タワマン(タワーマンション)でリノベーションは可能?メリット・デメリットと注意点を紹介
都市部を中心に人気のタワーマンション。眺望や利便性の高さから住み替え先としても注目される一方で「今住んでいるタワマンをリノベーションして、もっと快適に暮らしたい」と考える方も増えています。
とはいえ、マンションならではの制限や手続きが気になり、「そもそも自由にリノベできるのか?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「タワーマンションでリノベーションは本当にできるのか?」という疑問に答えるとともに、リノベーションのメリット・デメリット、そして注意すべきポイントについて具体的に解説します。タワマンに住み続けながら理想の暮らしを叶えたい方は、ぜひ参考にしてください。
タワーマンションの専有部分はリノベーション可能!

タワーマンションでも「専有部分」に限ってはリノベーションが可能です。専有部分とは、住戸内の壁の内側や床、天井、キッチンや浴室などの設備などを指し、廊下やバルコニー、窓サッシなどの共用部分は原則として手を加えることができません。
この専有・共用の区分は「区分所有法」によって定められており、マンションにおける基本的なルールといえます。
ただし、専有部分であっても自由に改修できるとは限らず、事前に管理規約・使用細則を確認することが必須です。特にタワーマンションは、防音や耐震、水回りなどの面で制限が多く、例えば床材に遮音性能が求められたり、水回りの移動が禁止されていたりすることもあります。
また、「リフォーム」が老朽箇所の修繕・原状回復を目的とするのに対し、「リノベーション」は住まいを自分らしく刷新する工事です。間取りや内装デザインを一新することで、タワーマンションでも理想の暮らしを実現する選択肢として注目されています。
タワーマンションでリノベーションをするメリット

タワーマンションに住みながらリノベーションを検討する方の多くは、立地や利便性の良さに満足しつつも、「もっと快適な住まいにしたい」「ライフスタイルに合わせて空間を刷新したい」と考えています。タワマン特有のポテンシャルを活かせるのは、リノベーションならではの魅力です。
ここでは、タワーマンションをリノベーションすることで得られる具体的なメリットについて紹介します。
眺望や立地を活かした住空間を実現できる
タワーマンション最大の魅力ともいえるのが、都市部とは思えない開放的な眺望やアクセス性の良さではないでしょうか。タワマンのリノベーションにおいては、これらのメリットを最大限に活かしたプランニングが可能です。
例えば、大きな窓に向けてダイニングやワークスペースを配置したり、壁を取り払ってリビングを広く開放したりすることで、眺めの良さを日常の中で実感できる空間に変えられます。
また、すでに交通利便性や買い物環境が整っているエリアで暮らし続けられる点も、住み替えでは得られない大きな利点です。住環境の良さをそのままに、空間だけを刷新することで、長く快適に暮らせる住まいへと進化させることができるでしょう。
資産価値の維持・向上につながる
築年数が経過したタワーマンションでは、内装や設備が古くなり、周辺の新築・築浅物件と比べて競争力が低下しやすい傾向にあります。しかし、リノベーションを行うことで、内装のグレードアップや間取りの最適化が可能となり、中古物件としての価値を高める手段にもなります。
また、住宅市場では「リノベ済み物件」を希望する購入者も多く、売却時にも有利に働くケースが増えています。マンションの立地や管理状況が良好であれば、内装の刷新によって資産としての魅力を再構築することができ、将来的な売却や賃貸活用も視野に入れたリノベーション計画が有効です。
タワーマンションでリノベーションをするデメリット

