「住宅ローンの金利に関するニュースを目にしない日はない」といっていいほど、金利動向の先行きの不透明感が増しています。「これから金利はどうなってしまうのか」と不安を感じている方も多いはずです。

 

この記事では、2025年11月時点の住宅ローンの最新動向や今後の見通しを解説。金利タイプごとの特徴を整理したうえで、後悔しない選び方のポイントをお伝えします。

住宅ローンの金利タイプとそれぞれのメリット・デメリット

住宅ローンの金利タイプには、大きく「全期間固定金利型」「変動金利型」「固定期間選択型」の3つがあります。まずは、それぞれの特徴を大まかに掴めるよう、メリットとデメリットを整理しました。

 

金利タイプ

メリット

デメリット

全期間固定金利型

・完済まで金利が変わらない

・返済計画を立てやすい

・変動金利より当初の金利が高め

・世の中の金利が下がっても恩恵を受けられない

変動金利型

・当初の金利が最も低い

・世の中の金利が下がれば、返済額も下がる

・金利が上がると返済額も高くなる

・総返済額が確定しない

固定期間選択型

・一定期間は金利が変わらない

・期間終了後に金利タイプの見直しができる

・固定期間終了後に返済額が上がる可能性もある

・変動金利より当初の金利が高め

 

各タイプについて、もう少し踏み込んで見ていきましょう。

全期間固定金利型

借り入れから完済まで、金利が一切変わらないのが全期間固定金利型です。「フラット35」などがこれに該当します。

 

全期間固定金利型のメリットといえば、何といっても安心感です。借り入れた時点で総返済額が確定するため、将来の金利動向に一喜一憂する必要がありません。2025年時点のような金利上昇局面でも、返済額が変わらないので安心です。

 

ただ、金融機関が金利上昇リスクを負うため、変動金利型に比べると当初の金利は高めに設定されています。将来的に金利がそれほど上がらなければ、割高な利息を支払うことになります。とはいえ、安定を確保するための「保険料」と考えれば、十分に検討の余地があるでしょう。 

変動金利型

世の中の金利動向に合わせ、半年ごとに適用金利が見直されるのが変動金利型です。

 

変動金利型のメリットといえば、当初金利の低さです。借りる側が金利上昇リスクを負う代わりに、固定金利型よりも低い金利で借り入れることができます。低金利状態が続けば、支払い負担を最小限に抑えられるでしょう。

 

その反面、金利が上昇すれば、ダイレクトに返済額へ跳ね返ってきます。急激な負担増を防ぐために、当初5年間の返済額が変わらない「5年ルール」や、金利見直し後の返済額の変動幅を1.25倍以内に抑える「125%ルール」を設けている金融機関も多いですが、これらはあくまで支払いを先送りする仕組みに過ぎません。未払利息が発生した場合、返済期間終了時に清算が必要になるため、十分に注意しましょう。

固定期間選択型

当初の3年、5年、10年といった期間だけ金利を固定し、その期間が終わった後、再び金利タイプを選べるのが固定期間選択型です。

 

「今の金利上昇局面が落ち着くまで、とりあえず10年は固定にしておきたい」といった柔軟な組み方ができるのが魅力。固定期間中は返済額が変わらないため、特に出費が重なる時期の家計管理に役立ちます。期間終了時に金利が下がっていれば、より有利な条件で変動金利に切り替えることも可能です。

 

注意したいのが、固定期間終了後の金利はその時点の水準で決まるという点です。もし固定期間中に金利が上がっていれば、返済額が増えるおそれもあります。また、「125%ルール」が設定されないケースも多いため、期間終了後のリスクを考慮したうえで選びましょう。

 

【2025年11月】最新の住宅ローン金利動向と今後の見通し


ここ数年で、住宅ローンを取り巻く環境は様変わりしました。2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除し、その後も利上げを行ったことで、「超低金利が当たり前」だった時代は終わりを告げつつあります。

 

かつてのように、「変動金利を選べば返済額を抑えられる」とは言い切れない状況になってきました。先行きが不透明な時代に後悔なく住宅ローンを組むため、今の金利がどうなっているのか、そしてこれからどうなる可能性があるのか、最新の情報を把握しておきましょう。 

【2025年11月現在】最新の住宅ローン金利状況

ダイヤモンド不動産研究所のデータによれば、2025年11月時点の住宅ローン金利は上昇傾向にあります。低金利が魅力の変動金利でも、大手銀行で年0.5〜0.7%台まで上がってきました。以前の0.3%台や0.4%台といった数字と比べると、金利の底が切り上がっていることが実感できます。

 

また、全期間固定金利の代表格である「フラット35」の最頻金利(最も多くの金融機関で採用されている金利)も年1.900%まで上昇しており、2%台に突入するのも時間の問題でしょう。固定金利は2022年頃からすでに上がり始めていましたが、ここにきて変動金利も、基準金利の引き上げや優遇幅の縮小などにより、実質的な負担が増しつつあります。

 

