません。しかし、プチリノベであれば、こだわりたい場所にコストを集中させることができるので理想を追求できます。見直したい箇所が明確にあるなら、プチリノベでこだわりを盛り込むのもおすすめです。

 

プチリノベで知っておきたい注意点


手軽に取り組めるのが魅力のプチリノベですが、検討するにあたってあらかじめ知っておきたい注意点もあります。計画を立てる前に、以下のポイントをしっかり確認しておきましょう。

住宅性能を改善するのは難しい

プチリノベは比較的小規模な工事が中心となるため、耐震性の向上や断熱性の改善といった、大規模な工事を伴う住宅性能の見直しは難しいのが実情です。こうした工事が必要であれば、フルリノベーションを検討すべきといえます。プチリノベは、あくまで基本的な性能が備わっている住宅において、より快適な暮らしを叶えるための手段と捉えるべきでしょう。

施工箇所とそれ以外のギャップが生じやすい

施工箇所を限定してプチリノベを行うと、新しくなった部分と既存の部分とで印象に違いが生まれやすくなります。

 

例えば、リビングだけプチリノベでスタイリッシュなナチュラルモダンテイストに生まれ変わったものの、隣接する部屋や廊下は築年数の古いイメージが残ったままといったケースが考えられるでしょう。

 

プチリノベによる住まい全体の違和感をなくすには、既存部分の床材や建具の色味に合わせて建材を選ぶなど、空間の連続性や一体感を意識したプランニングが求められます。

プチリノベを繰り返すと費用がかえってかさむ

一度の工事だけで考えれば、プチリノベはフルリノベーションより費用を安く抑えられます。しかし、気になる箇所が出てくるたびにプチリノベを繰り返していると、長い期間でのトータルコストがフルリノベーションよりも高くなってしまうケースもあるでしょう。

 

プチリノベを複数回行うと、工事のたびに人件費や養生費、廃材処分費などが発生するため、全体をまとめて一度に行うよりも割高になる可能性があります。改修したい箇所が複数ある場合は、長期的な視点も踏まえ、フルリノベーションとプチリノベのどちらがお得か検討する必要があります。

 

プチリノベをおすすめしたい3つのケース


上述のメリットや注意点を踏まえたうえで、プチリノベはどのような場合に向いているのでしょうか。ここでは、プチリノベを特におすすめしたい3つのケースを紹介します。

(1)新築建売住宅をカスタマイズしたいケース

建売住宅は注文住宅に比べて手頃ですが、多くの人に受け入れられやすいよう、標準的な仕様で建てられていることが多くなっています。新築建売住宅を購入したものの、無難な間取りや内装に少し手を加えて個性を出したいと考えている場合、プチリノベが最適です。

 

購入後に、キッチン設備だけを好きなメーカーのものに入れ替えたり、リビングを理想のテイストに作り変えたりと、標準仕様の住まいを自分らしくカスタマイズしてみるのもよいでしょう。また、造作棚を設置して収納を増やすなど、使い勝手を向上させることも可能です。

(2)リノベ済み住宅で一部のみ一新したいケース

リノベーションのプランを一から考えるのが大変だと感じる場合、リノベーション済みの中古物件を購入するのも一つの方法です。しかし、リノベ済み物件でも「一部だけ好みに合わない」「実際に暮らしてみると使いにくい」と感じることもあるでしょう。そんなとき、気になる箇所だけプチリノベを行えば、大きな費用や手間をかけることなく、手軽に理想の住まいを実現できます。

(3)ライフステージの変化で一部を見直したいケース

結婚、出産、子どもの独立、定年退職といったライフステージの大きな変化は、住まいに求められる機能や間取りを見直すきっかけになります。こうしたタイミングでプチリノベを行うのも効果的です。

 

築年数が浅く、内装や設備がまだ十分に使える住宅なら、フルリノベーションは少しもったいないと感じるかもしれません。プチリノベであれば、使えるところはそのまま残しつつ、ライフスタイルに合わなくなった部分だけを見直すことができます。

 

例えば、子どもが独立して使わなくなった部屋の間仕切りを撤去し、広々とした趣味の部屋を作るといったプランが考えられるでしょう。

 

まとめ

プチリノベは、気になる箇所に絞って工事を行うことで、コストを抑えながら住まいの印象を大きく変えるために有効な手段です。工事期間が短く、住みながら行える手軽さも人気の理由といえるでしょう。ただし、住宅性能を向上するのは難しい、複数回実施するとフルリノベよりも費用がかさむ可能性があるなどの注意点は認識しておきたいところです。

 

大和ハウスウッドリフォームは、フルリノベーションとプチリノベのどちらも豊富な実績があります。お客さまのご要望を踏まえ、理想を叶えるのにふさわしいプランをご提案することが可能です。自宅や実家で使いにくいところや見直したいところがあるなら、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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