狭小住宅のリノベーション事例を徹底解説!成功の秘訣も紹介

リノベーションは部屋を広く見せることがポイントの1つです。開放感の演出は快適な住空間作りに繋がるからです。
しかし、住宅はどんな場所でも広い部屋作りが可能な訳ではありません。土地の制限が問題になる場合もあるのです。いわゆる狭小地住宅が良い例と言えます。
そこで、ここでは狭小地リノベーションの事例を挙げ、そのポイントを併せて紹介します。
リノベーションの事例
まずはリノベーションの事例を紹介しましょう。
2階建てを平屋に変えて広いLDKを作った事例
狭小地の場合には限られた土地の中で快適な空間を作り出すのが大きなポイントです。
そのため、間取りの工夫が重要。壁の配置の工夫が必要となります。
さて、この住宅はダイニングとリビングを繋げて広いリビングにした例。天井勾配にも工夫を凝らし、大きな住空間を作って開放感を作っています。
ちなみに、この家は2階建てを平屋に変えています。生活に合わせてコンパクトで使いやすい住宅にしている事例です。
天井は梁を露出させていてスタイリッシュな住空間を作っていて、広い空間と明るさを両立させています。
減築している点もポイントです。
間取り図を見て分かるように、使ってない部屋があったのでスペースを減らしています
リビングダイニングを2階に移動して明るい住空間を作った事例
リビングダイニングは広さがポイントになりますが、1階に作ると明るい空間にできるとは限りません。
せっかくの広いLDKが暗くなる場合があるのです。
さて、リノベーションは大規模に変える場合も多く、LDKを1階から2階に移すケースもあります。
この事例はLDKを1階から2階に上げたもので、2階に上げることで明るい空間を作っています。
天窓を設けてLDKを明るくしているのが特徴。梁を出すことにより、おしゃれな空間を作り出しています。
キッチンが対面式になっているのも特徴的です。キッチンもリビングと同じように明るく作っています。
大きな吹き抜けを作って空間を広くする事例
部屋を明るくするためには「横の広がり」の工夫も大切ですが、「縦の広がり」の工夫も重要です。
縦の空間を取ると視界が広くなり、空間が開放的になるからです。
この事例は大きな吹き抜けを作ったもの。吹き抜けによって1階のLDKを明るくしています。
狭小地住宅は横の広がりの確保が難しい場合が少なくありません。
そのような場合は吹き抜けを作るのが有効です。2階で取り込んだ光が1階にも届く点が開放感に繋がります。
間取り図を見て分かるように、1階のLDKの採光が少なくなっています。
その点、改装後は吹き抜けにより、2階の光が差し込んで明るくなります。
吹き抜けを作ると開放的になるメリットがありますが、採光のメリットも併せている点がこのリノベーションの魅力と言えるでしょう。
使ってない部屋を吹き抜けに変えて1階を明るくした事例
前述のように、吹き抜けは縦の広がりを作ります。大きな空間を作る上で有効です。
さて、世帯にもよるでしょうが「使わない部屋」があるケースが意外と少なくありません。「使わないので物置にしている」といった声をよく聞きます。
さて、この事例は2階の部屋全体を吹き抜けにしたもの。縦への広がりを大きくしているので明るさと開放感を両立させています。吹き抜けにはキャットウォークを設けているのも特徴。ペットとの生活を楽しめる家となっています。
間取り図を見て分かるように、1階のほとんどをLDKが占めています。
これにより広さと開放感の両方を演出。狭小地ながらも広い空間を作っている点が特徴的です。
ちなみに、こちらの住宅は「和」のコーナーも設けてあります。LDKとは違ったテイストが魅力的です。
狭小地住宅は収納をどのようにするかがポイントとなりますが、こちらの住宅にはロフトがあります。ロフトは物置としても活用が可能。大きなものでも収納できます。
狭小地住宅のリノベーションのポイント
狭小地住宅のリノベーションには一般のリノベーションとは違うポイントがあります。
では、どのようなポイントがあるのでしょうか。
土地の条件に気を付ける
リノベーションは間取りの変更と共に増築をする場合がありますが、増築の場合には土地の条件に注意が必要です。
特に重要なのが、建ぺい率、容積率、斜線制限などです。
これらは家屋の面積にダイレクトに関係するので、リノベーションはこの範囲で行わなければいけません。
ちなみに、2階建てを平屋に変えて減築したとしても、1階部分を広くすれば建ぺい率オーバーになる場合もあります。注意が必要です。
家屋の強度を確保する
リノベーションで住宅の強度はアップする…というのは本当ですが、その実現には条件があります。
良い例が壁や窓の配置です。
これらは地震の横揺れを耐えるために特に必要です。そのため、この条件を超えるような間取りは出来ません。
ちなみに、過去の例では地震によって建物にねじれる力が作用して破壊した例もあります。当然ながら、ねじれ対策も必要で、構造強度への注意が不可欠なのです。
壁を少なくして部屋を広くする
建ぺい率や容積率のために部屋を物理的に広くすることはできない場合が少なくないのですが、空間を広く見せることは可能です。
例えば、壁を少なくするならば光が空間全体に届くため、広く、明るくできます。生活動線も確保しやすくなるでしょう。
ただし、前述のように壁の配置と量は耐震性にも影響するので、間取りのプランニングには注意が必要です。
デッドスペースは収納にする
狭小地住宅のリノベーションは許されている範囲でのスペースの有効活用がポイントです。
そのため、デッドスペースを収納として活用することが必要です。
例えば、階段部分のデッドスペースの活用などが挙げられます。
ちなみに、ロフトの活用も手段としてありますが、配置によっては部屋が暗くなる場合があるので注意が必要となるでしょう。
採光を工夫して明るくする
狭小地は土地の関係上、窓が隣地境界の近くにあるケースが少なくありません。そのため、採光に制限が発生する場合があります。
そのため、窓の工夫が必要です。
工夫の例としては天窓の設置などが挙げられます。
ただ、前述のように窓の配置の配置は家屋の強度にも関わる場合があるのでプランニングの際には十分に注意しましょう。
高さの工夫
前述の事例のように、高さの工夫は開放感に繋がります。
そのため、天井高さは工夫をするべきです。例えば、天井材を敢えて張らず、梁を露出させるなど。あるいは吹き抜けを作っての高さの工夫が挙げられるでしょう。
ちなみに、前述の事例には天窓を設置したものもありました。天窓も天井を明るくする上で有効。高さを「感じさせる」意味でも役立ちます。
水まわり設備を集める
水まわり設備を集めると配管が集約される場合があります。そうすると配管のスペース分が節約され、部屋を広く取ることが可能となります。
ただ、設備を集めすぎると間取りにも影響する場合が少なくありません。ケースによっては採光などにも関係することでしょう。
プランニングの際には優先順位がポイントになり得るので、最初の段階でイメージを固めておきましょう。
まとめ
狭小地住宅のリノベーションについて事例を挙げてみました。
リノベーションのポイントも併せて述べたので、メリットや注意点もイメージできたものと思います。
また、自宅のリノベーションのヒントを得た方も多いのではないでしょうか。
いずれにせよ、狭小地リノベーションは制限のある中で考えなければいけません。しかし、それは工夫が大きなポイントになることを意味します。ぜひともアイデアを出し合って良いリノベーションとしてください。
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