【築年数別】住宅のメンテナンス計画|長く快適に暮らすためのリフォームスケジュール術
マイホームは購入して終わりではありません。これから長く住み続けるためには、計画的なお手入れが欠かせません。しかし、「いつ、どこを、どのように直せばいい?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、築年数に応じたリフォームのタイミングや、気になる費用の目安について分かりやすくお伝えします。
住宅に長期的なメンテナンス計画が必要な理由

せっかく手に入れたマイホームですから、いつまでもきれいで安全な状態を保ちたいもの。家を長持ちさせ、将来にわたって資産価値を保つためには、不具合を早めに発見して必要な手立てをすることが重要です。
もし小さなひび割れや雨漏りなどを放置してしまうと、建物の内部まで傷みが進行してしまいます。そうなれば、大がかりな修繕が必要になり、想定外の大きな出費になってしまうことも珍しくありません。
定期的に点検を行い、早めに手を打っていくことで、突然のトラブルを防ぐとともにトータルでの出費を抑えられます。大切な家族の暮らしを守っていくためにも、マイホームの計画的なメンテナンスが必要なのです。
長期優良住宅なら「維持保全計画」の確認を
マイホームを新築するにあたって、「長期優良住宅」の認定を取得した方もいるのではないでしょうか。これは、国が定めた厳しい基準をクリアし、長く快適に暮らせるように作られた家のことです。認定を維持するためには、家を建てた後も適切にメンテナンスする「維持保全計画」を作ることが決められています。
少なくとも30年間にわたり、10年を超えない間隔で定期的に点検を行い、必要に応じて修理をしていくのがルールです。また、いつ・どこを点検して、どんな修理をしたのかという記録を残すことも求められます。こうした履歴を確実に保管しておけば、将来自宅を売却する場合も、高い評価を受けられるでしょう。
【築年数別】住宅のメンテナンス・リフォームスケジュール

築年数によって、傷みやすい箇所や必要なお手入れの内容は変わります。ここでは、築年数ごとに求められるメンテナンスやリフォームの内容と、気をつけたいポイントを見ていきましょう。
なお、スケジュールを考える際は、建物を守るために必須のメンテナンスと、暮らしをより良くするための任意のリフォームを分けて検討するのがおすすめ。限られた予算の中で、資金の優先順位をつけやすくなります。
【築5〜10年】外回りや水回りの小規模メンテナンス
築5〜10年といえば、まだ新しいように感じる時期ですが、建物や設備に少しずつ変化が現れ始めます。外壁のつなぎ目を埋めるコーキング材にヒビが入ったり、木部の塗装が剥がれたりといったサインを見逃さず、必要に応じて修復しましょう。
また、新築時のシロアリ対策の有効期間は一般的に約5年。そのため、築5年を迎えたタイミングで一度床下を点検し、再消毒を実施すると安心です。薬剤の効き目は5年程度なので、その後も5年おきに定期点検と防除を実施しましょう。
その他、キッチンや浴室などの水回りでも、蛇口のパッキンが劣化して水漏れが起きやすくなります。壁紙のちょっとした剥がれや汚れなども含め、気になった箇所を早めに直しておくことで、大切な住まいが長持ちしやすくなるでしょう。
【築10〜15年】外壁・屋根の塗装と水回り設備の交換
家を建ててから10年以上が経過すると、目に見えない部分も劣化してきます。特に外壁や屋根は、毎日紫外線や雨風にさらされているため、表面の塗装をやり直すべき時期です。外壁材や塗料の種類にもよりますが、一般的に10年が初回の塗り替えの目安。ただ、高耐久塗料を使用している場合は15年程度持つこともあります。
外壁や屋根の塗装が劣化していると、隙間から雨水が侵入して、マイホームの寿命を縮めることになりかねません。塗装にはまとまった費用がかかるため、計画的に資金を積み立てておきたいところです。
あわせて、雨どいやバルコニーの防水処理に問題がないかも、プロにチェックしてもらいましょう。
さらに、給湯器やガスコンロ、トイレなどの住宅設備も、この頃から寿命を迎え始めます。急に使えなくなる前に、新しい設備への交換を検討し始めましょう。
【築15〜20年】大がかりな外装改修と内装リフォーム
築15年を超えると、表面の塗り替えだけでは対応しきれない部分が出てきます。この時期は、必須のメンテナンスに加え、快適性をアップするリフォームも検討したい時期です。
外装については、前回の塗装から年数が経っている場合、2度目の塗り替えや外壁材の張り替えといった、家全体を守るための大がかりな工事も視野に入ります。
室内についても、水回り設備の使い勝手が悪くなったり、古さを感じたりする時期です。キッチンやお風呂、洗面台などを最新の設備にリフォームすることで、毎日の家事がグッと快適になるでしょう。
また、長年の生活で傷や汚れが目立ってきた壁紙の貼り替えや、フローリングの張り替えもおすすめです。水回りの工事と合わせて内装を一新すれば、まるで新築のように気持ちよく暮らせるようになります。
【築20年以上】屋根の葺き替えとライフスタイルに応じた全面リフォーム
築20年以上経つと、屋根材そのものを新しいものに葺き替えるなど、より根本的な外装のメンテナンスが必要になってきます。
また、家族の年齢やライフスタイルも大きく変化しているはずです。子どもが独立して夫婦二人だけの生活になったり、両親との同居を始めたりして、住まいに求められる機能も変わっているかもしれません。そのため、これからの暮らしを見据えた、大がかりなリフォームを検討するとよいでしょう。
例えば、使わなくなった子ども部屋を趣味のスペースや書斎に変えたり、老後に備えて段差を解消したりといったリフォームが考えられます。
あわせて建物の基礎や柱の状態をしっかり確認し、必要なら耐震補強を行って、地震への備えも万全にしましょう。断熱性能も不足しがちなので、窓のリフォームや壁内の断熱材充填などを行って、室内の快適性をアップするのもおすすめです。
住宅メンテナンスの資金計画と費用の目安

