自宅のリフォームや模様替えをする際、部屋の印象を大きく変えるのが照明計画です。さらに、照明は多くの電力を消費するため、選び方や使い方を見直すだけで、無理なく家計の負担を減らせるでしょう。

 

この記事では、心地よい空間づくりと節電を両立させるための、リフォームにおける照明計画の基本と具体的なアイデアをご紹介します。リフォームで省エネや室内の環境改善をかなえたい方は必見です。

照明計画の見直しによる節電効果

毎日当たり前のように使っている照明ですが、家庭の電力消費で大きな割合を占めているのをご存じでしょうか。

 

全国地球温暖化防止活動推進センターが公表している「家庭における消費電力量の内訳」によると、家庭での消費電力量のうち13.5%を照明器具が占めています。これはエアコン(14.7%)・冷蔵庫(14.3%)に次ぐ数字です。つまり、照明を見直せば、大きな節電効果が期待できるといえるでしょう。

 

例えば、昔ながらの白熱電球をLED電球に交換した場合、年間で約3,500円もの電気代を減らすことができます。1ヶ所だけでこれだけ節約できると考えると、住まい全体で変更した場合の節約効果がいかに大きいか、お分かりいただけるでしょう。

 

電球の種類ごとの電気代目安

電球の種類

消費電力

年間電気代の目安

白熱電球

54W

約4,200円

電球形蛍光ランプ

12W

約900円

LED電球

9W

約700円

 

LED電球は他に比べて価格が高めですが、寿命が約4万時間と長いのが特徴です。白熱電球の実に約40倍長持ちするため、数年で十分に元が取れるでしょう。照明の交換には手間がかかるので、リフォームのタイミングで一新するのがおすすめです。

 

(出典)

経済産業省「照明 | 無理のない省エネ節約 」

全国地球温暖化防止活動推進センター「5-11 家庭における消費電力量の内訳

Looopでんき「LEDへの切り替えで電気代は安くなる?白熱電球・蛍光灯との比較も!

 

節電と快適さを両立する!照明計画の基本テクニック3選


ただ明るければ良いというわけではなく、光の配置や使い方を工夫することで、居心地の良さは格段にアップします。ここでは、電気代を抑えつつ、お部屋をおしゃれで快適な空間に仕上げるための、3つの基本テクニックをお伝えしましょう。

(1)一室一灯から「多灯分散照明」に見直す

日本の住宅では、天井の真ん中に大きなシーリングライトを一つだけ取り付ける「一室一灯」のスタイルが主流。しかし、このスタイルは部屋全体を隅々まで明るく照らすため、実は必要以上に電力を消費しがちです。

 

そこでおすすめしたいのが、複数の小さな照明を組み合わせる「多灯分散照明」です。ペンダントライトやフロアスタンド、ダウンライトなどの複数の照明を組み合わせることで、光に包まれるような柔らかな雰囲気が生まれます。食事時はテーブルの上だけ、ソファでくつろぐときは壁際のスタンドライトだけ、といったように、シーンに合わせて必要な明かりだけをつけたり消したりできるようになります。

 

結果として、心地よい空間を演出しながら無駄な電力をカットできるのです。

(2)タスク・アンビエント照明で必要な場所だけを照らす

多灯分散照明をさらに実践的にしたのが「タスク・アンビエント照明」という手法です。少し聞き慣れない言葉かもしれませんが、考え方はとてもシンプル。以下の2つの光を使い分けることを指します。

 

  • アンビエント照明:部屋全体をふんわりと照らすベースの光

  • タスク照明:作業をする手元だけをしっかり照らす光

 

まず、アンビエント照明の明るさを、生活に支障のない範囲で少し控えめに設定し、部屋全体の消費電力を抑えます。そのうえで、読書や料理など手元が明るくないと困る場所には、タスク照明をピンポイントで追加しましょう。

 

部屋の中に明るい場所と暗い場所のメリハリができることで、空間に立体感が生まれ、ホテルのような落ち着きのある雰囲気を楽しむことができます。

(3)調光・調色機能を活用して時間帯に合わせた明るさに

多くの照明器具に備わっている「調光・調色機能」も、上手に使えば節約効果が期待できます。調光機能で明るさを絞れば、その分だけ消費する電力も減らせるでしょう。日中、窓からの自然光が入るときは明るさを少し落としたり、夜のくつろぎタイムには照度をさらに下げたりするなど、時間帯や過ごし方に合わせて調整するのが節約と快適さを両立するポイントです。

 

また、調色機能を使って、朝はすっきり目覚める爽やかな白い光に、夜は温かみのあるオレンジ色の光に変えるのもおすすめ。光の色を変えると体内時計が整いやすくなり、日々の睡眠の質を高める効果も期待できます。

 

