「フルリノベーションと部分リノベーション、どちらを選ぶべき?」

住まいの改修を考えるとき、多くの方が最初に悩むポイントです。

フルリノベーションは住まい全体を一新できる一方で、費用や工期も大きくなりがち。

部分リノベーションは気になる箇所だけを直せますが、どこまで手を加えるべきかの判断が難しいという声も少なくありません。


本記事では、フルリノベと部分リノベの違いを「工事内容・費用・期間」の面から比較し、それぞれのメリットや向いているケースをわかりやすく解説します。

さらに、リノベーションを成功させるための3つのポイントも紹介。

後悔のないリノベーションを実施するために、ぜひ参考にしてください。

「フルリノベーション」と「部分リノベーション」の違い

住まいのリノベーションには、大きく分けて「フルリノベーション」と「部分リノベーション」の2種類があります。
フルリノベーションは、間取りや配管・配線まで一新し、構造体(骨組み)以外をすべてリフォームする大規模な工事です。


一方、部分リノベーションはキッチンや浴室、リビングなど、気になる部分だけを改修する限定的な箇所の工事を指します。

目的や予算によって、どちらを選ぶかが大きく変わります。

以下でそれぞれの特徴を比較してみました。

 

項目

工事範囲

費用目安

工期

フルリノベーション

住まい全体(間取り変更・配管・内装など)

約800万〜1,500万円

約2〜4ヶ月

部分リノベーション

一部の空間(キッチン・浴室・リビングなど)

約100万〜500万円

数日〜3週間前後

 

 

フルリノベは工期・費用ともに大きくなりますが、内装・設備が新築同様に刷新できる点が魅力です。

部分リノベは費用を抑えながら生活の不便を解消できるため、住みながら工事できるケースも多く、負担を少なくリフレッシュしたい方に適しています。

どちらが「お得」かは、リフォームの目的や築年数、今後の暮らし方によって変わります。

まずは現状の課題を整理し、どの範囲を改修すべきかを専門家に相談することをおすすめします。


フルリノベーションのメリット


フルリノベーションは、建物の骨組みを残してすべてを一新するため、見た目の美しさだけでなく性能面まで大きく向上させることができます。

ここでは、フルリノベーションならではの2つの主なメリットを紹介します。 

内装が新築同様に生まれ変わる

フルリノベーションの最大の魅力は、古くなった住まいを新築同様に再生できる点です。

床・壁・天井・水まわり設備をすべて刷新することで、見た目だけでなく断熱性や耐震性などの性能も向上します。

経年劣化によるトラブルを根本から解消でき、長く快適に住み続けられる住環境へと生まれ変わります。

また、設備や仕上げ材をすべて新しくできるため、デザインやテイストを統一できるのも大きなメリットです。

たとえば無垢材のフローリングや調湿機能のある壁材など、理想のインテリアを一から作り上げることができます。

見た目の美しさだけでなく、住み心地や性能を両立できるのがフルリノベの魅力です。 

使い勝手の良い間取りにプランニングできる

フルリノベーションでは、構造体を残して間取りを自由に変更できるため、暮らしに合わせた最適なプランニングが可能です。

たとえば、閉鎖的なキッチンを開放的なLDKに変えたり、和室をワークスペースにしたりと、生活動線を一から見直すことができます。

家族構成やライフスタイルの変化に合わせて住まいを再設計できる点は、新築にはない柔軟さです。

さらに、断熱・耐震・バリアフリーといった性能面の改修も同時に行えるため、長期的な安心にもつながります。

単なるリフォームでは得られない「暮らしの再構築」ができるのが、フルリノベーションの大きな強みといえるでしょう。

 

部分リノベーションのメリット


住まい全体を一新するフルリノベーションに対し、部分リノベーションは「必要なところだけを直す」選択肢です。

水まわりやリビングなど、気になる箇所を中心に改修できるため、予算を抑えながら日常の不便を解消できます。

暮らしを大きく変えずに快適性を高めたい方にとって、現実的で取り入れやすい方法といえるでしょう。 

フルリノベーションと比較して予算が抑えられる

部分リノベーションの最大の利点は、やはりコストを抑えやすい点です。

工事範囲を限定できるため、施工費・材料費・工期が大幅に短縮され、100万円前後からでも始められます。

工事期間が短く済むため、住みながらリフォームできるケースも多く、仮住まい費用を削減できるのも魅力です。

また、修繕が必要な部分だけを優先的に改善できるため、資金計画を立てやすいのもポイントです。

たとえば、まずはキッチンを改修し、次の年に浴室を更新するなど、段階的に住まいを整えることができます。

予算やライフステージに合わせて柔軟に進められる点が、部分リノベの大きなメリットです。

現状の間取りや仕様を活かした設計ができる

部分リノベーションでは、今の間取りや設備を活かしながら、使い勝手やデザインを改善できます。

構造を変えずに施工できるため、建物への負担が少なく、工事期間中も日常生活を維持しやすいのが特徴です。

内装のデザイン変更や設備の交換だけでも、住まいの印象や快適性は大きく変わります。

さらに、限られた範囲に費用を集中できるため、素材や機能にこだわりやすくなります。

たとえばキッチンを中心にリノベーションする場合、壁面収納や間接照明を加えるなど、使い勝手とデザイン性を両立したプランニングも可能です。

既存の良さを残しながら“ちょうどいい快適さ”を実現できるのが部分リノベの魅力です。

 