必要なタイミングでメンテナンスを行うには、それなりの資金が必要です。ここでは、メンテナンスのメニュー別にかかる費用や生涯費用の目安をご紹介します。
【メニュー別】メンテナンスやリフォームにかかる費用目安
まずは、主なメンテナンスやリフォームにかかる費用の目安を確認しましょう。
修繕・リフォームの内容 | 費用の目安 |
|---|---|
外壁塗装 | 約80万円〜150万円 |
屋根塗装 | 約40万円〜80万円 |
屋根の葺き替え | 約100万円〜200万円 |
給湯器の交換 | 約15万円〜40万円 |
キッチンの交換 | 約70万円〜150万円 |
浴室の交換 | 約80万円〜150万円 |
トイレの交換 | 約15万円〜50万円 |
壁紙の張り替え(家全体) | 約50万円〜100万円 |
なお、屋根や外壁の工事には、上記以外に足場を組むための費用や、古い材料を処分する費用もかかってきます。また、施工面積や使用する素材や設備のグレードによっても金額は上下するため、あくまで参考として捉えてください。
自宅のメンテナンスにかかる生涯費用の目安
戸建て住宅に長く住み続ける場合、建ててからの数十年で数百万〜1,000万円以上の維持費がかかると言われています。総額で見るとかなり大きな金額になるため、早めに見通しを立てて計画的に資金を積み立てることが大切です。
10年目くらいまでは数十万円程度の出費で済むことも多いですが、築15年、20年と経過するにつれて、外壁や屋根の大規模な改修、水回り設備の交換などが必要になります。そのため、特定の時期にまとまったお金が必要になることも。
先ほどご紹介した部位ごとの費用相場を参考にして、「いつまでにいくら準備しなくてはならないのか」「そのためにはいくらずつ積み立てればいいのか」を逆算しましょう。
修繕費用の積み立てとリフォームローンの活用
マンションでは、修繕積立金が設定されるケースが多いですが、戸建てでは自分たちで積み立てるのが基本です。例えば、月1.5万円〜2万円を目標に積み立てておけば、10年間で180万円〜240万円となり、足場代を含めた初回の大がかりなメンテナンス(外壁・屋根塗装など)を自己資金でカバーしやすくなります。
しかし、急な雨漏りや設備の故障など、どうしても自己資金だけでは賄えない、突発的な工事が必要になることもあるでしょう。そうした場合には、リフォームローンの活用も選択肢の一つです。リフォームローンは、住宅ローンに比べて金利が高い傾向にあります。金利や返済期間を慎重に検討し、家計を圧迫しないよう気をつけましょう。
メンテナンス費用負担を抑える補助金や減税制度の活用
修繕やメンテナンスにかかる費用は、国や自治体の制度を上手に活用することで、負担を軽減できるかもしれません。例えば、断熱リフォームや、手すりを取り付けるバリアフリー工事などは補助金を活用しやすいでしょう。
また、一定の条件を満たすリフォームを行った場合、所得税が還付されたり、固定資産税が抑えられたりする減税制度も用意されています。こうした制度を知っているかいないかで、最終的な費用負担は大きく変わってきます。
補助金や減税制度の内容は年度によって変わるうえ、申請期限が定められていることも。国や自治体のホームページなどで最新情報を確認するとともに、補助金情報に精通したリフォーム会社へ事前に相談するようにしましょう。
まとめ
家は建てて終わりではありません。むしろ、住み始めてからが「本番」と言えます。年月とともに少しずつ変化していく住まいに寄り添い、適切なタイミングで点検やメンテナンスを行うことで、安心して快適に住み続けられるのです。
将来、修繕する費用が足りなくなる事態を防ぐため、「まだ大丈夫」と後回しにせず、早い段階で修繕とリフォームの長期計画を立てましょう。必要な金額とタイミングを把握し、日頃から費用を積み立てておけば、いざというときにも慌てず対応できるはずです。