【部屋別】すぐに取り入れられる照明計画のアイデア

部屋の用途や過ごし方によって、ふさわしい光のあり方は異なるものです。ここでは、リノベーションや模様替えですぐ取り入れられる、照明のアイデアを部屋別にご紹介します。

【リビング・ダイニング】シーンで使い分ける光の演出

家族が長い時間を過ごすリビングダイニングは、さまざまな行動が行われる場所だからこそ、複数の照明を組み合わせるのがおすすめです。家族みんなでゲームをするときは全体を明るくし、一人でお酒を飲むときは間接照明だけにするなど、シーンによって点灯する照明の数を調整すれば無駄を省けます。

 

ダイニングテーブルの上には、ペンダントライトを低めに吊るすとよいでしょう。お料理がおいしそうに見え、レストランのような特別感を演出できるうえに、手元をピンポイントで照らすので省エネにもなります。

【キッチン】手元灯で安全性と節約を両立

 キッチンは細かい作業が多く、安全性も求められる場所です。だからといって、空間全体を隅々まで明るく照らし続ける必要はありません。

 

キッチン全体のベースとなる照明には、少し明るさを抑えたダウンライトなどを選びます。そして、包丁を使ったり食材の色を確認したりするシンクや作業スペースには、手元をはっきりと照らす流し元灯を取り付けましょう。

 

作業時だけ手元の明かりをプラスすることで、安全に料理がしやすくなるのはもちろん、全体の消費電力を抑えることができます。手元灯のスイッチは、濡れた手でも操作しやすいセンサー式にすると、こまめなオンオフができて便利。さらなる節約にもつながります。

【寝室】低い位置の照明と暖色系の光でリラックス

一日の疲れを癒し、心地よい眠りにつくための寝室では、光の刺激をできるだけ減らす工夫が求められます。天井からの全体照明は控えめにするか、使わないスタイルに切り替えるのも一つの手です。

 

光の色は、夕暮れ時のような温かみのある「電球色」を選ぶと、心身がリラックスし、自然な眠りへと導かれやすくなります。また、光源が直接目に入ると脳が覚醒してしまうため、照明を置く位置にも気を配りましょう。ベッドサイドの低い位置にブラケットライトを取り付けたり、足元を照らすフットライトを採用したりするのがおすすめです。

 

就寝前の読書や、夜中にトイレに起きる際にも、必要なだけの優しい明かりをつけることで、電気代を抑えつつ快適な睡眠環境を保てます。

【子ども部屋】学習効率と過ごしやすさを両立する光

子ども部屋には、シーンに合わせて光を変えられる調光・調色機能付きのシーリングライトが向いています。

 

遊びの時間には自然光に近い昼白色の光を、寝る前には落ち着いた電球色の光へと切り替えることで、子どもの生活リズムを整える手助けになります。机で勉強や読書をするときには、文字がはっきりと見えやすい白い光のLEDデスクライトを併用するのがおすすめ。子どもの大切な視力を守りつつ、部屋全体を明るく照らすことによる電気の無駄をなくせるでしょう。

【書斎・ワークスペース】手元の明るさ確保で集中力アップ


書斎やワークスペースの照明計画は、集中力を高めることと、目の疲れを和らげることが大きなテーマ。部屋全体を明るくしすぎると、かえって目が疲れてしまうことがあるため、全体の照度は適度に抑えたいところです。

 

その代わり、作業する机の上にはデスクライトなどを置いて、ピンポイントでしっかりと明るさを確保します。このとき、パソコンの画面に照明の光が反射してまぶしくなる「グレア現象」が起きないよう、光の当たる角度を調整してください。そうすることで目の負担を減らしながら、消費電力も減らせます。

【トイレ・洗面室】短時間利用に適したセンサー照明

トイレや洗面室、廊下などは、照明をつける頻度は高いものの、長時間つけ続けている必要はありません。こうした場所で起こりがちなのが照明の消し忘れです。

 

消し忘れ防止としておすすめしたいのが、人の動きを感知して自動でオンオフしてくれる「人感センサー付き照明」です。人がいなくなれば自動的に消灯するので、意識することなく無駄を省けて、電気代を節約できます。

 

さらに、夜中にトイレに行く際、光が明るすぎて目が覚めてしまわないよう配慮することも大切です。フットライトを付けたり、深夜だけ明るさを抑えられるセンサーライトを選んだりすると、より快適な空間になるでしょう。

 

まとめ

照明は、ただ空間を明るくするための道具ではなく、暮らしの質を高め、毎日を心地よくしてくれる大切なインテリアの一部です。一室一灯にこだわらず、必要な場所に必要なだけの光を配置することで、心落ち着く快適な空間と節電を自然に両立できるでしょう。

 

今回ご紹介した場所ごとの照明アイデアを参考に、お住まいの照明計画を見直してみてはいかがでしょうか。