空き家を収益化するには?空き家活用リノベとサブリースについて解説
「実家を相続したが、遠方で管理できない」
「せっかくなら活用したいが、トラブルや手続きが不安」
そんな悩みを抱えたまま、実家を放置していませんか?実は、昨今の法改正や税制の変化により、空き家を所有し続けるリスクはこれまで以上に高まっています。
この記事では、空き家が「負動産化」するのを防ぐ解決策として、リノベを活用した収益化の方法を解説します。また、管理の手間を軽減できる「サブリース」の仕組みやポイントについても紹介します。
空き家は放置せず「収益化」を目指すべき理由

人が住まなくなった家は、驚くほど早く傷みます。金銭的負担のことも考えると、早急に手を打っておきたいところです。まずは、空き家を放置してはいけない理由を見ていきましょう。
維持費や税金による「負動産」化を防げるから
空き家であっても、不動産にかかる固定資産税や都市計画税は当然納めなければなりません。
加えて、草むしりや枝木の剪定、火災保険料、修繕費など、維持管理には年間数十万円単位のコストがかかることも。また、人が住まないと換気が不十分になり、湿気によるカビやシロアリ被害が進行しやすくなります。こうした問題が建物の劣化を早め、修繕費がさらにかさむという悪循環に陥るのです。
賃貸物件として収益化できれば、毎年の維持費を家賃収入で賄えます。人が住むことで自然と換気や通水が行われ、資産価値を維持しやすくなるのも収益化のメリットといえるでしょう。
法改正で強化されたペナルティを回避できるから
2023年12月「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家法)」の改正により、以前から対象だった「特定空き家」に加え、新たに「管理不全空き家」も指導・勧告対象となりました。管理不全空き家とは、管理不十分な状態にあり、いずれ周囲に危険や迷惑を及ぼす特定空き家になり得る空き家のことです。
自治体から勧告を受けると、固定資産税の軽減措置である「住宅用地特例」の適用を受けられなくなり、税額が大きく跳ね上がるリスクがあります。さらに「特定空き家」に指定され命令に従わない場合、最大50万円以下の過料が科されることも。こうしたペナルティを避けるためにも、空き家を早めに収益化して、適切に管理する必要があるのです。
空き家を現金化・収益化する3つの基本パターンと選び方
空き家の問題を解消して現金や収益を得るには、具体的にどのようにすればいいのでしょうか。ここでは、主な3つの選択肢と選び方について解説します。
(1)手放して現金化する
将来住む予定がなく建物も古いなら、売却して現金化するのが、シンプルで分かりやすい解決策です。初期費用をかけることなく、固定資産税の支払いや管理責任から解放されるのは、大きなメリットとなるでしょう。
一定の要件を満たせば「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」により、譲渡所得から最高3,000万円が控除されるため、利益に対してかかる税金を大幅に節約できるかもしれません。
しかし、生まれ育った実家が人手に渡るため、寂しさや喪失感を覚える可能性も。相続人が複数いる場合は、そもそも合意形成が難しく、話がまとまらないケースもあるでしょう。
(2)解体して更地で活用する
建物の老朽化が激しく、リノベーション費用が高額になりそうなら、解体して更地にし、駐車場やコインランドリーなどで活用するのも一つの方法です。
この方法なら、建物の状態に関わらず収益化を図れますが、解体費用を負担しなければなりません。また、更地や住宅以外の用途で使う土地は「住宅用地特例」の対象外となるため、固定資産税が増える点には注意が必要です。
さらに、駐車場経営などの収益性は立地に大きく左右されます。立地に適した用途を選ばないと、初期投資の回収に長い年月がかかり、経済的負担が重くなることもあるでしょう。
(3)リノベーションして貸し出す
空き家活用のもう一つの方法が、既存の建物をリノベーションし、戸建て賃貸として貸し出す方法です。建物を取り壊さずに済むため、思い出の家を残せるのが魅力です。
少子高齢化で空き家は増えているものの、「子どもの足音を気にせず暮らしたい」「ペットと気兼ねなく暮らしたい」といった層からの戸建て賃貸ニーズは底堅いのです。周辺のマーケットに合ったリノベを施せば、借り手がつく可能性は十分にあります。
加えて、リノベで耐震性や断熱性を高めれば、建物の寿命を延ばせます。将来的に自分たちが住んだり、子や孫の世代に引き継いだりできるのも、この方法ならではのメリットです。
初心者におすすめなのは「リノベ×賃貸」