フルリノベーションが向いているケース

フルリノベーションは、建物全体を一新して「長く快適に暮らしたい」という方におすすめです。

築年数が古く、老朽化や間取りの不便さを感じている場合は、部分的なリフォームよりも全体を見直す方が結果的に効率的です。

 

▼フルリノベーションが向いている主なケース

・築20年以上で、配管・配線・設備の老朽化が進んでいる
・家族構成やライフスタイルが変わり、間取りを大きく見直したい
・断熱性や耐震性など、住宅性能を根本から高めたい
・将来的に二世帯住宅やバリアフリー化を検討している
・長期的な資産価値を維持・向上させたい


住まいの基本構造を残しつつ、デザインも性能も新築同様に再生できるのがフルリノベの魅力です。

老朽化をリセットし、これからの10年・20年を安心して暮らせる住まいを実現したい方に適しています。

 

部分リノベーションで十分なケース

部分リノベーションは、住まい全体の状態が良好で「必要なところだけを直したい」方におすすめです。

生活を続けながら工事できる場合も多く、コストと快適性のバランスを取りやすいのが特徴です。

 

▼部分リノベーションが向いている主なケース

・建物全体の構造は問題なく、部分的な老朽化だけが気になる

・キッチン・浴室・トイレなど水まわりだけを新しくしたい
・予算を抑えながら見た目や使い勝手を改善したい
・今後のライフステージに合わせて段階的にリノベしたい
・仮住まいせず、住みながら改修したい


必要な範囲を絞って施工することで、負担を少なく快適性を高められるのが部分リノベの魅力です。

無理なく理想の暮らしに近づけたい方、コストを抑えて効率的にリフォームしたい方にぴったりの方法です。

 

リノベーションで成功するための3つのポイント


理想のリノベーションを実現するためには、「どこを」「どのくらい」変えるのかを明確にすることが大切です。

デザインや費用だけで判断してしまうと、完成後に「思っていた仕上がりと違う」「予算を超えてしまった」と後悔することも。

ここでは、リノベーションを成功に導くための3つのポイントを紹介します。

譲れないポイントを決めておく

まずは、リノベーションで「何を最優先にしたいのか」を明確にすることが大切です。

デザイン性、使い勝手、断熱や耐震といった性能面など、希望をすべて叶えようとすると予算や工期が膨らみやすくなります。

あらかじめ譲れない部分を整理しておくことで、打ち合わせの際に優先順位をつけやすくなります。

たとえば「家族が集まるLDKを広くしたい」「老後に備えて段差をなくしたい」など、目的を具体的にするのがポイントです。

方向性を明確にしておくことで、設計プランもぶれず、完成後の満足度を高められます。

予算をあらかじめ設定しておく

リノベーションの費用は、工事範囲や仕様によって大きく変わります。

そのため、最初の段階で「上限予算」を明確にしておくことが重要です。

特にフルリノベーションでは、想定外の修繕や設備交換が発生する場合もあるため、見積金額に対して10〜15%程度の余裕を見ておくと安心です。

また、優先順位を決めたうえで、費用をどの部分に配分するかを考えるのもポイントです。

デザインだけでなく、断熱や給排水などの見えない部分にも予算を確保しておくことで、長く快適に暮らせる住まいに仕上がります。

5年後・10年後のライフスタイルをイメージしておく

リノベーションは「今の不満を解消する工事」ではなく、「これからの暮らしをつくるプロジェクト」です。

現在の生活だけでなく、家族構成の変化や働き方の多様化を見据えて計画することで、将来まで快適に暮らせる空間になります。

たとえば、子どもの独立や在宅ワークの増加など、ライフステージに合わせた可変性を持たせておくと安心です。

収納や動線を柔軟に設計しておくことで、10年後も使いやすい住まいを維持できます。

将来を見据えたプランニングこそ、リノベーション成功のカギといえるでしょう。

 

まとめ

フルリノベーションと部分リノベーション、どちらにも明確なメリットがあります。
 住まい全体を一新して長く快適に暮らしたいならフルリノベーションを、予算を抑えて気になる箇所を改善したいなら部分リノベーションを検討するのが賢い選択です。

大切なのは「どんな暮らしを実現したいのか」という目的を明確にすること。

目的と予算、そして将来のライフスタイルに合わせて選ぶことで、満足度の高い住まいづくりが叶います。


大和ハウスウッドリフォームでは、建物診断からプラン設計、補助金活用のサポートまでワンストップで対応しています。
 フルリノベも部分リノベも、最適な提案をプロが丁寧にサポートします。まずはお気軽にご相談ください。