(出典)ダイヤモンド不動産研究所「住宅ローンの金利推移(変動・固定)は? 最新の動向や金利タイプの選び方も解説【2025年】」 

今後の金利動向の見通し

今後を占う上で知っておきたいのが、変動金利と固定金利ではベースとなる指標が違うということです。

 

  • 変動金利:日銀の政策金利の影響を受ける「短期プライムレート」に連動

  • 固定金利:「長期金利(10年国債利回りなど)」に連動

 

日本経済研究センターの「ESPフォーキャスト11月調査」によると、多くの専門家が今後も日銀による利上げが続くと予測。2025年12月末には政策金利が0.5〜0.6%、2026年末には1.0〜1.1%程度まで上がるとの見方を示しています。これに伴い、変動金利も緩やかに上昇していくと考えられるでしょう。

 

長期金利についても、政策金利の上昇や物価高の影響を受けて水準が高まっています。2025年11月末時点で、新発10年物国債利回りは1.8%前後で推移しており、2.0%を超える日も近いといわれています。これから住宅ローンを組む場合、提示される金利は変動・固定を問わず、上がるものと想定して資金計画を立てたほうがよいでしょう。

 

(出典)日本経済研究センター「ESPフォーキャスト11月調査


今後の住宅ローンにおける金利タイプの選び方


金利上昇を受け、実際に住宅ローンを利用している方やこれから組もうとしている方の意識も変化しています。住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2025年4月調査)」によると、日銀の政策変更をきっかけに「金利タイプの選び方や資金計画を見直した」という人は4割を超えました。

 

特に目立つのが、変動金利から固定期間選択型や全期間固定金利への見直しです。金利上昇が現実になる中、住宅ローンの金利タイプは今後どのように選べばいいのか、ポイントをお伝えします。

 

(出典)住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査(2025年4月調査) 」 

「金利が上昇するから固定金利」が正解とは限らない理由

「これから金利が上がるなら、固定金利にしておいた方が負担を軽くできる」というのは、一見もっともな考え方です。リスクを避けるという意味では、確かに固定金利が適しているものの、「固定金利が必ずしもお得」とはいい切れない側面があります。

 

なぜなら、固定金利はすでに「将来金利が上がること」を見越して、当初金利が高く設定されているからです。

 

例えば三菱UFJ銀行の2025年11月時点の適用金利を見ると、変動金利が年0.595〜0.675%であるのに対し、固定期間選択型(10年)は年2.17〜2.25%、全期間固定型(35年)は年2.91〜2.99%となっています。また、フラット35(融資率9割以下)の最頻金利でも年1.900%(2025年11月時点)で、各種優遇が適用されたとしても、年1.0%以上になるケースがほとんどでしょう。

 

今後金利が上がっていくとしても、この金利差を埋めるほど急激に上昇するかどうかは誰にも分かりません。支払利息の差を考えると、固定金利一辺倒で判断するのはおすすめできないのです。

 

(参照)三菱UFJ銀行「住宅ローン金利 」※2025年11月時点の数値

 

【ケース別】おすすめの金利タイプを紹介

結局のところ、万人に共通する「正解の金利タイプ」はありません。大切なのは、現在の金利差と、自分や家族のライフプラン、家計の余裕、そしてリスクに対する考え方のバランスを考慮することです。

 

ここでは、判断のヒントとして、どのような方にどの金利タイプに向いているのか、一般的な傾向をまとめました。個別の状況によって最適な金利タイプは異なるので、あくまで参考としてご覧ください。

 

状況・考え方

おすすめの金利タイプ

(1)目先の返済額をなるべく抑えたい

変動金利

→金利差を活かし、足元の負担を軽くできます。

(2)10年以内に住み替えの予定がある

変動金利

→借りる期間が短ければ、金利上昇の影響が限定されます。

(3)家計に余裕があり、金利上昇にも対応できる

変動金利

→万が一金利が上がっても繰り上げ返済などで対応できるなら、足元の負担を軽くすることを優先してもよいでしょう。

(4)教育費など将来の出費が決まっている

固定期間選択型 / 全期間固定

→出費が増える時期に返済額が高くなるリスクは避けたほうが安心です。

(5)金利のニュースに不安を感じたくない

全期間固定金利

→精神的な安定と、毎月の家計管理のしやすさを優先しましょう。

(6)定年後もローン返済が続く

全期間固定金利

→収入が下がる老後に返済額が増えるリスクは避けたほうが安心です。

(7)今後数年が教育費などのピークになる

固定期間選択型

→出費がかさむ期間だけ金利を固定し、家計を安定させる戦略がおすすめです。

 

まとめ

2025年11月現在、住宅ローン金利は上昇局面にあり、超低金利状態で当たり前になっていた「変動金利を選ぶのがお得」という考え方が揺らいできています。しかし、依然として変動金利と固定金利の差は大きく、単純に固定金利を選ぶことが最善策ともいい切れません。

 

住宅ローン選びで大切なのは、金利上昇のリスクを正しく認識し、自分や家族のライフプランや家計の状況を十分に考慮することです。今後金利がどのように推移しても家計が傾くことがないよう、不動産会社や金融機関のプロに相談しながら、後悔のない選択をしましょう。