上記を踏まえると、初めて空き家活用に取り組む方には、「リノベして賃貸に出す」方法がおすすめです。
建て替えより初期投資を大幅に抑えられるうえ、愛着ある家を取り壊さず、誰かに住み継いでもらえることは満足感にもつながるでしょう。また、最近は「DIY可」や「大型ペット可」など、ターゲットの間口を広げることで近隣物件との差別化も図りやすくなっています。
一方で懸念点もあります。例えば、実家が遠方の場合、日々の清掃やクレーム対応に駆けつけるのは難しいはず。賃貸管理会社に管理を委託するとなれば、委託費の負担が発生してしまいます。
さらに、1棟のみの賃貸経営だと、空室になった瞬間に家賃収入がゼロになるため、空室期間をなるべく短くする工夫が必要です。
空き家の収益化で検討したい「サブリース」の仕組みとポイント

空き家を収益化する際の「管理の手間」と「空室リスク」。2つの懸念点を解消するのに効果的なのが「サブリース(一括借り上げ)」です。ここでは、そんなサブリースの仕組みと、契約前に知っておくべきポイントについて解説します。
空室リスクを軽減するサブリースの仕組み
サブリースとは、サブリース会社がオーナーから物件を一括で借り上げ、それを入居者に転貸する契約形態のこと。空室の有無に関わらず、借主となる会社からオーナーへ毎月一定の保証賃料が支払われるため、オーナーは空室リスクを気にすることなく、安定した収支計画を立てられます。
また、入居者募集から契約、集金、クレーム対応、退去立会いまで、面倒な管理業務のほぼすべてを賃貸管理会社に委託できるのもメリット。遠方に住んでいても手間なく賃貸経営ができるため、「空き家を収益化したいけれど管理が不安」という方にもおすすめです。
契約前に知っておくべき手数料と免責期間
魅力的に見えるサブリースですが、検討するにあたっては、コストや条件を理解しておく必要があります。
サブリース会社は、毎月の家賃収入から手数料を差し引いたうえで、オーナーに保証賃料を支払います。そのため、実際オーナーの手元に入る賃料は、相場家賃(満室想定)の80〜90%程度が一般的です。
また、契約書には「免責期間」が設けられることもあります。退去後の1〜3ヶ月間程度、賃料支払いが免除されるという内容であり、オーナーの収支計画に大きく影響するため、あらかじめチェックしておくべきです。
そして、特に気をつけなければならないのが、ほとんどの場合で数年ごとに賃料見直しが行われる点です。相場下落や老朽化により、将来的に保証賃料が減額される可能性もあります。しかし、サブリースにおいては「借主」である賃貸管理会社が借地借家法で保護されるため、賃料減額の申し入れがあっても解約できないおそれがあるのです。
サブリースを利用する際は、こうしたリスクも織り込んで計画を立てましょう。
信頼できるパートナー選びが成功の分かれ道
成功の鍵はパートナーとなる会社選びです。2020年に制定された「サブリース新法」により、賃貸管理会社には契約前の重要事項説明が義務付けられています。説明内容が曖昧だったり、こちらの質問に明確に答えなかったりする会社は、契約を避けるべきです。
単に「家賃保証があるか」だけでなく、魅力的なリフォーム提案ができるか、そして実際に入居者を決める「客付け力」があるかもしっかり確認しておきましょう。
サブリースのメリットばかりでなくリスクも含めて正直に説明してくれる、信頼できるパートナーと出会えるかが、サブリースの成否を握っています。
空き家リノベで活用したい補助金・助成金制度
少子高齢化と人口減少による空き家増加が社会問題化する中、多くの自治体が、空き家活用促進のために独自の補助金や助成金を設けています。制度の適用には「空き家バンクへの登録」や「一定期間以上の定住」などの条件が定められているケースもあるので、利用する場合はあらかじめチェックしておきましょう。また、耐震補強や断熱改修を行う場合も、国や自治体の支援対象になる可能性があります。
いずれの制度も予算上限や申請期間が厳密に決められているので、まずは自治体窓口へ確認してみるのがおすすめです。
まとめ
相続した空き家を放置することには、さまざまなリスクがあります。空き家の扱いに困っているなら、リノベしたうえで賃貸物件として活用してみてはいかがでしょうか。空室リスクや管理の手間を軽減したい場合には、サブリースを上手に活用して、収益化を目指すのも一つの方法です。
大和ハウスウッドリフォームでは、空き家オーナー様向けに有効活用策を提案する「空家活用計画」サービスをご提供しています。まずはお気軽にご相談ください。