古い家が快適に!築50年以上の家を蘇らせるリノベーション術

今から50年前の家というと、外装はモルタルでトイレは和式、ユニットバスは普及しておらず、隙間風が入る家もチラホラ…というイメージだったと思います。
その一方で、現代の住宅を見ると、外装はおしゃれなサイディングやドアとなっており、ウォシュレットは普及、ユニットバスも進化を遂げて湯冷めしにくくなり、建物の気密性もアップして寒くなることも少なくなりました。
では、50年前の建物は性能が落ちたからといって壊すべきなのでしょうか。…決してそんなことはありません。リノベーションで復活するケースは少なくないのです。
そこで、ここではリノベーションで蘇る住宅について解説します。
住宅の価値向上について
リノベーションは住宅の価値を向上させる改装なのですが、改装させることによって、どのように変わるのでしょうか。
そこで、もう少しリノベーションの「価値向上の内容」について紹介します。
現代の生活スタイルにマッチする
まずは50年前の日本の生活と現代の生活スタイルを比較してみましょう。
50年前の日本人の生活は今ほど時間に追われていませんでした。例えば、携帯電話はなかったので、仕事に追われるケースはありませんでした。オフィスの電話でも「担当は帰宅したので明日連絡します」で済んでいたのです。
その点、今では携帯電話に連絡が来るので昔のようにのんびりできません。休みの日であっても、ベッドサイドにおいたスマートフォンから仕事の案件が来るのです。
しかし、テクノロジーの進化は住宅をそのような多忙な日々に対応できるように住宅を変えました。
例えば、掃除のしやすい住宅設備は家事を短時間で済むようにしましたし、食洗器は食器洗いの手間を少なくしたのです。仕事の時間は減らせませんが、時間の節約には役立ったのです。
リノベーションは住宅の価値向上の改装と言えます。設備を一新させることによって、昔の家を今の生活スタイルにマッチできるように変えるのです。
家屋の基本性能が向上する
次に家屋の性能について取り上げましょう。
家屋も50年で驚くほどの変化を遂げました。
例えば、50年前の住宅と今の住宅の決定的に違う点の1つに「耐震性」があります。
50年前というと東日本大震災も阪神淡路大震災も来ていない時代です。耐震性に対する関心はあったでしょうが、今ほどの感心は持たれていなかったと思われます。また、耐震基準も今ほどの厳しさはありませんでした。50年の開きは耐震性の面で確実にあったのです。
また、防犯性も良い例です。30年くらい昔になりますが、世間はピッキング犯罪に恐怖しました。特殊な工具を使ってドアを開ける手段に対抗策がそれほど無かったからです。しかし、その状況を受けて建具メーカーは改良を重ね、ピッキングが困難な製品を出しました。それにより防犯性が上がったのです。
このように、50年前の家屋と今の家は大きく違います。しかし、リノベーションは家屋の性能アップが可能。現代のレベルまで家屋の性能をアップできるのです。
リノベーションで向上する住宅性能
このように、50年前と今では大きく差があり、リノベーションでその開きは埋められるのですが、具体的にはどこがどのように変わるのでしょうか。
代表となる住宅性能を取り上げ、どのように向上するかを挙げてみましょう。
耐震性
前にも挙げましたが、耐震性のレベルアップは目を見張るものがあります。
実際、耐震基準は1971年、1981年、2000年に変わりました。その基準変更によって建物に要求される耐震性がアップし、今の建物となったのです。
ちなみに、今は家屋を大型の機械で建物を揺らすことも可能。地震をシミュレーションして、問題の有無を確認できるまでになっているのです。
リノベーションは耐震性のアップが可能。安心して生活できるようになるのです。
防犯性
前にも述べたように防犯性も上がっています。
ピッキング犯罪について取りあげましたが、向上したのはドアがけではありません。防犯性の高い窓ガラスが登場しましたし、インターホンもカメラ付きのタイプに変わりました。ほかにも防犯カメラやセンサーライトのような防犯アイテムも登場しています。
そして、リノベーションは建具も一新するので、50年前のものから今の基準に変えるのです。
省エネ性
省エネ性はいくつかの面からアップしたと言えます。
1つ目は建物の断熱性です。断熱性を上げることによって外気の気温の影響を受けにくくなり、省エネ性アップを実現させたのです。当然ながら、50年前の住宅と今では断熱性でも変わります。
2つ目は住宅設備の性能向上です。照明は電球からLED灯に変わりましたし、浴槽のお湯も冷めにくくなりました。使うエネルギーが減って省エネとなったのです。
3つ目は太陽光パネルを代表とした「創エネ」です。自前で発電設備を持ち、使うエネルギーを作り出せるようになったのです。
これらの性能の開きもリノベーションで埋められます。省エネ性も現代のレベルに上げられるのです。
バリアフリー性
バリアフリー性も50年前と今では相当に違います。
例えば、50年前の家は段差だらけでした。そもそも、段差解消の考え方が薄かったので、今のような家にはならなかったのです。…玄関扉の敷居は文字通り高かったのがよい例でしょう。
また、昔の家は今の家のように手すりは付いていませんでした。そのため、身体を預けることが今ほど簡単ではなく、転倒のリスクも多くありました。しかし、今は随所に手すりが設置され、安全性を向上させています。
ほかにも車いすを使うためのスロープなどもありませんでした。
このように、50年前の家と今では大きく違います。しかし、リノベーションで現代的に改装すれば、このような問題も解消し、安全な家となるのです。
設備の利便性
50年で住宅設備も驚くほど変わりました。単に使いやすくなっただけでなく、掃除のしやすさなどのメンテナンス性も向上したのです。
例えば、50年前のトイレは和式がほとんど、地域によっては下水道が未発達で、今の状態のようにはいきませんでした。また、便器の掃除も今ほど簡単ではなく、強い薬剤を使って掃除をしていました。
しかし、今ではウォシュレットが普及しているだけでなく、汚れが付着しにくくもなっています。
また、ほかにも進化はそれだけではありません。キッチンには食洗器が組み込まれて皿洗いが自動化されましたし、ディスポーザーはゴミを少なくしています。
このように50年前の住宅と今では利便性が違います。リノベーションは設備の一新によって、利便性の向上も果たすのです。
その他
ここまでレベルアップした代表的な性能を挙げましたが、50年で変わったのはこれだけではありません。例えば、遮音性が向上してプライバシー保護の点で強化されましたし、通信品質の向上によって家に居ながらにして仕事ができるようにもなりました。
住宅の利便性の向上は単発的にもできるかも知れません。しかし、全体のレベルアップを狙うならば、やはり古フルリノベーションが望ましいのです。
まとめ
50年前の住宅を思い出しながらリノベーションの魅力について迫りました。
住宅の50年の開きと、その開きを埋めるリノベーションの素晴らしさが把握できたのではないでしょうか。家屋としての性能にしろ、毎日使う上での利便性にしろ、昔と今では大違いです。
ところで、今であっても50年前の不動産が取引されています。マイホームの夢を50年前の物件とリノベーションに託すことも十分にアリです。住宅購入の際には候補に入れてみてはどうでしょうか。
関連記事
人気の事例こだわりタグ: