窓サッシの種類と性能の違いを徹底比較|ポイント別の選び方ガイド
「冬になると窓際だけ妙に冷える」「朝起きるとガラスに水滴がびっしり付いている」
そんな住まいの悩みの原因は、実は窓サッシにあるかもしれません。普段の暮らしであまり意識することのない窓サッシですが、住まいの快適性や機能性に深く関係する存在です。
この記事では、そんな窓サッシの種類と性能の違いを解説するとともに、重視するポイントに沿った選び方を分かりやすくお伝えします。
窓サッシとは?住まいにおける役割と住み心地への影響

毎日窓を開け閉めしていながら、窓サッシを意識する方はほとんどいないのではないでしょうか。窓サッシとはどのようなもので、住み心地にどのような影響を与えるのか、詳しくみていきましょう。
そもそも「サッシ」とは?窓枠・ガラスとの違い
「サッシ」とは、窓の枠および窓ガラスをはめ込む框(かまち)のことをいいます。分かりやすく言い換えれば、窓全体のうち、窓ガラス以外の部分がすべてサッシです。サッシとガラスを組み合わせて初めて、1つの窓として機能するわけです。
窓サッシが住み心地と結露・光熱費を左右する理由
窓は、家の中で最も熱の出入りが多い場所です。冬は暖房で温めた空気の多くが窓から逃げ、夏は外気の熱が窓を通して室内へ入り込みます。この熱の通り道を塞ぐ役割をしているのが、窓サッシと窓ガラスなのです。
とりわけ窓サッシは、使われる素材によって熱の伝わりやすさ(熱伝導率)が違います。熱を通しやすい素材だと、窓サッシを通して大量の熱が室内外を出入りするため、冷暖房効率が下がってしまうのです。その結果、冬場や夏場の冷暖房にかかる電気代がかさんでしまいます。
熱伝導率の高い窓サッシ・窓ガラスの場合、冬の冷たい外気によって室内側の表面まで冷たくなります。ここに、室内の暖かく湿った空気が触れて水滴になることで結露が生じるのです。結露を放っておくとカビの繁殖や窓周辺の内装の劣化を引き起こすため、できるだけ早く熱伝導率の低い素材のものに交換し、結露が起きにくい環境を整える必要があります。
窓サッシの種類と性能の違いを素材別に比較

