ご自宅でのテレワークやオンライン授業が増え、自宅での過ごし方が変わってきた方も多いのではないでしょうか。同時に、「外の騒音が気になる」「子どもの声がご近所迷惑にならないか心配」「趣味の楽器演奏をもっと自由に楽しみたい」など、音に関するお悩みも増えています。

 

音の問題は、日々の暮らしの質を大きく左右します。しかし、防音リフォームは専門的な知識が必要なため、どこから手をつけて良いか分からない、という方も少なくありません。

 

この記事では、年間数多くのリフォームを手掛ける大和ハウスウッドリフォームが、防音リフォームの種類や費用、そして工事で失敗しないためのポイントを徹底解説します。

防音リフォームとは


 防音リフォームとは、外部からの騒音侵入を防いだり、室内で発生した音を外部に漏らさないようにしたりするための改修工事です。音の問題は、多くの方が抱える悩みのひとつであり、特に都市部の住宅や、近隣に幹線道路、線路、飛行場などがある環境では深刻な課題となりがちです。また、ピアノやホームシアター、楽器の演奏を趣味とする方にとっては、近隣への音漏れが気になり、安心して楽しめないというケースも少なくありません。

 

防音リフォームには、主に「遮音」「吸音」「防振」の3つの要素があります。遮音は、音を跳ね返して外部への透過を抑えることで、吸音は、音を吸収して反響を抑えることを指します。そして、防振は、音の振動が建物の構造を通じて伝わるのを防ぐための対策です。これらの要素を適切に組み合わせることで、音のストレスから解放され、より快適で質の高い暮らしを実現することができます。

 

防音リフォームの種類と費用の目安


防音リフォームは、音の発生源や目的によって様々な種類があります。ここでは、代表的なリフォーム方法とその費用目安をご紹介します。

外部からの騒音侵入や、室内からの音漏れ対策として、窓は最も効果的な対策のひとつです。 窓の防音リフォームには、主に「内窓の設置」「防音ガラスへの交換」「気密性の高いサッシへの交換」といった方法があります。 内窓の設置は、既存の窓の内側にもう一つ窓を設置する方法で、窓と窓の間に空気層ができることで高い防音効果を発揮します。

 

防音ガラスは、異なる厚さのガラスを組み合わせ、間に特殊な中間膜を挟むことで、音の振動を吸収する仕組みです。 また、サッシ自体を防音性の高いものに交換することで、窓枠の隙間から漏れる音を減らすことができます。

 

下記が費用相場となります。

マンションの場合

戸建ての場合

内窓設置:1箇所あたり約8万円~15万円

防音ガラス交換:1箇所あたり約5万円~20万円

 

※マンションの場合、管理規約により共用部分にあたる窓ガラスの交換が制限される場合がある。工事を検討する前に、必ず管理組合に確認が必要。

内窓設置:1箇所あたり約8万円~15万円

防音ガラス交換:1箇所あたり約5万円~20万円

サッシ交換:1箇所あたり約20万円~50万円

 

こちらはあくまでも目安です。実際の詳細な金額はリフォーム会社へ問い合わせましょう。

壁・天井・床

楽器の音や生活音など、特に大きな音は、空気中を伝わる音だけでなく、床や壁の振動として伝わる「固体伝播音」もあります。そのため、壁、天井、床のそれぞれに対して、適切な防音材(吸音材と遮音材)を組み合わせた施工が必要です。

 

壁に防音を行う場合、既存の壁の内側にもう一枚壁を造作し、間に吸音材や遮音シートを充填する方法が一般的です。防音材の選び方や施工方法によって、防音効果が大きく変わります。

 

また、天井の場合、上階からの足音などを防ぐ場合は、吊り天井にして空気層を設けたり、吸音材や遮音材を設置したりします。

 

床の場合、下階への音漏れを防ぐには、防音フローリングへの変更や、床下に遮音マットや吸音材を敷き込む、床を二重構造にするなどの方法があります。

 

それぞれの費用相場は以下のようになります。

マンションの場合

戸建ての場合

壁:6畳間の1面あたり約15万円~40万円

床:6畳間あたり約30万円~90万円(防音フローリングの場合)

天井:6畳間あたり約20万円~50万円

 

※マンションでは、管理規約により床材の遮音等級が定められている場合が多いため、必ず確認が必要。

壁:6畳間の1面あたり約15万円~40万円

床:6畳間あたり約30万円~90万円(防音フローリングの場合)※二重床にする場合はさらに高額になることもある。

天井:6畳間あたり約20万円~50万円

 

