古材フローリングの種類とメリット・デメリット|選び方と特徴を解説

リノベーションは設備や内装を一新しますが、基本的には新しい素材を使います。
壁材にしても床材にしても新品を使い、経年変化を楽しむこともあるでしょう。
しかし、リノベーションに使える資材は新しいものだけとは限りません。敢えて古い資材を使って味を
出すこともあるのです。
ここで取り上げる古材フローリングもその内の 1 つで、新しい素材とは違った味を持っています。
そこで、ここでは古材フローリングを取り上げ、その種類とメリット・デメリットを解説します。
古材フローリングの種類
古材は日本のものだけが建材として流通しているのではありません。海外産の古材を扱っている会社もあり、分類も違っています。
樹種などでの区分もありますが、ここでは国や使われた経緯で種類を分けて解説しましょう。
和古材
和古材はその名の通り、日本の古い建築物から取り出した古材。古民家や土蔵などで使われていた木材を再利用したものが多いです。日本の建築物に使われていただけに、日本の風土に合う素材と言えるでしょう。
ちなみに、日本の歴史的建築物は数百年の歳月を耐えて来ました。その実績は日射や風雨だけでなく、地震や台風にも耐えた実力の証明でもあり、まさに建造物を支えた「実力」と言えるでしょう。
グレイウッド
グレイウッドは元々がパイン材です。
ただし、使われた環境は過酷で、アメリカの高山地域でフェンスとして使われていた経緯があります。
アメリカの高地は標高2,000メートルを超える場所が少なくありません。グレイウッドはそのような過酷な環境に耐えた強さがあるのです。
バーンボード
主に納屋の外壁に使われていた古材です。
屋外の厳しい環境下に晒され、激しい風雨や直射日光に耐えて来ただけあって、風格には説得力があります。
100年を超えるレベルでの歴史を刻んで来たこともあるため浸食はありますが、それも1つの味わいとなっています。
オールドボード
オールドボードは北米で育った木材から切り出された材料で、製粉工場や倉庫の床や天井などで使われた実績があります。
工場や倉庫は一般的な建物とは違った特殊な環境に晒されることが多く、それだけに強さが求められます。
オールドボードはそのような厳しい条件を克服した素材。歴史が証明する品質と言えるでしょう。
スキャッフボード
スキャッフボードは建築現場の作業床として使われた古材です。
建築現場で使われたということもあり、非常に高い強度を持っています。
ちなみに、建築現場で働く労働者は屈強な肉体のケースが多いです。スキャッフボードはそのような肉体を持った人々を支えたボード。強度が違います。
古材フローリングのメリット
それでは古材フローリングのメリットにはどのような点があるのでしょうか。
代表的な点を挙げてみましょう。
高い強度
古材は新しい材料よりも弱いと思われるかも知れません。建築に使われる材料の多くは年数が経った方が劣化は進んでいるので、強度も落ちてしまっています。
しかし、実際は逆で古材の方が強度はあります。
ちなみに、日本の歴史的な建築物は木造建築物で、全体が言わば古材です。
そのような建築物は度重なる大きな地震にも耐えて来ました。その歴史が古材の強度の実証とも言えるのです。
風格がある
天然木の無垢フローリングのメリットに「年月とともに風格と味わいが出る」というものがあります。年月を掛けた渋みが出て来て、貫禄が出て来るのです。
当然ながら、そのフローリングの部屋の雰囲気は、新品のフローリングとは全く違うことでしょう。
さて、古材フローリングは非常に長く使われた材料です。前述のように、中には100年前に切り出された資材もあるほど。無言の中にも風格と説得力があります。使われる部屋においても、今の部屋と違った雰囲気になるでしょう。
独特の味わい
古材フローリングには風格とは別に独特の味わいがあります。
古材には国内産と海外産がありますが、それぞれが別なテイストです。
例えば、国内産は「和」の雰囲気を作るインテリア…例えば「和モダン」の素材として使えば、ひと味違う部屋が出来るでしょう。
また、北米産の古材であれば開拓時代の歴史が感じられます。
このように、古材フローリングは味わい深いもの。英語に「リッチテイスト」という言葉がありますが、そのような表現が合うのかも知れません。
部材によって表情が違う
一般的な木材であれば同じ樹種を使えば同様の雰囲気になります。例えば、ヒノキの無垢フローリングを使えば、木目や色調が揃うため、部屋の中に統一感が生まれます。
しかし、古材の場合はそのように行くとは限りません。部材ごとに色調や雰囲気が異なるのです。
いくつか理由がありますが、理由の1つを挙げると、経年劣化して来た条件が違うため。例えば、建物の南側と北側では日照や風雨の条件が違います。劣化の経緯も違って来るので、素材に様々な表情が生まれるのです。
環境にやさしい
木造住宅は木材を切り出して材料とします。
今の木造住宅は集成材を多く使ってあるので、木材を効率良く使っていると言えるのですが、それでも木材を切り出していることには変わりません。それは森林伐採の一端とも言え、環境問題にも大きく関係します。
その点、古材の場合は大昔の木の再利用ですので森林伐採には繋がりません。
森林は伐採されると再生されるのに非常に時間が掛かりますが、古材はそれとは関係がありません。古材の使用は環境にやさしいのです。
古材フローリングのデメリット
次にデメリットを取り上げます。
古材フローリングには現代のフローリングとは違ったデメリットがあります。
同じテイストが揃えられない
古材の場合、今まで経て来た歴史が違うので持つ表情がバラバラです。そして、それは古材特有のメリットと言えます。
しかし、それは同時にデメリットでもあります。
例えば、古材で内装をコーディネートしようとした場合、部材の色が揃っていないと、全体のハーモニーが整いません。やはり古材であっても統一させたい…というケースはあるでしょう。
ところが古材は表情が違います。同じテイストを求める人にはデメリットであるのです。
コストが高め
古材はコストが高めな場合が少なくありません。
これは古材を取り出す工程のためと言えます。
例えば、和古材の場合には解体された古民家の部材を取り出し、再生させるまでの工程が必要です。例えば、釘を打っている部材であれば、打った釘を抜く手間も必要でしょう。
また、素材によっては探す手間が掛かるかも知れません。
いずれにせよ、コストアップの条件には変わりません。高値になりやすいのです。
扱いに独特の技術が必要
古材の場合は扱いに独特の技術が必要な場合があります。
例えば、現在の規格と違う点です。
今の資材の多くは規格化されており、規格に適合さえすれば産地などは問題になりません。
しかし、古材の場合は現在の規格が通用せず、ケースバイケースとなります。そのため、現在の技術とは異なった技術が必要なのです。
ちなみに、そのような技術は座学だけで学べるものではなく、経験と勘がものを言う場合も多いです。
まとめ
古材フローリングについて取り上げました。種類とともに、メリット・デメリットが把握できたことと思います。また、改めて古材の魅力を認識した人も多いのではないでしょうか。
ともかくとして、古材は独特な味わいとともに風格があります。
リノベーションで使えば渋みの効いた部屋が仕上がるので、検討に入れると面白いでしょう。
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