インダストリアルスタイルのリノベーション事例解説|空間の作り方と素材の選び方

リノベーションは凝ったデザインの事例が良く見られます。それぞれにコンセプトを設定し、そのコンセプトのキーワードを内装のテイストに広げて…などです。例えば、「和モダン」とするならば、「和」を想起する素材を近未来的にシャープに配置する、と言ったテイストの例が見られるでしょう。
ところで、ここで紹介するのは「インダストリアル」というテイストです。人気を集めているのですが、リノベーションに応用する時の事例やコツを情報として欲しい人は多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは「インダストリアルなリノベ」とテーマに、テイストや事例、リノベーションのコツを紹介します。
インダストリアルとは
まずは「インダストリアル」のテイストを再確認しましょう。
インダストリアルのテイスト
「インダストリアル」は「工業の」という意味で、インダストリアルデザインとは工業デザインのことを指します。使いやすさやコストなど、実用性をメインにして設計されていると言えるでしょう。
例えば、ペンなどは「美観」もですが、「書きやすさ」などの要素が加味されて設計されています。
その点、内装のインダストリアルは少し別のテイストが加わります。機能性を重視したデザインに「無機質の素材感」「レトロ」といったテイストが融合させるのす。
具体例としては、打ちっぱなしのコンクリートやレンガのようなザラザラした触感、金属素材などはサビついている部分を敢えて前面に出すケースが挙げられます。一般のリノベーションで天然木の床材を使って有機的なレトロ感が演出されることを考えるなら、ずいぶんと違ったテイストです
使われる素材
インダストリアルは無機質の味わいがポイントとなるので、使われる素材には一定の方向性があります。
よく見られるのがコンクリートや金属などの無機素材の活用です。しかも、コンクリートは打ちっぱなしで装飾があまり感じないように使われますし、金属素材も塗装などされていません。むしろサビついている部分を敢えて出して使われます。
また、レンガや木素材なども使われますが、レンガはゴツゴツした感じを表面に出し、木材には古材を敢えて選びます。レトロ感と共に、ヴィンテージ感を狙ってのチョイスと言えるでしょう。
インダストリアルなリノベ事例
次に、インダストリアルなリノベーション事例を取り上げてみましょう。
無機質の雰囲気がイメージできると思います。
事例1
コンクリート感を出した壁とグレーの床、そしてベッドと椅子をグレー系で統一しているデザインです。
壁のコンクリートは敢えてザラザラな感じに仕上げ、無機的な雰囲気を前面に出しています。
ベッドも椅子もグレーなのですが、両方とも木のフレームのタイプです。無機質感の中にアクセントとして温かさが感じられるインテリアと言えるでしょう。
事例2
ゴツゴツしたコンクリート壁にアイアンの棚を設置したリノベーションです。階段のステップや手すりも無機的に仕上げられていて、ヴィンテージ感のあふれるデザインとなっています。
特徴的なのが照明器。無機的な部屋の中で放つオレンジ色の光は絶妙なアクセントと言えるでしょう。
ちなみに、照明器の配置は窓の配置も計算に入れなければいけません。この照明器のオレンジ色の光は、無機的な室内に温かさを加えるかのようです。
事例3
グレーの壁にウッドとアイアン調の家具でまとめた部屋です。モノトーンの中にあるウッドのやさしい雰囲気が部屋全体を心地よくしてくれます。
また、大型テレビもインテリアのポイントと言えるでしょう。ブラックの画面が空間にメリハリを付けているので、恰好のアクセントとなっています。
インダストリアルなリノベのコツ
それでは、このような空間演出はどのようにしてできるのでしょうか。
ここで、インダストリアルリノベーションのコツを挙げてみましょう。
全般的に
インダストリアルの内装は「無機的」や「無骨さ」を押し出すようなもの。明るくてキレイにするよりも、むしろ少々暗くなっても無機質を強調します。
例えば、天井材を張らずに配管などを敢えて露出させたり、明るい壁紙を張らずに、敢えてダークな色調を選んだりします。
使う内装材
モルタルやレンガなどの使用が望ましいのですが、一般の木造住宅の場合は難しい場合が多いです。
その場合は壁紙を工夫すればインダストリアルのイメージになります。具体的にはコンクリート柄やレンガ調の壁紙など。色も少し暗めの方がベターです。
また、天井に走っている配管を敢えてむき出しにして内装に使います。ただ、電気や水道の配管そのままだと安っぽくなる場合もあるので、塗装をするなどして調整するとよいでしょう。
カラー
全体的にダークカラーを基調とします。よく使われるのがコンクリートを想起させるグレー系の色、レンガや古木を連想させるダークブラウンなどです。アクセントとしてブラックを使うことも良いでしょう。
なお、全体のアクセントとして明るい色が欲しくなる場合もありますが、それはファニチャー類で調整した方が良い場合があります。
前に挙げた事例1が良い例で、全体がグレーの中で、ベッドと椅子の明るい木の色が良いアクセントとなっています。
照明
照明は明る過ぎない方がベターでしょう。
ただし、あくまでも「薄暗いイメージ」ではなく「あたたかい感じ」にすることがコツです。
具体的には、照明の色をオレンジ系にすること。LED照明は光の色を調整できるので、温かい感じのオレンジを選びましょう。
ちなみに、シックに演出するためには間接照明の活用もおすすめです。無機的な空間をやさしく彩ることでしょう。
インダストリアルインテリアに欲しいアイテム
インダストリアルにリノベーションをした部屋であれば、その部屋に合うアイテムを入れたいものです。
そこで、ここではインダストリアルにデザインした部屋に欲しいアイテムを紹介します。
インテリアグリーン
インテリアグリーンは殺風景な部屋に生命感を吹き込むことが可能です。窓際などに飾ると、部屋の感じがやさしくなります。
おすすめはパキラやポトスなどの初心者向けのもの。世話が比較的簡単な点が魅力的です。
ただし、グリーンは飾り過ぎるとインダストリアルなテイストが薄れてしまいます。あくまでも「適度」を心掛けることが必要です。
ロートアイアン素材
一般のスチール素材の場合、無機感はあるけど安っぽい場合が意外とあります。例えば、スチール家具などは鉄素材ではありますが、ヴィンテージ感はありません。
その点、ロートアイアン素材であれば、ヨーロピアンスタイルでヴィンテージ感にあふれます。部屋の中にちりばめると良いでしょう。
ウッド素材はオイルフィニッシュに
ウッド素材がインテリアに使われるならば、オイルフィニッシュのタイプがおすすめです。
オイルフィニッシュの木目の渋い光沢はヴィンテージ感があふれるもの。小さい家具であっても説得力を持っています。インテリアの恰好のアクセントとなるでしょう。
ちなみに、オイルフィニッシュはDIYでも、ある程度は可能です。家具を自作して、お気に入りのオイルで仕上げて家に置く…手間は掛かりますが、ある意味で贅沢。せっかくのリノベーションであれば、そのような試みも良いのではないでしょうか。
まとめ
インダストリアルなリノベーションについて取り上げました。
インダストリアルなデザインが掴めたことと思います。また、実際のリノベーションへの活用もイメージできたのではないでしょうか。ぜひとも、インダストリアルなテイストを自宅に加えて、素敵な家づくりをしてください。
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