こちらもあくまでも目安です。実際の詳細な金額はリフォーム会社へ問い合わせましょう。

 

防音リフォームの注意点


防音リフォームを成功させるためには、事前にいくつかの注意点を押さえておくことが重要です。

マンションの場合は管理規約を必ず確認する

マンションで防音リフォームを行う際は、必ず事前に管理規約を確認しましょう。多くのマンションでは、騒音トラブルを未然に防ぐため、床材や窓、扉などのリフォームに制限を設けています。

 

例えば、床材はL-45等級以上と定められていたり、窓やサッシの交換は禁止されていたりするケースがあります。規約に違反した工事は、後から原状回復を求められる可能性もあるため、必ず管理組合に相談し、許可を得てから計画を進めることが大切です。

 

建築確認申請が必要か確かめる

大規模な防音リフォームの場合、建築基準法上の「大規模の修繕」や「大規模の模様替え」に該当し、建築確認申請が必要となる場合があります。例えば、壁や床、天井の主要構造部に手を加える工事などがこれに該当します。建築確認申請が必要な工事を無許可で行うと、法律違反となり、罰則の対象になることがあります。専門的な知識が必要となるため、リフォーム業者に確認を依頼しましょう。

熱・湿気対策をする

防音リフォームでは、壁や窓の気密性が高まるため、同時に熱や湿気がこもりやすくなるというデメリットがあります。特に窓を二重にしたり、壁を二重構造にしたりすると、結露が発生しやすくなることがあります。

 

結露はカビの原因となり、建物の劣化を早めるだけでなく、健康被害を引き起こす可能性もあります。防音工事と合わせて、適切な換気計画や断熱対策を講じることが重要です。

 

防音リフォームに成功するためのポイント


防音リフォームは専門的な知識と技術が必要な工事です。成功させるためには、以下のポイントを意識しましょう。 

実績がある業者を選ぶ

防音リフォームは、単に防音材を貼るだけでは十分な効果を得られません。音の性質を理解し、適切な材料や工法を選定する専門的な知識が必要です。防音リフォームの実績が豊富な業者を選ぶことで、あなたの悩みに合わせた最適な提案をしてもらえます。

 

業者のホームページや施工事例を確認し、防音工事の経験が豊富かどうかを見極めましょう。

予算を明確にする

防音リフォームの費用は、工事の範囲や使用する素材によって大きく異なります。予算を明確にせずに業者に相談してしまうと、予算オーバーのプランばかり提案されてしまい、計画がなかなか進まないことがあります。

 

あらかじめ、リフォームにかけられる総額を決めておき、業者にその旨を伝えましょう。

目的をはっきりさせる

「音が気になる」という漠然とした悩みだけでなく、「ピアノの練習音を気にせず弾きたい」「隣の部屋の話し声が聞こえないようにしたい」など、具体的な目的を明確にすることで、業者も最適なプランを提案しやすくなります。

 

防ぎたい音の種類や、どのくらいの防音効果を求めるのかを具体的に伝えましょう。

 

立地によっては防音リフォームで補助金がもらえるかも?


特定の立地条件を満たす場合、防音リフォームに補助金や助成金が適用されることがあります。

空港の近く

航空機騒音の著しい地域として指定された区域内の住宅は、国や自治体から防音工事の助成を受けられる場合があります。

幹線道路の沿道

幹線道路沿いの地域で、騒音規制基準を超える騒音に悩まされている住宅も、防音工事の補助金や助成金制度が適用される可能性があります。

自衛隊や在日米軍基地の近く

自衛隊や在日米軍基地の飛行場周辺に位置する住宅も、防音工事の助成制度の対象となる場合があります。

 

これらの補助金や助成金制度は、地域や年度によって内容が異なるため、必ずお住まいの自治体や関連機関の最新情報を確認しましょう。

 

また、リフォーム会社に相談する際に、補助金制度についても尋ねてみることをお勧めします。


まとめ


防音リフォームは、日々の生活における音の悩みを解決し、家族みんなが快適に過ごせる住まいを実現するための有効な手段です。しかし、単に防音材を設置するだけでは十分な効果を得られず、かえって熱や湿気の問題を引き起こすこともあります。

 

この記事でご紹介したように、専門的な知識と、目的を明確にした計画が何よりも重要です。大和ハウスウッドリフォームは、お客様一人ひとりの悩みに寄り添い、最適な防音リフォームをご提案します。音のストレスのない、穏やかな暮らしを手に入れませんか。ご相談はお気軽にお問い合わせください。