窓サッシは、使われる素材によって大きく4つの種類に分けられます。ここでは、種類ごとのメリット・デメリットを詳しくお伝えします。
アルミサッシ|価格の安さが魅力
アルミサッシは、長く日本の住宅の主流として使われてきたサッシです。軽くて加工しやすく、サビにも強いのが特徴。さらに、大量生産により低価格で購入できるうえ、耐久性にも優れています。
しかし、アルミには熱を通しやすいという弱点があります。アルミサッシを通して、外の冷たさや暑さがそのまま室内に伝わるため、冷暖房効率の低下や結露を起こしやすいのが難点です。
近年は住宅の断熱性能に対する基準が引き上げられたため、アルミ単体のサッシを選ぶ家は少しずつ減ってきました。初期費用だけで考えるとアルミサッシは魅力的ですが、住み心地や将来にわたっての光熱費まで含めて考えると、経済的とは言いにくいでしょう。
樹脂サッシ|断熱性の高さが強み
樹脂サッシは、塩化ビニルなどの樹脂でできたサッシです。樹脂サッシの魅力は、何といっても断熱性の高さにあります。樹脂の熱伝導率はアルミの約1,400分の1程度とされ、外の寒さや暑さを室内に伝えにくいのが特徴です。これにより結露の発生を抑えられます。
外気の暑さ・寒さを室内に伝えにくいため、寒さの厳しい地域にある住宅や、高気密高断熱仕様の住宅でも広く採用されています。
加えて、樹脂は着色しやすいのでカラーバリエーションが豊富なのも魅力。白や黒といった定番カラーのほか、木目調なども選べます。
その反面、アルミサッシに比べて価格は高めです。とはいえ、快適性の向上や光熱費の節約につながるため、長い目で見たコストパフォーマンスはよいでしょう。
アルミ樹脂複合サッシ|コストバランスの良さが強み
「アルミの手頃さも、樹脂の断熱性もどちらもかなえたい」というわがままに応えてくれるのが、アルミ樹脂複合サッシです。外側に風雨やサビに強いアルミを、室内側に断熱性の高い樹脂を使い、それぞれのいいところを組み合わせています。
複合サッシはアルミ単体に比べて室内の枠が冷えにくく、結露も起こりにくくなります。価格はアルミサッシより高いものの、樹脂サッシよりは抑えめ。性能とコストのバランスに優れているのが持ち味です。
新築でもリフォームでも採用例が増えていて、現在では日本の住宅における主流になりつつあります。
木製サッシ|デザイン性と断熱性が強み
木製サッシは、木ならではの温かみのある風合いが最大の魅力です。木材もアルミの約1,300分の1という熱伝導率の低さを誇り、断熱性の面で優れた性質を持っています。ナチュラルな内装にもなじむ独特の質感は、ほかの素材にはない唯一無二のものです。
ただし、木は湿気や紫外線の影響を受けやすく、美しさを保つには定期的な塗装などの手入れが欠かせません。おまけに加工に手間がかかることから、樹脂サッシよりも高額になりがちです。
とはいえ、デザインと断熱性の両方をとことん追求したい方にとっては、検討する価値ありといえるでしょう。
窓サッシとあわせて考えたい窓ガラスの種類と特徴
窓の性能はサッシだけでなく、組み合わせるガラスによっても変わります。せっかく断熱性の高いサッシを選んでも、ガラスが昔ながらの単板ガラスのままでは、その力を十分に発揮できないのです。
以下では、主なガラスの種類と特徴を一覧にまとめました。表の内容を参考に、自分たちの希望するスペックに合った窓ガラスを選びましょう。
主なガラスの種類と特徴の一覧
ガラスの種類 | 断熱性 | 遮熱性 | 価格 |
|---|---|---|---|
単板ガラス | 低い | 低い | 安い |
複層ガラス | やや高い | やや高い | 比較的安い |
Low-E複層ガラス | 高い | 高い | やや高い |
トリプルガラス | とても高い | 高い | 高い |
重視するポイント別にみる窓サッシの選び方
ここでは「断熱性」「初期コスト」「デザイン性」という3つの観点から、それぞれにおすすめのサッシをはっきりお伝えします。
断熱性を重視するなら樹脂サッシ
冬の底冷えや、窓まわりの結露をとにかく解消したいのであれば樹脂サッシがおすすめです。熱伝導率が極めて低い樹脂は、冬でも室内の暖かさを逃がさず、外の冷気もしっかり遮ってくれます。
そこに、Low-E複層ガラスやトリプルガラスといった断熱性の高い窓ガラスを組み合わせれば、断熱効果はますます高まります。寒冷地にお住まいの方でも、冬を快適に過ごせるでしょう。
初期コストとコスパで選ぶならアルミ樹脂複合サッシ
初期費用を抑えたいのであれば、最も安価なアルミサッシを選ぶのがベストに思えるかもしれません。しかし、ほかの素材に比べて熱伝導率が高いため、冬場や夏場の冷暖房にかかる電気代がかさみやすいのが難点です。毎年電気代が割高になると考えると、長期的にはむしろお金がかかるかもしれません。
そこでおすすめしたいのがアルミ樹脂複合サッシです。価格と性能のバランスがよく、初期費用と毎月の電気代を合わせた「総コスト」で考えた場合、経済的な選択肢といえるでしょう。
デザイン性を重視するなら木製サッシや色の選択肢
見た目や雰囲気を何より大切にしたい方には、木製サッシが向いています。木ならではの温もりある質感は、室内に落ち着きと上質さをもたらしてくれます。
価格の高さが気になる場合には、樹脂サッシや複合サッシにも目を向けてみてください。これらのサッシはカラーバリエーションが豊富で、商品によっては木目調を選べる場合も。室内外で異なる色を選べるものもあるので、部屋ごとのインテリアに合わせて色を変えるといった楽しみ方もできます。
窓サッシリフォームで使える「先進的窓リノベ2026事業」

環境省が実施している「先進的窓リノベ2026事業」では、内窓設置や断熱性の高い窓サッシ・窓ガラスへの交換を行うと、窓の大きさや断熱性能に応じた定額補助を受けられます。1戸あたりの最大補助額は100万円となっており、家全体の窓をリフォームする場合にも費用負担の軽減を図れるでしょう。
注意したいのが、申請の仕組みと期間です。申請は、あらかじめ事業に登録した「窓リノベ事業者」が行うことになっていて、住宅の所有者が自ら手続きすることはできません。そのため、依頼予定のリフォーム会社が窓リノベ事業者かどうか事前に確認しておきましょう。
また、申請期間中でも予算がなくなり次第、受付が終了となります。多くの利用が見込まれるため、窓リフォームをお考えの方は早めの検討がおすすめです。
まとめ
窓サッシは、素材によって熱の通しやすさやデザイン、コストが異なります。断熱性を求めるなら樹脂サッシ、コストと性能のバランスを大切にしたいならアルミ樹脂複合サッシ、デザインにとことんこだわるなら木製サッシといった具合に、自分たちの重視したいポイントに合わせて最適な素材を選びましょう。
「先進的窓リノベ2026事業」を活用すれば、最大100万円の補助を受けられます。2026年、補助金を使ってお得に窓サッシを見直してみてはいかがでしょうか。