リフォームで間接照明は必要?メリットと空間作りのポイント
リフォーム後の住まいの快適性を大きく左右する照明計画。モデルハウスのように洗練された雰囲気を演出できる間接照明には憧れる反面、本当に必要なのか迷ってしまうかもしれません。しかし、間接照明はおしゃれなだけでなく、さまざまな効果が期待できるのです。
この記事では、間接照明の役割や取り入れるメリットについて解説するとともに、採用する際の注意点もお伝えします。
間接照明は本当に必要なのか?基本的な役割
そもそも、私たちが普段よく使うダウンライトやシーリングライトは「直接照明」と呼ばれます。空間に直接光を届けることで部屋全体を明るくし、家事や仕事・勉強、食事など日々の作業をしやすくするのが役割です。
一方の間接照明は、壁や天井に光を当て、そこから反射した柔らかい光で空間をぼんやりと照らします。光源が直接目に入らないため、眩しさを抑えた落ち着きのある空間づくりに役立ちます。
直接照明か間接照明かの二者択一ではなく、部屋ごとの過ごし方に合わせて上手に組み合わせることで、使いやすさや心地よさを実現できるのです。
間接照明を取り入れるメリット

「間接照明はおしゃれな空間を演出するためのもの」と考える方もいるかもしれません。もちろんそれも一つの魅力ですが、それ以外にも取り入れるメリットがあります。ここでは、代表的なものを2つ紹介します。
空間に立体感と広がりを持たせられる
間接照明が生み出す光と影のグラデーションは、シンプルで変化の少ない部屋に、自然な立体感をもたらします。壁や天井を柔らかく照らすことで、奥に広がりがあるように感じられ、限られた広さの部屋でもゆとりを演出できるのが魅力です。
また、光の当て方で視線を誘導できるのもポイントです。間接照明で視線を集めるポイントを作れば、空間にメリハリが生まれます。このテクニックを使えば、まるで高級ホテルやおしゃれなカフェのような、洗練されたワンランク上のインテリアも目指せるでしょう。
心理的なリラックス効果を高められる
間接照明は直接照明に比べて眩しくないので、目に優しいというのもメリットです。光はスポットで照らすほど硬くなり、面で照らすほど柔らかくなる性質があるため、間接照明による光には角がありません。
そのため、間接照明を取り入れた空間には、疲れを癒す心理的な効果が期待できます。家族団らんの中心となるリビングや、一日の終わりを静かに過ごす寝室など、安らげる空間づくりにぴったりです。夕暮れ時のような落ち着いた灯りが、体を休める副交感神経を優位にしてくれるので、心からリラックスできるでしょう。
間接照明を取り入れる際の注意点

魅力あふれる間接照明ですが、「おしゃれだから」と何となく導入してしまうと、後悔につながるケースもあります。以下で紹介する注意点を認識したうえで、効果的に取り入れましょう。
照度不足になりやすく手元が暗くなる
間接照明は光を一度反射させるため、直接照明のように部屋全体を明るく照らすのには向いていません。間接照明の光だけでは、本を読んだり細かい作業をしたりするには明るさが足りず、使い方によっては不便を感じることもあるでしょう。
この問題を解決するには、ダウンライトや手元を照らすスタンドライトといった直接照明と併用するのがおすすめです。時間帯によって、直接照明と間接照明を切り替えられるようにするのもよいでしょう。そうすれば、日中の作業時は明るくしつつ、夜のくつろぎタイムは照度を落とすといった使い分けができ、過ごし方のバリエーションが広がります。
器具にほこりが溜まり掃除の手間が増える
間接照明は光源を直接見せないようにするため、天井のくぼみや壁の裏側などに器具を設置するのが基本です。こうした構造は、どうしてもほこりが溜まりやすく、掃除の手間が増えてしまうのは悩みどころでしょう。
手間を少しでも軽減するには、リフォームの設計段階で、光源を手が届きやすい高さに設置したり、足場や脚立を使わなくても掃除できるような配置にしたりといった工夫を取り入れましょう。
光源については、寿命が長くてランプ交換の頻度が少ないLED照明がおすすめです。メンテナンスの回数が少なくて済むため、手間をかけずにきれいな状態を保ちやすくなります。
間接照明の主な種類と特徴