タワーマンション特有の構造やルールにより、自由度の高いリノベーションには制限がかかる場面もあります。計画を進める前に、こうした制約や注意点を理解しておくことが重要です。
ここでは、タワーマンション特有の制約によって発生しやすいリノベーション上のデメリットを解説します。
管理規約や構造上の制限が多い
タワーマンションでは、居住者の生活環境を保つための厳格な管理規約や使用細則が設けられているケースが多くあります。例えば、遮音性を確保するためにフローリング材の等級が指定されていたり、上下階への影響を避けるために水回りの移動が制限されていたりすることがあります。
さらに、タワーマンションは高層構造ゆえに、二重床・二重天井といった特殊な工法を採用している場合が多く、構造的な制約から大きな間取り変更が難しいケースも珍しくありません。設計自由度は一戸建てや低層マンションに比べて限定的である点に注意が必要です。
工事の申請や調整に時間がかかる
共用部分や構造に関わる工事には、管理組合への事前申請や承認手続きが必須となります。工事の内容や規模によっては、工期や資材搬入のスケジュールに制約がかかることもあり、着工までに時間を要するケースが少なくありません。
また、上下階・隣戸への騒音や振動への配慮も欠かせません。工事可能な曜日や時間帯が限られていることが多く、工事日数が長期化する可能性もあります。施工業者との連携だけでなく、管理組合や近隣住民との調整もスムーズに行えるよう、事前準備を入念に行うことが求められます。
タワーマンションでリノベーションをする3つの注意点

リノベーションによって住まいの快適性や資産価値を高められる一方で、タワーマンションならではの制約や課題も存在します。特に高層建築ならではの構造やルールは、リノベ計画の自由度や進行スピードに影響を及ぼすこともあるため、事前の理解が欠かせません。
ここでは、タワーマンションでリノベーションを行う際に押さえておきたい3つの注意点を紹介します。
管理規約(使用細則)を必ず確認すること
タワーマンションでは、建物全体の秩序や安全性を保つために、管理規約や使用細則によって工事内容や手続きが細かく定められていることがほとんどです。例えば以下のような制約があります。
・フローリングは遮音等級LL-45以上
・工事時間は平日の10時〜17時まで
・搬入搬出には管理人の立ち会いが必要
・水回りの配置移動は不可など
これらの規約を確認せずにリノベーションを進めてしまうと、着工直前での計画変更や、管理組合とのトラブルにつながるリスクがあります。申請の方法や必要書類、承認までの期間なども含めて、事前にしっかり確認することが重要です。
工法や設備の選定に専門的知識が必要
タワーマンションは耐震性や防音性を高めるため、二重床・二重天井・乾式壁構造などの特殊な工法が採用されていることが多くあります。このような構造は、解体や設備交換の際に制限が生じるケースも珍しくありません。
例えば、床暖房の設置には床構造との相性を考慮する必要があり、給排水管の延長には勾配の確保が求められます。一般的なリノベーションの経験では対応しきれない部分もあるため、タワマンに特化した実績を持つ施工会社を選ぶことが重要です。
住みながらの工事は難しい場合もある
戸建てや低層マンションに比べ、タワーマンションでのリノベーションは工期が長期化しやすく、騒音・振動・粉塵の影響も大きいため、住みながらの工事は困難なことが多いです。特にスケルトンリノベーション(全面改修)を行う場合は、一時的に仮住まいが必要になるケースがほとんどです。
また、エレベーターや共用廊下を使った資材搬入・搬出作業には時間帯やルートの制限があり、工事効率が落ちる可能性もあります。リノベ計画を立てる際は、仮住まいの手配や費用も含めてトータルで検討しておくことが大切です。
まとめ
タワーマンションでも、専有部分であればリノベーションは十分に可能です。内装や間取りを見直すことで、暮らしやすさを高めたり、将来の資産価値を維持・向上させたりすることもできます。
ただし、メリットだけでなく、構造上の制限や管理規約、工事の申請手続きといった特有のハードルがある点も理解しておくことが重要です。このような要素をふまえて計画的に進めることで、満足度の高い住まいづくりが実現できます。
タワマンのリノベーションを成功させるためには、経験豊富な専門業者と連携し、各工程で的確な判断を下すことが重要です。「今の住まいをもっと快適にしたい」「自分らしい空間を手に入れたい」とお考えの方は、まずは信頼できるパートナーに相談することから始めてみてはいかがでしょうか。