間接照明と一口に言っても、光の当て方の種類によって雰囲気が異なります。種類ごとの特徴を理解して、ぜひ部屋に合うものを選んでください。
天井を照らすコーブ照明
コーブ照明は、光源を上に向けて天井全体に光を反射させるスタイルです。光の反射面が大きく、比較的広範囲を照らせるため、間接照明の中では明るさを確保しやすいという特徴があります。また、天井を高く見せる効果も期待できるでしょう。
ただし、光源を設置するための幕板が必要になるため、どうしても天井に凹凸ができてしまいます。天井が低いと凹凸の存在感が大きくなりやすいので、高さに余裕のあるリビングなどに取り入れるのがおすすめです。
壁面を照らすコーニス照明
コーニス照明は、光源を下や横に向けて壁面を照らし、その反射光で空間を明るくする手法です。タイルやエコカラットなど表面に凹凸のある素材の壁を照らすと、独特の質感や凹凸の影がくっきりと浮かび上がり、高級感のある上質な空間を演出できます。光によって部屋に奥行きが生まれ、壁に飾ったお気に入りのアートやインテリア雑貨を引き立てる効果も期待できるでしょう。
なお、ライトの下に入ると眩しさを感じやすいため、頻繁に座る場所や動線から直接見えないよう、照明の向きと配置には配慮が求められます。
天井と壁面の両方を照らすバランス照明
コーブ照明とコーニス照明を組み合わせた手法がバランス照明です。壁面の一部に目隠しとなる壁を設置し、その裏側に光源を配置します。これにより、天井と壁面の両方を照らすことができるのです。
裏から光を照らすことで目隠し部分が浮き出たように見えるため、視線を集めるインテリアのアクセントとして使うのが効果的です。目線の位置に合わせた高さに設置すると、コーブ照明やコーニス照明とは一味違うおしゃれな空間を演出できるでしょう。
低い位置に光源を設置すると眩しく感じやすいので、目線以上の高さにするのが基本です。
間接照明で理想の空間を作るポイント
せっかく間接照明を取り入れるなら、スタイリッシュな空間に仕上げたいところです。ここでは、間接照明のある空間づくりで押さえておきたい2つのポイントを紹介します。
目的に合わせた設置場所と明るさを選ぶ
間接照明を取り入れる際には、設置する部屋の役割に合わせた「光の当て方」と「明るさ・色合い」を選ぶことが大切です。部屋ごとの大まかな考え方を見ていきましょう。
・リビング
空間全体をふんわりと照らすよう、天井を囲む形でコーブ照明を設置するのがおすすめ。光源は温かみのある電球色を選ぶことで、開放感を持たせつつ、家族がゆったりとリラックスできる空間に仕上げられます。
・寝室
直接光源が目に入らないよう、足元やヘッドボード裏にコーニス照明を設置するとよいでしょう。眩しさを抑えたほのかな明るさが副交感神経の優位な状態を作り出すため、スムーズに入眠できる環境が整います。
・ダイニング
テーブル周辺の壁を優しく照らすよう、コーニス照明やバランス照明を配置するのがおすすめです。料理が美味しく見える自然な色合いにすることで、毎日のディナーの時間が上質なものになるでしょう。
直接照明と間接照明を組み合わせたり、どちらか一方に切り替えたりできる柔軟性を持たせると、時間帯やシチュエーションに合わせた調整ができて暮らしの幅が広がります。
光源を隠して内装材の反射をコントロールする
間接照明の美しさは、光源を見せないことで際立ちます。造作壁を作ったり、幕板を取り付けたりして、ライトが目に触れない構造にしましょう。
また、光を反射させる壁や天井の素材選びも大切です。白やベージュといった明るい色で、ツヤのないマットな質感の壁紙を選ぶと、光が柔らかくきれいに広がります。石目調タイルやエコカラットのように凹凸のある壁材を照らせば、陰影が美しく浮き出て、部屋の質感を高められるでしょう。
一方で、鏡面仕上げのツヤツヤした素材や、窓ガラス、テレビの画面などは要注意です。光がそのまま映り込んでしまい、眩しさや不快感につながることがあるため、映り込みを避けた配置を心がけましょう。
まとめ
間接照明は、単に部屋をおしゃれに見せるだけのものではありません。住まいに立体感と豊かな表情をプラスするとともに、そこで過ごす人にリラックス効果をもたらすのです。暗くなりやすかったり、メンテナンスがしづらかったりといった課題もありますが、直接照明との組み合わせや設置場所の工夫で十分に解決できます。
リフォームで理想の住まいを目指すなら、間接照明を効果的に取り入れた、おしゃれで心地よい空間を考えてみてはいかがでしょうか。